ドリトル先生の水族館
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第六幕その二
「かき氷好きだよ」
「じゃあこれからもだね」
「夏はかき氷だね」
「それ食べるんだね」
「そうするよ」
こうお話してでした、そのうえで。
先生は皆のところに来てです、彼等に尋ねました。
「どうかな、最近」
「あっ、先生診察に来てくれたんだ」
「そうなんだね」
「そうだよ、それで来たけれど」
「僕達は別にね」
「何もないよ」
こう先生に答えるのでした。
「快適だしね、この中は」
「いつも僕達に程よい寒さでね」
「夏でも冬でもね」
「気持ちよく暮らしてるよ」
場所には何の問題もないというのです。
「食べものは美味しいし」
「いつもたっぷり食べてるしね」
「何もないよ」
「困ったことはね」
「それは何よりだね」
先生も彼等の言葉を聞いて言いました、ですが。
ここで、です。先生は首を軽く傾げさせてペンギンさん達に尋ねました。
「けれど僕は今回は困っている生きもののの皆の診察を頼まれたけれど」
「それで僕達のところになんだ」
「来てくれたんだ」
「僕達が困ってるから」
「それで来てくれたんだ」
「そうだけれど」
こう皆に答えました。
「実際にね」
「そうなんだ、けれど本当にね」
「君達は困ってないんだね」
「そうだよ」
ペンギンさん達の返事は変わりません。
「別にね」
「それは何よりだね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「何か僕達を北極生まれっていう子がいるんだよね」
ペンギンさん達は先生にこのことを言うのでした。
「時々ね」
「そうそう、時々だけれど」
「いるのよね、そう言う子達が」
「僕達南極生まれなのにね」
「どうして北極生まれっていうのか」
「わからないね」
「それは只の勘違いだよ」
先生はペンギンさん達ににこりと笑って言いました。
「北極と南極を間違えてるだけでね」
「別にそんなことは思っていなくて」
「只の勘違いなんだ」
「僕達について変に思っていなくて」
「只の間違いだったんだ」
「北極と南極を」
「それだけだよ、子供だと北極と南極の違いがわからない子もいるよ」
まだものを知らないからです、子供はこれから勉強するので知らなくて当たり前です。最初から何でも知っていれば何かをする必要もありません。
「だから気にしなくていいんだよ」
「そうなんだね」
「何でそう言うのって思ってたけれど」
「気にしなくていいんだ」
「特に」
「そうだよ、そうしたことを言う子がいてもね」
先生は自分の周りにいるペンギンさん達に穏やかな笑顔でお話します。
「気にしなくていいよ」
「何も困ってることはなかったけれどそのことが気になってて」
「それで首を傾げさせてたけれどね」
「先生がそう言うのならね」
「僕達もそれでいいよ」
「これから気にしないよ」
「そういうことでね」
先生も皆に笑顔で言いました、そしてでした。
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