ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
悪魔のお仕事~短編集~
メイドオフのグレイフィア
前書き
原作だと楽しい紅髪一家前半です
ある日の休日、そろそろ家族旅行の準備をしていた俺らに朱乃から連絡が入った。本来なら次元の狭間本家に行っている俺とヴァーリチームとソーナ、シーグヴァイラ、レイヴェル、イリナはリビングにいた。
何故か来たグレモリー眷属のメンツ、特にリアスは慌てていた。祐斗とゼノヴィアは、グラウンドで雪蓮と明命で鍛錬していた。何でもロキ戦の前に、地獄の鍛錬をしたお陰でパワーアップ出来たと言ってたのか。特にゼノヴィアにテクニックについては、明命が相手をしてもらっている。
「で、何であんなに慌ててるんだリアスは?」
「お義姉様が来るそうなのです。本来ならここではなく別の場所で会う予定でしたが、ここに来て鍛錬をやると技術が上がると祐斗君が言ってましたから」
「お義姉様ってグレイフィアの事か?鍛錬やるなら別でやってほしい、こっちにとっては傍迷惑だ」
グレイフィアはリアスの家のメイドで、上級悪魔の名家グレモリー家のスケジュールやら経済事情とかやっていて、サーゼクスの眷属悪魔でサーゼクスの妻でもある。家族構成を見るとグレイフィアは、リアスの義理の姉にあたる。
「今日、グレイフィア様はオフを頂いたと言っておりましたわ」
「オフって事はメイドをか?オフになれば立場も変わるって事か」
「普段のグレイフィア様はもちろん知っていると思いますが、グレモリー家に仕えるメイドとしてグレモリー家の娘であるリアスと主従関係にあります。ですが、メイドオフになったら話は別になります。その時だけ立場が逆になるそうですわ」
「・・・・部長はお義姉さんになった時のグレイフィアさんが怖いんです・・・・チェックが凄く厳しいらしいんです」
と小猫ちゃんが言う、ちなみに小猫ちゃんの隣には黒歌がいる。こっちに小猫ちゃんがいると言ったら次元の狭間本家から来たからだ。
「それで?何で俺の家に、オフのグレイフィアが来るんだ?朱乃」
「何でも義姉として、リアスに話したい事があるそうなんですよ」
「それならここじゃなくて、駒王学園の根城にしろよな。名家グレモリー家の次期当主様が、リアスの用件を聞く為に俺の家に来たと。聞くだけで追い出す所だが、もう来てしまったのでは遅いな。とりあえずメイドはいつも通りに接客を頼む、お茶とお菓子の用意をな」
『畏まりましたご主人様』
俺と朱乃と喋っていると、リアスは歩きながら緊張してたのでハリセンではたいた。叩いたらこっちを向いて文句を言ってきたが、何で俺の家での訪問何だ?と質問したら顔が真っ赤になった。関係は部長と部員の関係だけで、あとは眷属同士の『王』と言うので別に特別な関係は無いに等しい。
すると呼び鈴が鳴ったので多分グレイフィアが来たのかと思いながら、俺はソファに座ったままにして客をこちらに来させろとメイドに言って来させた。リアスはメイドと行こうとしてたが止めた。ここは俺の家であり当主だ、グレイフィアが来たがいつものメイド服ではなくセレブな衣装に身を包んだグレイフィア。服装から髪型まで違うがグレイフィア本人だな。するとイリナが念話で話してきた。
『一誠君、グレイフィア様が着ている服のブランドって有名なブランドだよね?』
『どうやらそのようだな。しかしグレイフィアをメイド以外での服装は、なかなか無いレアな光景だ』
『既にカメラでデータを残しましたよ。一誠さん』
『流石は大公の次期当主だな。レアな光景を見れば、自然とカメラで収めたくなるもんだ』
俺らここの住人らは、そうやって念話をしていたがソーナは困った顔をしながらも俺らと一緒に座っていた。ここは俺の家であり、黒神眷属で俺より位が低いのでそのまま座っていた。グレモリー眷属だけは立って、挨拶をしようとしていた。グレイフィアは、案内されてこちらに来ると視線を俺らとリアス達に向ける。
「ごきげんよう、皆さん」
と気品あふれる微笑を浮かべつつも丁寧な挨拶をした。そしてリアスに視線を向けた。
「ごきげんよう、リアス」
「ごきげんよう、お義姉様」
どこか緊張をしているリアスだったが、ここで第三者の声が聞こえた。
「お久しゅうございますな、姫様」
ん?こいつどこかで見たことあるな、ああ、あの時の麒麟か。確かルシファー眷属の『兵士』で炎駒だったな、俺の視線を感じたのか俺を見た。
「お久しぶりでございます、黒鐵様。あの時はお世話になりました」
「久しぶりだな炎駒、俺の事は兵藤一誠で良い。今はな?」
「では一誠様とお呼びいたします」
「一誠、炎駒と会った事あるの?炎駒久しぶりね、元気そうで何よりだわ」
リアスは炎駒に頬を手で撫でる。炎駒、麒麟って確か神獣だったような気がする。サーゼクスの眷属は、どれもバケモノ揃いとは聞いていたが神獣をも眷属に加えていたと言う事は随分前に会っているから知っていた。
