SAO~脇役(?)の異世界日誌~
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第四話 遺跡の魔物(後編)
前書き
言い忘れましたが旋棍スキルの取得条件は体術スキルカンスト+レベル35以上です。
ジョセフ君はその為に体術スキルだけでレベリングという荒業に出ました。脇役とは一体··
目が覚めると知らない天井だった。まさかこんな台詞を言う日が来るとは。ってそうじゃねぇよ!?
「メイ!コウ!生きてるか?」
周りは真っ暗で何も見えない。俺はとりあえず後輩探しを兼ねて索敵スキルを発動した。
「モンスターの反応は無し、とメイとコウは···こっちか。」
俺は二人を起こすためスキルに反応した方向へ歩いて行った。歩く内に目がだんだん慣れていった。
結構遠くに居るな。
「おい!起きろ!」
とりあえず二人して気絶してるメイとコウに声をかける、が全く起きない。仕方ない。
ドカッ
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
俺はコウの頭をダメージが入らないギリギリで蹴っ飛ばした。声上げすぎだろうが。
あ、そういえば落下ダメージでイエローになった体力を回復しないと。
「何するんですかジョーさん!」
「悪かったって。でもああでもしないと起きないだろ?ほらお詫びにポーションやるから。」
「あ、ありがとうございます。」
とりあえずコウを鎮めた俺はすでに暗闇に慣れた眼で周りを見渡した。ここどこだ。
「ここ、どこなんでしょうねー」
「まぁ遺跡の中ってのは確実だが···地下だろうけど」
何だこの部屋は···モンスターの一匹もPOPしないし落下ダメージで殺したいならもっと低くするはずだ。
しかも暗いし何か変な銅像あるし。あ、そういえば。
「メイの方は大丈夫か?」
「多分。今は気絶してますけど」
あの過呼吸みたいなのは何だったんだ。謎だらけだな。
「まぁとりあえず謎解きといこうか。まずここはどんな部屋なのか。」
「どんなって···圏内ではないらしいけど···」
「説1、ここは入り口の近くで落とし穴はここから追い出すためのもの」
「それは違うとおもいますよ。扉が見当たりませんし。」
「説2、ここは宝部屋で落下ダメージで死ななかったものだけが宝を取れる」
「それも無さそうですね。それっぽいものはないですし」
「説3、ここは·····!?」 ゴゴゴゴゴゴゴ·····
「!?何ですかこの音は?」
「どーやら説3が当たりらしい。」
説3---------
「"ここは侵入者を殺す為の部屋でこのダンジョンのボスがいる"」
「じゃああの音は···
「武器を出しとけ!くるぞ!」
「っ!了解!」
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「くっそ!硬すぎだろこいつ!」
何かデジャヴ。だが前の時より絶対硬い!この<ブラック·ゴーレム>は!動きこそ遅いがその防御力、
凄まじいHP量に俺達二人は攻めあぐねていた。
「コウ!こいつの弱点どこだ?」
「多分····首だと思います···でも硬すぎるし全然ちかよれませんって!」
「俺が両腕弾くからスイッチして最大火力叩き込め!それが一番良い!」
そう叫んで俺は"クイックチェンジ"で俺の愛武器"旋棍"-------銘を裂雷(さくいかづち)という-----装備
した、駆け出す。
「このっ!」
黒い機械兵は両手を握り降り下ろしてきた。それに対し俺は旋棍重単発ソードスキル"抗"を放つ。このソードスキルは本来相手の攻撃に対する高威力カウンターだが威力が高いのでこれを選択した。
「オラァっ!!」
バゴッ!!
