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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1128話

 一瞬……そう、文字通り一瞬にして世界が変わる。
 いや、正確には別に世界そのものが変わったのではなく、空気そのものが変わったのだ。
 赤い……不思議な程に赤い色に満ちたこの世界は、学校を覆っていた結界が発動した事により起きたものだというのは、すぐに分かった。
 そして結界が展開されたのと同時に、教室の中にいた者達が倒れ伏す。

「凛!?」
「分かってる! 結界が発動したのよ!」

 忌々しげに答える凛に、異変に気が付きこっちに近づいてきた綾子が口を開く。

「でも、何だってこんな急に!? 確か遠坂が結界が使われないようにしてたんだろう?」
「ええ、その通りよ。ただ……残念ながら、この結界を張った相手の方が一枚上手だったんでしょうね。恐らく、私がやってた妨害は殆ど妨害になっていなかった。……いえ、正確には、最初は妨害になっていたのかもしれないけど、それを数日続けたおかげでその妨害に対応した……というのが正しいでしょうね」
「なら、どうする? 結界が発動してしまった以上、とにかく早くこの結界を止めないと、この学校の無関係の人達を巻き込んでしまうぞ?」

 聖杯戦争に参加している者が巻き込まれるのであれば、それは構わない。
 だが、この結界は間違いなく聖杯戦争に関係していない者達を巻き込んでいる。
 そうである以上、聖杯戦争に参加しているサーヴァントとしては許容出来ない出来事だ。
 それに……
 チラリ、と教室の中を見る。
 数日程度ではあっても、共に過ごした級友達。
 そして、俺と仲良くなった蒔寺、氷室、三枝の3人。
 このままだと、こいつらをみすみす見殺しにする事になる。
 それは防ぎたい。
 その思いは俺だけではなく、凛や綾子も同様だったのだろう。
 全員が小さく頷いて意思を確認する。

「それで、この結界を解除するのはどうすればいい? 俺の魔力で何とか出来るか?」
「そう、ね。出来ない事もないわ。この結界の起点じゃなくて、本体ともいえる場所を破壊すれば当然この結界は止まるし、この結界を張っただろうサーヴァントを殺しても多分結界は止まる筈よ」
「サーヴァントの方が確定じゃないのは?」
「自分が死んでも結界がそのままって可能性は、それなりにあるのよ」
「結界の本体ってのがどこにあるのかは分かるか?」
「ちょっと待って」

 そう告げ、短く呪文を唱える凛。
 そして、小さく頷く。

「1階ね。ただ、問題はサーヴァントがどこにいるかだけど……キャスターなら見つけさえすればどうにかなると思うけど、アサシンが護衛にいる可能性があるのよね。その辺が厄介だわ」
「ちょっと待て。俺の気配察知で……」

 凛の言葉を遮り、学校内にいるだろうサーヴァントの気配を探す、探す、探す……いたっ!

「見つけた。どのサーヴァントかは分からないけど、こっちも1階だな。だとすれば、多分凛の言っている結界の本体と同じ場所にいるとみてもいい筈だ」
「……後は、そのサーヴァントが結界を張ったサーヴァントである事を願うだけね。これで実は衛宮君が召喚したセイバーでしたとかになったら、ちょっと洒落にならないし」
「ともあれ、行ってみないとどうにもならないだろ。もしセイバーなら、一時的に協力態勢をとる事も視野に入れた方がいいな」

 俺の言葉が余程に意外だったのだろう。凛だけではなく、綾子までもが俺の方に驚きの視線を向けてくる。
 って、おい。綾子はセイバーと会った事なかっただろうに。

「綾子、本当は今回も巻き込みたくはなかったんだけど……」
「しょうがない。今、ここで置いて行かれてもあたしだけを狙われる可能性が高いし。それに、遠坂とアークがいれば、あたしを守ってくれるんだろ?」

 その言葉で、綾子も俺達と共に1階へと向かう事に決まる。
 正直、凛が言っていたように綾子を巻き込みたくはなかったんだけど、
サーヴァントがこの学校内を自由に動いている以上、どうしても安全度は低くなる。
 半サーヴァントの綾子だが、その能力はサーヴァントとして考えれば著しく低い。
 ……普通の人間ならまず勝てないだろうって程の能力なんだけどな。
 この場合はサーヴァントのステータスの高さを驚くべきか。
 つまり、俺達が離れた時に今回の件を仕掛けてきたサーヴァントがやってくれば、確実に危ない訳だ。
 この結界の中で普通に動けているだけで、狙われるには十分だし。

「任せろ。お前をこの世界に引きずり込んだのは俺だ。必ず守ってやるよ」
「え? あ、その……うん。オネガイシマス」

 うん? 何で急に片言になるんだ?