「それではグレイフィア様、私はこれにて持ち場に戻りまする」
「ええ、ここまでありがとうございました。ただここに来るのは魔法陣で来れるので私一人でもよかったのでは」
「何を仰います。我らが偉大なる『女王』にして、主の奥方であるグレイフィア様が正式に訪問なされるのに護衛無しでは」
「炎駒は相変わらず何だな、心配はいらんよ。ここは結界を何重にも重ねているから、それに一度来た事があるヒトであるなら魔法陣で来れるようにしてある。それにもし襲われる事があっても、最強の『女王』と呼ばれているんだからな」
「そのようですな。私は麒麟であり、幸運を届けるのもまたご縁かと思いまする。一誠様のお屋敷に来れただけでも、私にとっては拝見出来てよかった」
確かにな、ここに来るには俺の家専用の送迎車か魔法陣で転移できるようにしてある。炎駒は魔法陣で帰って行った。そういや麒麟って縁起がよくて、家に訪れる事があるとその家に良い事が起きるとか言ってたな。
ソファに座ったグレイフィアの前に紅茶を運ばせたが、ちなみにオリジナルブレンドだからめちゃめちゃ美味いと好評である。茶葉を作ったのは、次元の狭間本家にいるルシファーだしゴグマゴグが助手をしている。
「にしても一誠さんの家に麒麟が訪れるとは、私も驚きです」
「まあそうだろうな、神聖な生き物である麒麟を眷属にしたサーゼクスは一体何を考えているのかね?悪魔とは対立していたはずの間柄で、それを可能にさせた時点で一線を越えている」
ソーナと俺はそういう話をしていると、炎駒は昔野山を駆け巡った事があるとか。まだリアスが小さい頃にだが、炎駒とは話し相手だったらしいな。そう考えているとルシファーお手製の茶葉を飲むグレイフィアだったが、とてもお気に召した様子だった。
「この紅茶美味しいわね、これは一体どこのブランドなのかしら?」
「この紅茶はウチのオリジナルブレンドだグレイフィア。部員に出すと大好評でね、ヴェネラナも美味しいと言ってくれたからお墨付きを貰った。ぜひ冥界でも売りたいと言っていた程だ」
「まあそうなの、それよりリアスが迷惑をかけてないか心配でしょうがなかったわ」
「最も今がとても迷惑なのだよ。我々は本来、土日は他の本家に戻っているからね」
俺とグレイフィアは語ったが、すぐにリアスの眷属に話を向けた。グレイフィアとグレモリー眷属の女性陣とウチの黒歌とイリナとシーグヴァイラとレイヴェルは談笑していた。俺とヴァーリは蚊帳の外だった。
「リアスは少々我が儘ですから、眷属の皆さんにご迷惑をかけてるのではないかと心配していたのです」
「そんな事はありませんわ。眷属の中心となって、皆の面倒をよく見ているのですよ」
「良いお友達、良い後輩に恵まれて、リアスは幸せ者ね。ただあとは殿方かしらね」
殿方と言った瞬間ここの空気は変わったが、殿方って俺か?
「ふむ、何となくだがそういう話題が飛び出すとはな」
「グレイフィア様が正式にいらっしゃる事は、そういう事も含まれるわよね」
「・・・・いつかは来るかと思ってました」
俺は考え事をすると、朱乃や白音が険しい表情をしていた。勿論ここにいるソーナ達もな、ヴァーリ達男は興味無いので地下鍛錬所に行ってしまった。だからここにいるのは、俺とソーナ達である。グレイフィアの言葉でここにいる女性陣の空気が変わる。
祐斗とゼノヴィアは庭でアーサーと明命で鍛錬しているからいないし、ギャスパーはここの図書室が気に入ったのか読書をしている。ちなみにロスヴァイセは、マンションにて住む事が決定したので家具や家電を買いに行ったが金は俺が祝い金として出してやった。
「お、お義姉様!その件でここにいらっしゃったのですか?そ、それは自然に事を進めるという事で私に全て任せて下さると思っていましたのに!」
「あら、リアス。私もお義母様もそのような事は一言も口にしてはいなくてよ?一度、身の上の事を破断させたのだから、私達を安心させるのは次期当主たる貴女の務めではないのかしら?」
確かにそれに関してはヴェネラナもグレイフィアも一言も口に出してない事は確かだが、流石は義姉というランクアップした事で今は逆なのか淡々とした口調でリアスに強く出れてない様子だ。破談と言うのは、元婚約相手でここにいるレイヴェルの兄であるライザー・フェニックスだったか。グレモリー家とフェニックス家にとって、大きな事件として後々周囲の家々に陰口叩かれた程だ。
『グレモリーの我が儘娘が、伝説ドラゴンを持つ人間に破談させた』
とかだったな。地位や血統を重んじる悪魔の貴族社会からしたら、御家同士の縁談は大事だが、既に純血悪魔の孫がいる事で欲を出し過ぎたケルディムとウェルだ。上級悪魔の嫡子に恋愛の自由は無い状況だし、貴族社会は昔なら納得がいくが今は貴族社会が必要ではない時代へとなってきた。
