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オズのポリクローム

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第六幕その八

「ガルーダっていう鳥もいるし」
「仏教で言う迦楼羅よね」
「そうそう、そうした呼び名もあるね」
「仏像にもなってるのよ」
 その迦楼羅はとです、恵理香はカルロスにお話しました。
「奈良にあるの、身体は人だけれど」
「へえ、そうなんだ」
「私も観に行ったことがあるわ」
「日本にはそうした仏像もあるのね」
 ナターシャはそのお話を受けてフェニックスを見ながらも恵理香の方にその目をやって言うのでした。
その仏像について。
「そちらも面白いわね」
「奈良にね」
「わかったわ、あの古い街ね」
「ええ、奈良は他にも色々なものがあるから」
「物凄く大きな仏像あるよね」
 ジョージは奈良と聞いてこの仏像のことをです、恵理香に尋ねました。
「そうだよね」
「ええ、東大寺にね」
「あの仏像凄いよね」
「あの仏像はまた特別だから」
 奈良に沢山ある仏像の中でもというのです。
「本当に」
「だからなんだね」
「ええ、私も何回か観に行ってるけれど」
「驚くんだ、観る度に」
「凄いって思ってるわ」
 こうしたことをお話するのでした、そしてです。
 皆でフェニックスを観ることが出来たこと自体にも幸運を感じてでした、飛び去っていくフェニックスを見届けてです。
 雷の精霊さん達のところに向かい続けました、するとです。
 前に周りに物凄い音を立てて数えきれないだけの雷を帯させてゴロゴロと五月蝿い位の雲を見付けました、その雲を見てです。
 魔法使いはすぐにです、皆に言いました。
「あの雲がだよ」
「雷の精霊さん達の雲ですね」
「そうなんですね」
「うん、そうだよ」
 まさにというのです。
「あの雲がそうだよ」
「着いたんですね、目的地に」
「今回の目的地に」
「そうだよ」
 こう子供達に答えるのです。
「そしてこれからね」
「あの雲に行って」
「それからですね」
「雲の中に入って」
「精霊さん達と会うんですね」
「うん、ただね」
 ここでこうもです、魔法使いは言うのでした。
「問題はね」
「あの雷自体だね」
 トトが魔法使いに応えて言います。
「あれがね」
「そう、この飛行船はコーティングしているけれど」
「僕達は違うからね」
「そう、だからね」
「このまま雷の精霊さんのところに行ったら」
「雷を受けて大変なことになるよ」
「死なないですよね」
 別にとです、ジョージが魔法使いに答えました。
「雷を受けても」
「オズの国ではね、けれどね」
「雷を受けた衝撃とかはですか」
「受けるよ、だからね」
「何か備えをしないと」
「駄目だよ、だからね」 
 それでと言ってです、すぐにでした。
 魔法使いは皆の前にあるものを出しました、それは。
 小さな針でした、皆にその針を見せて言うのでした。 
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