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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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簡単に作れてしまうらしい

 宿にやってきて同じ部屋にとても可愛い女の子がいる。
 つい意識してしまった僕は、別にそんないかがわしいことなんて考えていないんだと思った。
 思いながらベッドに頭を打ち付けて落ち着いたな、と思ってレイアを見た。

 透けるような白い肌が、部屋に灯された魔法の灯り(LED電球のついたランプ程度に明るい。部屋には5つあり、入口付近の赤い玉に触れると消えるらしい)のなかで、やけに白く見えるというかこう……。
 いやいや、そうではなくてと僕が思っているとそこでレイアが先ほど僕が創りだしてしまった“魔法結晶石”を取り出した。
 光にかざすようにそれを見てレイアはむむむむと呟く。

 何か問題があったのだろうか。
 不安に思ってレイアに僕は近づき、

「なにかおかしいのかな? 使ったら爆発するような不良品だったり?」
「いえ、想像以上に完璧な品物になっています」

 レイアはまるで感動したかのようにそれを見ながら頷いている。
 どうやら上手くできているようだ。
 良かったと僕は思いつつも、

「こうやって作っていけばいいんだ」
「はい、あ、ベルト状の入れるものを購入しましたのでこれを使ってください」
「ありがとう。でも、“魔法結晶石”って結構簡単に作れるものなんだね。修行とか勉強が必要なのかと思ったけれど、そんなことはないみたいだね」
「……いえ、たいていの方は5年以上かかるかと」

 レイアが少し黙ってからそう答えた。
 僕は笑顔のまま凍りついた。
 でもただ触れてちょっとイメージしただけで作れてしまったわけで、

「やっぱり異世界人だからかな?」
「おそらくは。異世界人の能力はチートじみていると聞いていましたが、まさかここまでとは……ちなみにどのように作ったのですか?」
「えっと、風で吹き飛ばすようなイメージで魔力を注入する感じで作るのかなと思って試してみたら……出来ちゃった」

 こんなに簡単でいいのだろうかというものである。
 しかもよく見ると魔法陣の片鱗のようなものが見えるし。
 魔法陣なんて描いたことも今までの人生で一度もないので、僕は不安しか無い。
 
 そしれテイアは僕の“魔法結晶石”を見て頷き、

「つまり、貴方の想像力が試されているのですね」
「僕の想像力?」

 とたんに僕は大変な気がした。
 確かにゲームやマンガやアニメーションで魔法を使うものは見ているけれど、いざ考えてみるとどんな魔法というのが思い浮かばないというか考えるのが難しい。
 最近やったゲームで使った技の効果っぽいものをイメージすればいいだろうか?

 いっそのことゲームの選択画面でも出てきて魔法が使えればいいのにと思ったけれど、選択肢やステータス画面は出てこない。
 どうしようと思っているとそこでレイアが、

「その手に入れた魔道書の魔法を起こすものを作ってみてはいかがでしょうか。想像するのが難しいようでしたら、幾つか参考にして作ってみるのもいいかもしれません」
「確かに……じゃあ作ってみようかな」
「はい、幾つか作ってみるのがいいかと。そしてそれから、その本に書かれている問題の場所に行ってみませんか?」

 そこでレイアが提案してくる。
 そういえばこの魔道書に有る問題の場所で何かをしなければならないように見えるのだ。
 となると今の話ではここに近いのかもしれない。

 夜が関係していた気もするので、今がちょうどいいのかもしれない。

「よし、そうだね。早速作っていってみよう」
「はい、記念すべき初戦闘です」
「……戦闘しないといけないのかな?」
「その書かれている魔法がどの程度使えるのかのテストが関係していると思いますので」

 つまりこの問題は実践形式のテストであるらしい。
 でももっと色々な魔法が使えるようになりたいし、はじめの方の問題だからそこまで大変なことにならないだろうと僕は楽観的に見ていたのだった。



 
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