「グレイフィア、その辺にしとけ。悪魔は出生率が危ぶまれているし、名家の血を絶やす訳にはいかない事も承知済みだ。リアスには次世代の子の親となってもらう事が、ケルディム夫婦とサーゼクスの願いと言うのも知っているが、あの件についてはお前も関わっているからもういいんじゃねえのか。破談に協力したケルディム達だし、サーゼクスとグレイフィアは何だかんだで自由な恋愛をしていると聞いている。当時の事を思えば、立場的にはリアスよりも複雑だったとな」
「確かにその通りですし、リアスを助けたのも私です。私とサーゼクスのラブロマンスは、悪魔の女性にとっては伝説だと聞いてますわ」
俺が言ってやると確かにその通りであり、グレイフィアだって複雑な恋愛事情というのがあるからだ。これに関しては劇にもなっていて、悪魔社会では超有名な出来事として描かれているからだ。女子全員は興味津々となり、恋愛話には敏感だからな。グレイフィアは気恥ずかしそうにしていたので、俺は咳払いを一つしてから表情を改めた。
「グレイフィアはあの一件に関して、リアスにどうしても想いを乗せてしまうらしいな。グレイフィアは、リアスを立派な上級悪魔のレディになって欲しいとね。まあ俺から言うのも何だが、次期当主ってのは、自覚を強く持っていてもらう為に色々と改善策をする部分が多くある。そこからはグレイフィアからな」
「一誠様にはいつも驚かせてばかりですが、ここからは私が言いましょうか。一誠様は、兵藤家当主として立派な責務を果たしていると聞いてますからね。自分の我が儘をお金で解決出来ると思っている点、思い立ったら即行動し過ぎてしまう点、独占欲が強い所は少しは緩和されたと思うわ。それでも決めないのは情けないわね」
「グレイフィアとリアスを比べない方がいいぞ?サーゼクスとの時は、一気に進めてしまったから発展したようなもんだ。リアスの同世代と言うのは、悪魔世界での事だろう?人間界と悪魔社会と比べるな、とは言わないがリアスの歳で身を固めている者は悪魔社会では確かにいるだろうな。それにここにいるソーナ、シーグヴァイラは俺の婚約者だが、俺は既に妻子持ちであるからな。だがグレイフィアの一理あるかもしれんな、高校を卒業したら社交界にお呼ばれされる機会が増えるだろうな」
「一誠様、確かに人間界と冥界では考え方も違うと思いますがそろそろ彼氏の一人くらいはいるだろうと思っていましたから。ですが一誠様の言う通り、ハイスクールを卒業されるとお呼ばれされる機会が多くなります。いつまで経っても我が儘娘としての認識を相手方にされたままでは、グレモリー家の恥となってしまいます。それより聞きましたよ、冥界にて一誠様主演の特撮番組が高視聴率だと聞いております」
「ありがとうグレイフィア。まあアレのお陰で、一般悪魔まで支持を得たから良しとする。俺のパートナーである奏との知り合い方は、まだ秘密だけどリアスのパートナーについての座学でもしといた方が良いと思う。大学生になったら、結婚までは兎も角として彼氏を見つける事が最優先だろうな。卒業したら即次期当主という考えは、まだまだ早いと前々からケルディムと話をしていたのだよ。人間界には大学院まであるからな、もちろん駒王学園大学部にも大学院がある。ケルディムとヴェネラナには既に許可済みとなっているから、早すぎるスケジュールを修正した方がいいと俺は思う」
「なるほど、確かにそうですがなるほど。グレモリー家当主様と奥方様には許可を貰っている事は初めて聞きましたが、一誠様の意見もその通りですね。悪魔社会では大学生になったら、早めに結婚の準備をしないといけないし卒業したらすぐに次期当主となってもらい夫を迎え入れる所まで予定として入れてみました。ですが確かにその通りですので、グレモリー家に戻ったら予定表を修正させて頂きます。ケルディム様の引き継ぎに関しては何か聞いていますでしょうか?」
「それに関しても冥界グレモリー家に行って、ケルディムの引き継ぎに関してはリアスが大学院まで進む場合を備えて俺やケルディムが色々と準備している。グレイフィアは、今の内に身を固めた方が良いと思っているけど妻子持ちの俺からすればまだ早い小娘だ。レーティングゲームも大事だが、そればかり頭に入れてしまうと女性らしさが薄れてしまうと言う事は俺も同意見である・・・・」
と俺とグレイフィアによるリアスにマシンガントークをダブルで受けてもらったが、リアスも言い返せずに顔を真っ赤にして説教を受けていた。説教+意見交換会となってしまったけど、普段グレモリー家次期当主としての気品溢れる堂々とした振る舞いをしているが、怒られてしゅんとしている姿もレアな光景なのでシーグヴァイラが持っているカメラで保存した。
音は鳴らないので、すぐにポケットにしまった。それに年相応の小娘だからか、グレモリー家にとっては放っておけない子供なのかもな。とここで第三者の声が聞こえた。
ページ上へ戻る