"抗"は相手の拳と一瞬拮抗したが拳を弾くことに成功した。
「今だ!スイッチッ!」
「うおおおおおおお!」
俺とスイッチしたコウの両手槍上位単発ソードスキル"スターダストブレイク"がゴーレムの弱点の首に
命中。そのHPを減らして行く···減らした、のだが··
「おいおい冗談じゃねぇぞ···」
これもデジャヴっぽいな。そんなことより非常にマズイ。何とゴーレムは上位ソードスキルを、
しかも弱点に命中したにも関わらず、四本ある内の一本目のしかも二割しかへらなかったのだ。嘘だろ、
下手なモンスターなら即死の一撃だぞ?つまり奴を倒すにはたった二人でいまの動きをあと38回繰り返
さなければならない。とてもじゃないが集中力も気力も持たない。まだフロアボスの方が難易度低いぞ。
「やれやれだぜ····」
そこから俺達の一度のミスも許されない長い長い流れ作業がはじまった。
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作業内容はこうだ。まずゴーレムがさっきの振り下ろし攻撃をするまでかわしつづける。
→それをしてきたら俺が前に出て弾く
→コウがスイッチして最高火力を叩き込む
→相手の硬直が解ける前に距離を取る。
の繰り返しだ。 正直面倒くさいことこの上ない。当然三十八回も連続で成功する筈もない。俺が
弾き損なったりコウがスイッチをミスったり···etc
ついでに奴があまり振り下ろし攻撃をしてこないこともあってHPを残り一本まで削るのに
実に二時間掛かった。···硬すぎだろこいつッ!というかメイはいい加減早く起きてくれよ!俺達二人
がここまで手間取っているのは一概に火力に乏しいからだ。俺はレベル37とはいえ敏捷優先だし
コウはそのクリティカル率で火力を補うスタイルの為高レベルの敵相手には時間がかかる。
その火力を低い補う為両手剣使いのメイが居るのだが····。
「起きる気配が全くねぇな!」
まぁ起きたところでまたあの過呼吸が始まるかもしれないから期待は出来ねぇか!
バゴッ!
「スイッチッ!」
再びコウが俺とスイッチし、ソードスキルを放つ。、がその声には少なからず疲れが含まれている。
ドシュッ!
ソードスキルはクリティカルヒットし、また二割ほどHPを削った。···良し!そろそろいけるか!
「コウ!こんだけ削れば充分だ!下がれ!」
「えっ?何する気ですかジョーさん?」
「なぁに俺の得意技を使うのさ!」
そう、おれの得意技、旋棍"無限"連撃ソードスキル"連"。その名の通り一発の威力が低い代わり、
連撃数が"無限"で二分間の間システムアシストで加速した連撃を叩き込める。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァっ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
掛け声と共に放たれる突き、蹴り、手刀、頭突き、踵落としetcがゴーレムのHPを少しずつ、しかし
確実に削る。"連"を発動してからすでに一分半が経過している!敵の体力はのこり一割!
「オラオラオラオラオラッ!オオラァっ!」 ドガァン!
·····マズイ。
ギギギギ····
俺の無限連撃を耐えきったゴーレムが音を立てながらたち上がった。まさか耐えきるとは····。
まぁ俺には当然代償の長いスキルディレイが課されており------
ドゴッ!
「グハッ!?」
ゴーレムの重い一撃を喰らい吹き飛ばされた。遠くでコウが何かを叫んでいる。
ギィィィ····
ゴーレムは音を立てながら俺の方へ向かってくる。だが俺は意識が朦朧として動けない···。
ギィィィ··
ゴーレムが腕を振り上げた、そしてその腕が勢い良く振り下ろされ-------
ガ キ ィ ン!
---------なかった。
「ハアアアアアッ!」
ゴーレムの腕を両手用大剣上段ダッシュソードスキル"アバランシュ"で弾いたのは銀髪の少女----
----メイ。そして続けざまに放たれた両手用大剣単発ソードスキル"ディストラクション"が
残り数ドットだったゴーレムのHPを吹き飛ばした。
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「いやー凄かったですねあのソードスキル!なんていうんですか?」
「大したもんじゃないって。削り切れなかったしな。名前は旋棍無限連撃ソードスキル"連"だ。」
「無限!?」
無事ゴーレムを倒し遺跡から脱出した俺達は重い足取りでギルド「風」の本部へ向かっていた。
「そう言えばメイ、あの閉じ込められた時に過呼吸っぽくなってたのはなんだったんだよ。」
「あぁ。実は私、閉所恐怖症なんです。」
「···それゲームでもなるもんなんだな。」
そう言えばゴーレムのドロップ品と倒した後に出てきた宝箱の中身、あとクエスト報酬は大量の
レアインゴットだった。後日それでギルドメンバー全員の武器をつくったが性能がかなり良く、
一番の特徴はほぼ無限とも思える耐久値だった。
だけどあのゴーレムは軽くトラウマになったからもう行きたくない····。
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後書き
どうもゆっくり雪です!
今回は長めになりましたがどうでしたか?やっぱり戦闘描写は難しい!
書いてからおもいましたがゴーレムさん硬すぎですね。大技で二割とか···。まぁでも時間掛ければ
倒せますけど。僕は結構速攻で倒しちゃいたい派なので書いてる途中若干イラついてました。
なんか脇役のはずなのに活躍しちゃってるジョー君···。まぁキリトと比べればって意味ですしお寿司。
まだまだ駄文の小説ですがご意見、ご要望などありましたら感想にお願いします!
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