「全く……ほら、行くわよアークエネミー、綾子も。今は少しでも時間が惜しいんだから」

 そしてこっちは若干不機嫌な凛。
 本当に、何がどうなってるんだろうな?
 そんな風に考えながら教室を出て、廊下へと向かう。
 その瞬間、背後から聞こえてくる足音に気が付き、敵か!? と思って瞬間的に構えると、そこにいたのは赤い髪のお人好し。衛宮の姿だった。
 相変わらずセイバーは連れずに1人だ。
 まぁ、いざとなったら令呪を使って召喚出来るという理由もあるんだろうけど……いや、令呪の残りを考えるとそこまで簡単に令呪を使うか? という思いもあるが。

「遠坂、美綴、アーク!」
「衛宮君もこの結界を?」
「そうだ。いきなりこんな風になって……」
「時間が惜しいわ。今はまず行動しましょ。私達は結界の本体があって、サーヴァントが待ち構えているだろう1階に向かうけど、衛宮君はどうする?」
「勿論俺も行くぞ。こんな結界は何とか解除させなきゃ」

 そう告げ、これ以上の問答は惜しいとばかりに走り出し……俺はサーヴァントとしての能力で先行する。

「凛、先に行く」
「お願い」

 その短いやり取りだけで意思を交換するには十分であり、そのまま真っ直ぐに階段へと向かう。
 そして階段を一気に駆け下りていくと、ソレが目に入ってくる。
 1階の廊下を埋め尽くすかのように存在している、骨で出来た化け物を。
 ちっ、何だこれは。骨で出来た兵士か?
 骨格自体は人間のものに近いが、細かい場所は大分違う。それに頭部が口というか、牙だけで、とても人間のようには見えない。
 手には剣を持っており、俺の姿を確認するとこっちに向かって突き進んでくる。
 いや、頭部がない以上は当然目もない訳で、どうやって俺を確認しているのかは分からないが。
 ともあれ、こっちに向かって来る以上は敵なのは間違いない。
 恐らくこの結界を展開したライダーかキャスターの手駒ってところか。
 俺の方へと向かって近づいてきた骸骨が剣を振り上げ……振り下ろす。

「洒落臭いっ!」

 頭部目掛けて振り下ろされた剣の一撃を回避し、剥き出しになっている背骨へとカウンター気味に拳を叩き込む。
 軽い手応えと同時に、あっさりと砕ける背骨。
 同時に、背骨を叩き折られた骸骨兵は床へと崩れ落ちる。
 ちっ、やっぱり数だけの雑魚か。
 それでもこれだけの数がいると厄介だな。

「アークエネミー!」
「凛か。悪いがこの雑魚共を頼む。数だけの雑魚だから、多分綾子でも楽に相手を出来ると思う。俺はこのまま真っ直ぐにサーヴァントの気配がしている教室に向かう」
「分かった。綾子、いける?」
「や、やってやるわよ。こんな骨、あたしにだって!」
「衛宮君?」
「分かってる、トレース・オン」

 ここに来る途中に持ってきたのだろう。衛宮は手に持っていたモップを構えながら呪文と思しき言葉を呟く。
 モップって……いや、ここに来る時に持ってきている以上、きちんと意味があるんだろうけど。
 それに衛宮の場合、何かあればセイバーの召喚も可能だし、案ずることはないか。

「じゃあ、取りあえずここは任せるぞ。俺はこの骨を突っ切って先に進む。とにかくサーヴァントの方を片付けてしまわないと、次に何をやらかすか分からない」
「ええ、お願い!」

 凛の言葉を背に受け、そのまま床を蹴って前へと進む。
 当然そうなれば骸骨共が俺に向かって攻撃してくるが、その攻撃を回避しながら通り抜け様に口だけで構成されているような頭蓋骨を破壊し、背骨へと触れるとそのままへし折って引き抜き、時には念動力を使って動きを止める。
 そんな風にしながら廊下に無数に存在している骸骨の群れを抜け、サーヴァントの気配のする教室へと突っ込む。
 瞬間、教室の入り口の上から感じる殺気に床を蹴ってその場を退避する。
 そして一瞬前まで俺のいた場所に突き刺さる巨大釘。
 それを見ただけで、この騒動を引き起こしたのが誰なのかを理解する。
 つまり……

