歌集「春雪花」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
123
もみじ葉を
染めにし秋に
君あらず
静心なく
生くるものがな
もみじを紅く染めてゆく秋…。人は皆、うつろう景色を美しいと言うが、それはまた…時が過ぎていると言うことでもある…。
彼のいないこの場所で眺むる秋は、寂しさ…哀しみ…嫉妬が入り交じり、とても心穏やかにはいられない…。
私はこうして生きてゆくしかないのだろうか…。
想い慕い
恋に焦がれて
歌詠むは
今も昔も
変わりせぬかな
愛しい人を想い、恋しくて堪らなくなり歌を詠む…。
それは千年以上も前から変わらず…恋とは辛いものだと伝えている…。
私もまた…想いは同じなのかも知れない。
たとえ…同性を愛する出来損ないな人間だとしても…。
それでも…彼への想いは本物なのだ…。
もし…在原業平や小野小町が私を知ったら…卑しむだろうか?蔑むだろうか…?
無性に…知りたい…。
ページ上へ戻る