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オズのポリクローム

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第七幕その一

                 第七幕  雷の精霊
 雷の精霊さん達のお部屋の前に来たところで、です。ジョージは緊張した面持ちで皆にこうしたことを言いました。
「雷の精霊さん達だけれど」
「どうかしたの?」
 神宝がそのジョージに応えます。
「若しかして雷に打たれるとか」
「いや、ちゃんと魔法で守ってもらってるから」
 魔法使いが渡してくれた魔法の道具で、です。
「そのことは安心だけれど」
「じゃあ他に何が心配なのかな」
「いや、雷は眩いからね」
 ジョージが今心配しているのはこのことでした。
「目は大丈夫かな」
「あっ、それならね」
 魔法使いはジョージの言葉を聞いてでした。
 すぐにです、皆にサングラスを差し出しました。
「皆これを着けてね」
「サングラスですか」
「これは魔法の品じゃないよ」
 魔法使いはジョージにこのことを断りました。
「別にね」
「ごく普通のですね」
「そう、サングラスだよ」
「けれどですね」
「これをかけたらね」
 確かに普通のサングラスです、ですがかければというのです。
「雷の光も眩くないよ」
「それじゃあ今から」
「皆付けるといいよ」
 見れば小さなです、トト用のサングラスもあります。
「是非ね」
「わかりました、じゃあ今から付けます」
 ジョージが応えてでした、そのうえで。
 皆サングラスをかけました、ただポリクロームはです。
 くるくると舞いながらです、こう魔法使いに言いました。
「私は大丈夫よ」
「君の目はだね」
「そう、妖精の目だから」
 だからだというのです。
「どんな光でも眩しくないの」
「だからだね」
「虹の精霊だし」
 このこともあるというのです。
「光には強いから」
「雷の光でもね」
「大丈夫よ」
「じゃあ君はいいね」
「ええ、私はいらないわ」
 そのサングラスをというのです。
「そういうことでね」
「わかったよ、じゃあ君はね」
「ええ、このままでいいわ」
 こうしてです、ポリクロームはサングラスをかけないで、です。
 皆は精霊さんに扉を開いてもらってお部屋の中に入りました、お部屋の中は昔のギリシアの神殿の一番奥の神様を祀る様な場所でした。
 その白い雲のお部屋にはです、周りに雷を一杯漂わせたひらひらとした薄い生地の虹の精霊さん達が着ていたみたいな服を着た人達がいました。
 髪の毛は淡い緑で目は濃い緑です。何処か雷の色みたいです。青や黄色の髪の毛や目の人達もいます。老若男女の人が一杯います。
 その人達にです、魔法使いは尋ねました。
「貴方達が雷の精霊さん達ですね」
「はい」
 そうだとです、その中で一番年長と思われる顔の下半分を青いお髭で覆った青いもじゃもじゃとした髪と濃い青の目の男の人が答えました。
「左様です」
「そうですか、私達はです」
「オズの魔法使いさんですね」
 男の人は魔法使いに言葉を返しました。
「そうですね」
「はい、そうです」
「そしてオズの王女ドロシー嬢とその友人のトト」
「はい、そうです」
「僕達のことも知ってるんだ」
「オズの名誉市民である五人の子供達」
 次にジョージ達五人のことも言うのでした。 
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