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魔法の素となるもの
雑貨屋のようだと思ったのは、石のようなものや、草花を乾燥させたもの、リボン、紙、装丁のこった日記帳のようなもの……文房具も、ボールペンのようなものや鉛筆のようなものが売られている。
こった模様が付されたそれらは、可愛い感じに見えるので女の子が好きそうだなと思った。
でもこの鉛筆、本当に僕の世界にある黒鉛と粘土を使った芯のあれに見える。
そう思って僕はじっと見ているとそこでレイアが、
「その“魔法鉛筆”が気になるのですか?」
「うん。僕の世界にある紙に文字を書く道具のように見えるなって」
「確かにそういった鉛筆は存在しますが、ここにあるものは少し違います」
「? どんな風に違うのかな?」
「以前、“魔法結晶石”を使った時に魔方陣が出ましたよね?」
そういえば水が大量に溢れる前に魔法陣が出てきた気がする。
それがなにに関係があるんだろうと僕が思っているとレイアが、
「これは空間に光の魔法陣が描ける道具です」
「すごい!」
「ただ魔法は発動しませんが」
「……なんだ」
「発動時に生じる魔法陣を覚えるために、これで描いて練習するのです」
「そうなんだ。そういえば“魔法結晶石”に魔法陣の一部が載っていたような」
「そうですね、あれです。ただ石に映っているのはその片鱗で残りはイメージして作らないといけないのですが」
その説明を聞きながら僕は首を傾げる。
「でも僕はそれを知らずに発動させたような」
「……」
「レイア?」
黙ってしまったレイアに僕は、不安を覚えているとその鉛筆をレイアは一つ取り出して、
「これを購入しましょう。もしかするともしかするかもしれません」
「え?」
「さて、“魔法結晶石”のもととなる石を見に行きましょうか」
そうレイアは言う。
僕の疑問には答えてくれないらしい。 何でだろうと思ってついていくとその先には沢山の色とりどりの石が見える。
以前、友達の女の子が見せてくれたラピスラズリという青い石に似てい物もあって、何となく手を伸ばす。
触れた瞬間ちりっと風が吹くのを指先に感じる。
涼しいそれを感じながらふと、先ほど魔導書を使って起こした風が脳裏をよぎる。
それをイメージしながら魔力を入れるようにすると出来たりするのかな? そんな訳はないかと僕は思って何となくやってしまった。
持っていた石が白い光を放ち、濃い青色で透明な“魔法結晶石”に代わる。
まだ会計をしていない売り物に手を出してしまった焦りと、イメージしただけで作り上げてしまった驚きで僕が凍りついていると、
「やってしまいましたね。というよりはやはりそうですか」
「やはりって……」
「とりあえず事情を説明して料金を支払わないと。後はこちらの“魔法結晶石”作成セットのほうがお値段がお安いので、これを幾つか購入しましょう。いろいろな魔法を使えてょうがいいですし」
「う、うん」
レイアにそう言われて僕はその作ってしまったそれをレイアに渡し、途中でその“魔法結晶石”を入れるベルトのような入れ物を購入した。
それからすぐに少量の日持ちしそうなビスケットと飲み物を購入して馬車に乗る。
夕焼けのうつくしさに感動している内に夜になり、場所は次の街につく。
開いている宿を探して、安そうな場所に泊まる。
二人部屋しか開いていなかったけれどベッドは別々だったのは良かったと思う。
そしてそこで僕はようやく、レイアに魔法について教えてもらったのだった。
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