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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1129話

 俺の前に立ち塞がったライダーは、手の中の鎖を手にいつでも俺に向かってその巨大釘を放てるように待機している。

「まぁ、そうだよな。サーヴァントがマスターを守らないなんて事はないか。そのワカメを始末するには、どうしてもお前を倒す必要があるな」
「そうですね。シンジを殺される訳にはいかない以上、私は邪魔をさせて貰います」

 クールビューティってのはライダーみたいなのを言うんだろう。
 こうして話していても、全く表情を変える様子がない。
 けど……

「機動力重視のお前が、この狭い場所で俺を相手に戦えるのか? こっちは格闘だぞ?」
「私の戦闘技術が決して貴方に劣らないという事は、この前の戦いで証明されたと思いますが?」

 廊下の方から聞こえてくる戦闘音は次第に大きくなっていく。
 つまり、凛達がこの教室に近づいてきているのだろう。
 そう。凛と綾子、そして……衛宮までもが。
 あいつが来れば、絶対またあのワカメを殺すなとか言うに決まってる。
 そうなると面倒な事になるのは間違いないんだから、今のうちにさっさと片付けてしまった方がいい。
 出来れば念話で戦況を聞きたいところだが、こうして絶え間なく戦闘音が響いている状況では、下手に念話を繋ぐとそれが致命的なミスになりかねない。
 ……まぁ、あの骸骨は強さに関しては雑魚に等しい。凛や、半サーヴァントである綾子なら殆ど苦労せずに倒せる筈だ。
 衛宮は……まぁ、凛と綾子がいるんだし、死ぬ事はないだろう。
 いざとなれば、令呪を使ってのセイバー召喚もあるし。
 いや、寧ろ衛宮と手を組んでいる訳じゃない身としては、最後の令呪を使って貰った方がいいのか?
 ともあれ、廊下に関しては心配はいらない。
 今の俺は、ライダーと、キャスターの操り人形であるワカメの処理をする事を優先する。

「確かにあの時はお前をみすみす逃したな。……正直、あそこで仕留めていれば、こんな馬鹿な真似をされる事もなかったんだと思うと後悔しかない。けど、前回お前が俺にダメージを与えたか? 結局は逃げ切ったけだけだろ? 俺とまともにやり合って……更に後ろの口だけしか脳のないお荷物を守りながらどうにか出来ると思うのか?」
「お前っ、今何て言ったぁっ!」

 ワカメが俺に向かって叫ぶ。
 本当に頭に血が上りやすいよな。
 まぁ、おかげで逃げられるって事を心配しなくてもいいのは助かるんだが。

「さて、何て言ったかな。何か図星の出来事でもあったのか? 女の後ろに隠れる事しか出来ない、無能なワカメ君?」
「っ!? ライダー、あいつを血祭りに上げろ! あいつの前で、遠坂をボロボロにしてから犯してやる!」
「ふんっ、心の底から下種が。残念ながら、お前の手が凛に触れる事はこの先一生ない。そもそも、お前は凛に毛嫌いされているのに気が付かないのか? お前とどうこうなるよりだったら、同じマスターの衛宮の方を選ぶだろうよ」

 まぁ、凛と衛宮の相性は色々と悪そうだから、そうなる事はないと思うけど。
 だが、ワカメはこの言葉が受け入れられなかったらしい。
 顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

「ライダーッ!」

 その言葉と共に、床を蹴って前へと進み出るライダー。
 手に持っている巨大釘の先端を俺の頭部へと向けて振り下ろす。
 確かにライダーの場合は敏捷が高い。
 だが、俺の対英雄の力によりステータスのランクが下がっている以上、その速度を存分には発揮出来ない。
 それに場所がこの教室という狭い場所であるというのも、ライダーの最大の長所でもある速度を殺していた。
 顔面に向かって振り下ろされた巨大釘を、右手で横から掴んで防ぐ。
 下手をすれば先端が掌を貫いてもおかしくない一撃ではあるが、それでも今の俺のステータスであれば、この攻撃を完全に防ぐのはそれ程難しくはない。……まぁ、油断してると綾子の時のようになる可能性もあるが。
 そのまま握った巨大釘を大きく引っ張ると、以前にも行われたように一本釣りされたかのように空中をこちらへと向かってくるライダー。
 右手で巨大釘を封じているので、そのまま左手で殴り飛ばしてやろうと待ち構えていたのだが、空中でこっちに引っ張られるままにしながらも、床へとその肉感的に太股を剥き出しにしている足を伸ばして、蹴りつける。
 そうなれば当然真っ直ぐこっちに飛んでくるのではなく、より高い位置へと移動してその勢いを利用し、天井を蹴って更に速度を上げながらこっちへと向かってくる。
 ライダーの拳が俺へと振り下ろされたのを見て……

