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オズのポリクローム

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第六幕その七

「オズの国では誰も死なないから」
「だからですね」
「そうなの」
 こうジョージにも答えます。
「だから転生はしないの」
「それじゃあオズの国では誰もがフェニックスですね」 
 ポリクロームのその言葉を聞いてです、ジョージはこう考えました。
「そうなりますね」
「誰も死なないから」
「はい、フェニックスは何度も生まれ変わって死なないですから」
 その五百年の間もです、決して死ぬことがありません、
「不死鳥って言われているんです」
「そうよね、そう考えるとね」
「オズの国では誰もがフェニックスね」
「そうなりますよね」
「ええ、ただフェニックスはね」
 この鳥はというのです。
「オズの国のものもその力は凄いから」
「神様の鳥だからですね」
「そこが違うの、お空の仲間の中でも一番凄い鳥の一人よ」
 それがフェニックスだというのです。
「その姿を見ただけで幸運が訪れる位だから」
「じゃあ僕達は」
「ええ、皆見たから」
「いいことが起こるんですね」
「そうよ、絶対にね」
「そうですか、フェニックスを見たお陰で」
 ジョージはポリクロームのその言葉を聞いて考えるお顔になってです、そのうえでこうしたことを言いました。
「僕達にいいことが起こるんですね」
「幸運が私達を守ってくれるわ」
「そうなんですね、じゃあ」
「ええ、さっきドロシーともお話したわね」
「はい、何が起こっても」
「幸運が私達を守ってくれるから」
 フェニックスを見たお陰で授かったこれがというのです。
「何が起こっても楽しみましょう」
「落ち込まずにですね」
「そう、それに私元々ね」
 ポリクロームの性格としてです。
「落ち込むのは性格じゃないから」
「だから余計に」
「楽しみましょう」
「何が起こっても」
「是非ね」
「それにしても大きいね」
「そうだよね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーもフェニックスを見つつ言います。
「フェニックスってね」
「この飛行船よりも大きいかな」
「あんな大きい鳥は他には朱雀かな」
「あとロック鳥とか位だね」
「ロック鳥はもっと小さいかな」
「確かに大きいけれどね」
 こうした鳥のこともお話するのでした。
「オズの国には大きな鳥も多いけれど」
「フェニックスは確かに大きいね」
「中国では鳳凰と言うんだよ」 
 神宝がここで二匹に言いました。
「やっぱり不老不死の神鳥なんだ」
「ふうん、鳳凰ね」
「いい名前だね」
「そうだよね、その鳳凰を見たんだね」
 神宝はしみじみとして言いました、そのフェニックスを見ながら。
「やっぱりオズの国は楽しいよ」
「フェニックスって結構色々な国でお話に残ってるね」
 カルロスは神宝が言ったことを受けて言いました。 
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