「ワカメ、お前か」

 視線の先にいるのは、にやけた笑みを口元に張り付けたワカメ。

「ふふん、予想より来るのが早かったね。けど、もう遅いよ。この結界が発動した以上、僕の勝ちだ。今まで散々この結界の発動を妨害してくれたみたいだけど、ちょっと僕が本気なればこんなもんだよ。どうだい、悔しいかな?」
「……正直、お前が何を考えてこんな真似をしたのか、全く意味が理解出来ないんだがな。この学校の生徒にはお前の友人もいた筈だろ? なのに、何故それを巻き込むような真似をする?」

 ワカメに話し掛けながら、周囲の気配を察知する。
 俺の後ろには、退路を断つかのようにライダーがいる。
 けど、それだけだ。
 ……おかしい。確かに結界は発動出来ないようにしていた。
 その結界が何故発動した?
 このワカメの話を聞く限りでは、凛の起点潰しは着実に効果を上げていた筈だ。
 つまり、本来であれば結界が発動する事は有り得なかった。
 けど、今は発動している。
 このワカメが自分でやったみたいな事を言ってるけど、まさかこいつにそんな事が出来るとは思えないし。

「ふふん、決まってるだろ。ライダーを強くする為だよ。何しろそのサーヴァント、能力的には使えない事この上ないからね。身体は上物なんだけど」
「その為には友人や知人の命を奪っても構わない、と?」
「そうだね、心が痛むよ。けど、僕の為になるのなら、将来的に無駄死にするよりもいいんじゃないんかな?」
「下種が」

 その言葉に、ピクリと頬を引き攣らせるワカメ。
 このまま怒らせれば、色々と吐いてくれそうではあるな。

「そもそも、お前のような無能にこんな結界をどうこう出来る筈がないだろ? となると、誰か他の奴に手伝って貰ったな? ライダー? いや、ライダーがこの結界を張っている以上、それはないだろう」

 まぁ、実はいつでも結界を発動出来たのを意図的に発動しなかったって可能性はあるかもしれないけど、ワカメの言葉を聞く限りだとそれはない。

「なら、お前以外の誰かの手を借りた……ってところか」
「ふっ、ふん! 別に誰がやったっていいだろう!? それに、キャスターは僕と手を組みたいからとこっちに降伏してきたんだ! それなら僕の力と言ってもいい筈だ!」
「なるほど、キャスターか」

 まぁ、予想の範囲内ではる。
 そもそも、魔術師……キャスターというくらいだ。当然結界の類も得意としているだろう。
 柳洞寺の結界とかを見ても、それは明らかだしな。
 そして、あのキャスターがわざわざ降伏するとは思えない。
 何しろ、アサシンとキャスター、それにマスターが2人という、現時点で手数が最も多い奴等だ。
 その上で柳洞寺という場所すらも抑えている。 
 だとすれば、間違いなくこっちの戦力を調べる為と、それを消耗させる為に……なるほど、廊下の骸骨もキャスターの仕業か?

「ああ。これでこっちの戦力はキャスターとライダーのサーヴァントが2人だ! 幾らお前がイレギュラークラスであっても、勝ち目はないぞ!」
「……本気でそんな事を考えているのか?」

 周囲を見回しながら呟く。
 幸い、この教室は生徒は他に誰もいない空き教室だ。
 迂闊に暴れて、誰かを巻き込むなんて事は心配しなくてもいい。
 それに、こいつの考え……というか、キャスターによる操り人形でしかないというのも分かった。
 そうなると、もうこれ以上ワカメに付き合う必要もないだろう。
 少し心配なのが、実はここにアサシンが隠れてこっちの隙を狙っている事だが……いや、その辺を心配しすぎても意味はないか。
 寧ろ疑心暗鬼になりすぎて実力を発揮出来ないという事にもなりかねない。

「当然だろ? 何せ、僕の役に立つんだから、死んでいく奴等だって本望だろうさ」

 嘲笑を浮かべているワカメを目に、口を開く。

「そうか、他にも色々と聞きたい事があったが……どのみち、お前をこのままにしておくと色々と被害が広がりそうだからな。……悪いが、お前はここで処分させて貰う」
「しょ、処分!? 僕を処分だって!? ふざけるな、僕を……この僕を! ライダーッ!」

 一瞬で顔が赤くなったワカメの声に従い、ライダーがいつものように鎖の付いた巨大釘を俺の背後から投擲してくる。
 けど、念動力を使えるようになった俺にそんな攻撃が通じる筈もなく、後ろを見もせずにそのまま回避し……ワカメに向かって1歩踏み出そうとしたところで、俺の真上を飛び越えるようにしてライダーが移動し、立ち塞がる。

「残念ですが、シンジをやらせる訳にはいきません」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183 
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