「甘い」

 呟くと同時に、念動力を発動。
 空中でライダーの動きが止まる。

「っ!?」

 まさかサーヴァントであっても空中で身動き出来なくなるような状況になるとは思ってもいなかったのだろう。眼帯越しでもライダーが何が起きたのか理解出来ないといった表情をしているのが分かった。

「ほら……よっ!」

 空中に浮かんでいるライダーの胴体へと向かい、俺の握っていた巨大釘を投擲する。
 筋力A++の力で投げた巨大釘だ。その速度がどれ程のものなのかは容易に想像が出来たのだろう。
 一瞬頬をヒクリとさせ……次の瞬間にはライダーの右脇腹を貫通し、それでも更に勢いが衰えぬままに巨大釘は突き進み、教室の壁を破壊し、あらぬ方へと向かって飛んでいく。
 巨大釘がそうやって外へと向かって飛んでいけば、当然その巨大釘と繋がっている鎖を手にしているライダーもまた、それに引っ張られて飛んでいく事になり、教室の壁を更に破壊しながら、空の彼方……とは言い過ぎだけど、校舎の外へと向かって飛んでいく。
 脇腹を貫通……というか、砕かれた状態だったし、回復するまで暫く動く事は出来ないだろう。
 つまり……

「これで、もうお前を助ける奴はいなくなった訳だ」

 笑みを浮かべつつワカメの方へと視線を向けると、一連の事態を見て呆けていたワカメが我に返る。
 そして、自分の現状が正真正銘命の危機……というより、完全に詰んでいるのが分かったんだろう。慌てて周囲を見回す。
 当然そんな真似をしても、ここにワカメを助けるような奴がいる筈もなく。

「まっ、待て! 待ってくれ! 結界を解く! だから……」
「いや。もう遅い。お前はやり過ぎた。ゴミ程度の価値しかない、お前の下らない命で償える筈はないだろうが、それでも0と0.0000000001程度では重さが違う。せめて、その下らない命で償え」
「待て! ぼ、僕がやったんじゃない! これは……そう、あのキャスターに命じられてこういう事をさせられたんだ! だから、僕は悪くない! 僕は被害者なんだ!」
「さっきと言ってる事が随分と違うな?」

 この期に及んでの命乞いに呆れながら、ワカメの方へと向かって1歩を踏み出す。
 じゃりっ、というライダーとの戦闘で破壊された校舎の壁の破片を踏む音が、不思議と教室の中に響く。
 未だに廊下では戦闘が続いており、その戦闘音は聞いて分かる程にこっちに近づいてきているのだが。
 それでも、俺の踏み込む音は間違いなく響き渡った。
 その音を聞いたワカメは、ビクリと身体を震わせる。

「くっ、来るな。来るなよ! 僕は悪くない! 絶対に僕は悪くないんだ! くそっ、何なんだよ! 何だってあんなにライダーが弱いんだよ! 折角僕がマスターになったのに、こんなのってありかよ!」

 好き放題に喚いてはいるが、そんなのは俺には関係ない。
 とにかくこのワカメを生かしておけば、間違いなく面倒臭い出来事になる。
 衛宮の性格を考えれば、このワカメを処分するのには絶対に反対するだろうしな。
 だからこそ……悪いが、衛宮がここにやってくる前に片付けさせて貰う。
 ジャリッ、と。再び1歩を踏み出す音が周囲に響き渡り……

「ひっ、ひいいいいぃぃっ!」

 その瞬間、ワカメの恐怖が限界を超えたのだろう。情けない悲鳴を上げながら、その場で身を翻し、教室の後ろ……先程ライダーが吹き飛ばされた方へと向かって走り出す。
 確かにここが1階である以上、そこから逃げ出すのは可能だろう。
 まさかこの展開を読み切っていた訳ではないだろうが……いや、キャスター辺りの入れ知恵という可能性はあるか。
 ともあれ、この教室から出てしまえば逃げ切れると判断してもおかしくはないし、実際外に出てしまえば、さっき吹き飛ばしたライダーがもう一度姿を現す可能性も否定出来ない。
 ……まぁ、脇腹を抉られている状態で何が出来るのかという疑問はあるけど、このワカメを逃がすくらいは出来るだろう。
 だからこそ……

「どこへ行こうというのかね?」

 何故か自然とそんな言葉が俺の口から出てくる。
 それに疑問を抱きつつも、念動力を使ってワカメの動きを止める。
 思い切り走ろうとしていたところで、強制的に身体の動きを止められた為に、げふっ、という苦悶の声を漏らすワカメ。
 ただし、身体の動きそのものを止めている為に転ぶというような事はなく、立ったまま動きを止められていた。

「ひっ、ひいぃぃぃいっ!」

 こっちを見て聞き苦しい悲鳴を上げる ワカメに1歩ずつ近づいて行く。

「お前がやったのは、この結界だけじゃない。他にも綾子を殺しかけたというのがあったな?」
「なっ!? べ、別に殺そうとなんかしてない!」
「ほう? ライダーに襲わせていたのは、何でだ?」
「そ、それは……べ、別に殺すまでやるつもりなんかなかったよ!」
「そうか? それに、さっきのお前の、凛を犯す云々という言葉を考えると、命までは取らなくても身体の方はどうなるかわかったものではなかったよな? だから……」

 その言葉と共に、ワカメの目の前へと辿り着く。
 そのままそっとワカメの頭部へと手を伸ばしたところで……

「慎二、ここか!」
「ちょっ、衛宮君。少し待って!」
「衛宮! こいつらをあたし達だけに押しつけるな!」

 そんな声が聞こえてくる。
 後少し……数cmくらいでワカメの頭部へと手が届くという時に聞こえてきたその声に、後ろを向く。
 その時俺の表情に浮かんでいたのは、間違いなく面倒臭そうな表情だろう。
 何故なら……

「アーク! 見たところ、もう勝負はついたんだろ! 慎二に何をしようとをしてるんだ!?」

 そんな言葉を発する衛宮が後ろにいた為だ。

「衛宮!?」

 俺とは反対に、ワカメの方は自分が助かるかもしれないと嬉しげに叫ぶ。
 だがそんな声も煩わしいとばかりに、身体だけではなく顔も念動力で動きを止める。
 一応呼吸は出来るようにしているので、死ぬような事はないだろう。

「何をしてるかって? これが聖杯戦争である以上、何をするのかは言うまでもないと思うが?」
「殺すってのか!?」
「そうだ」
「駄目だ! 絶対殺させはしない!」

 その手に持ったモップをこちらに構える衛宮。
 ただのモップであの骸骨との戦いを乗り越えられるとは思えない。恐らく、何らかの秘密があるんだろう。
 だが……

「それは、俺に敵対するという意味でいいのか? 俺とお前は今はただの利害の一致から共同戦線を張ったに過ぎない。それを自分で破る、と?」
「そうだ! 慎二を殺させる訳にはいかない!」

 何とかの一つ覚えのように殺させないと告げてくる衛宮に、思わず溜息を吐く。

「そう言って、この前の戦いでこのワカメを見逃した結果がこれだぞ? お前があの時にこいつを見逃したせいで、学校の結界が発動して生徒の多くが生きるか死ぬかという状態になっている。更に言えば、あの時にお前が見逃させた結果、綾子は人間すらやめている。……そう言えば、屋上で話していた責任云々ってのはどうなった? お前が綾子を人間に戻してやれるのか?」
「それは……けど、殺すのは駄目だ!」
「本当にお前はそれだけだな。まずは自分のやるべき事をやってから自分の欲求を口に出せ。結局お前はこのワカメを逃がす事による責任を取ると言いながら、何も出来なかった。……いや、しなかったという方が正しいか。そうである以上、口だけのお前の言葉に従う必要は、とてもじゃないけど感じられないな」

 俺の言葉に唇を噛み締める衛宮。

「そもそもだ。本当にこのワカメを俺に殺させたくなかったんだったら、こういう風になる前にお前がこのワカメを見つけるなりなんなりして、止めていれば良かっただろう? それも出来ずに、こうして俺が捕らえたところで口だけ出してくるのか?」
「それは……けど!」
「結局お前は……何だかんだと言っても、口だけでしかないんだな。それで最終的にやるべき事は、俺がこのワカメを捕らえたところで口出しをしてくる、と。救えないな」
「っ!?」

 俺の言葉に一瞬黙り込む衛宮だったが、次の瞬間には手を真上に差し出す。
 なるほど、何をやろうとしているのかは理解した。
 確かにこの状況ではそれは正しい選択だろう。
 衛宮自身の力では、どうやっても俺をどうにか出来る筈がないのだから。
 だが……

「それは、遅い」
「来い、セイ……」

 衛宮に最後まで言わせる前に、俺は視線をワカメに向ける。
 顔面を俺に鷲掴みにされ、涙を流しているワカメ。
 恐怖のあまりだろう。そのズボンは濡れており、地面に水たまりを作っている。
 けど、お前はやり過ぎた。
 結界の本体と思われる魔方陣をどうにかしようとしている凛に視線を向け……

「死ね」

 その呟きと共に、グシャリとワカメの頭蓋骨は砕け、眼球がはみ出し、血や脳髄を噴き出しながら短い生を終えるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:375
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1184 
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