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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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ドキドキ・リュウゼツランド 中編

しばらくして・・・

「大丈夫?ウェンディ」
「う・・・うん、なんとか」

息を乱しながら膝をつくウェンディに声をかける。ウェンディをこんな風にしたソフィアさんはシェリアに怒られておりしょんぼりしていた。

「ソフィアっていつもあんなのなの?」
「ああ。俺が初めて見た時からあんなだったよ」

ソフィアのことを前から知っているレオンに質問したがソフィアは案の定昔から変態さんだったらしい。

「でもいいんじゃね?その方が見てる分には面白いし」
「見てる分にはね・・・」

俺だって見てるだけだったら可愛い女の子同士がじゃれあっているのは好きだよ、目の保養になるし。
だけどソフィアは俺にも危害を及ぼすから気が気じゃないんだよ!!

「レオンレオン!そろそろいかない?」
「あれ?もうそんな時間か?」

俺たちがシェリアがソフィアに説教しているのを見ているとラウルがレオンの肩をツンツンと叩き、レオンは近くにある時計で時間を確認している。

「シェリア」
「何?レオン」
「俺とラウル、水族館の方に行ってくるから」
「うん!!わかった!!」

レオンはシェリアにそう言うとラウルと一緒に水族館の方へと歩いていく。

「終わったら戻ってくるからねぇ!!」
「オッケー!!」

ラウルは途中振り返り手を振りながら歩いている。前を見ていなかったせいで途中転んでしまったが優しさで見なかったことにしておいてあげよう。

「レオンたちはどこにいったのかな?」
「水族館って言ってたよ?」

ウェンディの質問に答える俺。すると一段落付いたのか、シェリアとソフィアが戻ってくる。

「レオンはね、『餌やりショー』にいったんだよ!」
「『餌やりショー』?」

シェリアの口から中々聞かない単語が出てきてソフィアが聞き返す。

リュウゼツランド(ここ)の水族館で毎晩やってるらしいんだけどね、プロの係員がおっきな水槽の中でお魚たちに餌をやるの!!」
「ふむふむ」
「ここの名物の1つらしくてそれ目当てでここにくる人もいるらしいんだよ」

シェリアからレオンたちが向かった水族館であるショーについて説明してもらう。確かに普通魚に餌をやるところなんて見れないから、それをお客さんたちに見せるというのも面白いかもしれないな。

「ハッピーがいたら飛んで喜びそうだね」
「確かに!!」

ウェンディの言う通り、ハッピーがこの場にいてその話を聞いてたら喜んで水族館の方に飛んでいっただろうな。だってあいつお魚大好きだし。

「じゃあレオンが戻ってくるまで女の子4人で遊ぼうよぉ!!」
「あの・・・俺男なんだけど・・・」

ソフィアがふざけているのか、俺のことも女の子としてカウントしていたので思わず突っ込みを入れる。だけどソフィアは「いいじゃんいいじゃん、細かいことは」といって気にしてない様子。全然よくないし細かくないと思うんだけど・・・

「向こうで遊ぼっ!!」
「「「うん!!」」」

シェリアが先頭で俺、ウェンディ、ソフィアがそれを追いかけるように走り出す。

「待ってよシェリア~!!」
「早いよ~!!」
「早く早くぅ」
「走ってるシェリアもいいなぁ」

1人だけ明らかに違うことを考えている人がいるけど、結果としては先にいくシェリアと追いかけっこしているということになっている。それを見たウォーレンさんは、

『オオッ!!なんだあの4人天使か!?』

妙な念話を飛ばしていた。やめてください!!恥ずかしいから!!

ザバッ

足から静かに入水したウェンディとシェリア。それに対し俺とソフィアは勢いよくジャンプしてプールにダイブする。

「きゃっ!!ちょっとシリル!!勢いよく入りすぎ!!」
「ごめんごめん」
「ソフィアももう少し入り方考えてよ!!」
「いいじゃんいいじゃん、プールなんだから」

ウェンディとシェリアに注意され素直に謝罪する俺と全く気にした様子がないソフィア。
すると、シェリアが水面に手を入れソフィアに向かって思いきり水をかける。

「ひゃっ!!」
「お返し!!」

シェリアはソフィアがプールにダイブした時に水をかけられたお返しに水をソフィアにかけたのだった。

「やったなぁ!!」

ソフィアもそれに黙ってやられるはずもなく、シェリアに向かって水を何度もかける。
いつのまにかシェリアとソフィアが互いに水を掛け合っており、それにつられるように俺とウェンディもその水の掛け合いに参加することになる。

「それぇ!!」
「きゃははっ!!」

しばらくみんなで水を掛け合っていると、シェリアがあるものを見つける。

「あ!!ねぇねぇ!!あれ乗ってみない?」
「「「?」」」

シェリアの指の先を見る。そこにはバナナの形をした大きな浮き輪が置いてある。ついでに言うとその近くの階段にある看板には『みんなで遊ぼ!!バナナボートスライダー!!』と書いてあった。

「このバナナボートでスライダーに乗れるってことかな?」
「そうみたいだね」

1度プールから上がり、バナナボートの周りに集まる俺たち。そのスライダーの方から楽しそうな声が聞こえてくるので見上げてみると、数人組の男女のグループや女性だけのグループ、もしくはカップルと思われる男女のペアでバナナボートスライダーを楽しんでいる姿が目に入る。

「なんだか楽しそうだね!!」
「だな!!」

ソフィアと俺がそう言う。シェリアはバナナボートスライダーの看板に書いてある注意書に視線を落としている。

「何々?『1度に2人から最大5人まで楽しむことができます。バナナボートのサイズは魔力により変えられるため、持ち運びも簡単です』だって」

魔力で大きさを変えられる浮き輪なんてあるんだ?それだと上に持っていくのも楽だろうし2人で乗るのにも5人で乗るのにも同じ浮き輪でできるから運営側からしても安く済むのかもしれないね。

「いいじゃんこれ!!ソフィアたち4人だから今ならみんなで乗れるよ!!」

さっきまではレオンとラウルもいたけど2人は水族館に行っているため現在は不在である。レオンたちも入ると6人になっちゃうからみんなで1度には楽しめなくなっちゃうんだよね。ラウルがエクシードの姿に戻ると気にせず全員で乗れそうな気もするけど。

「じゃあさっそく乗ろうよ!!」
「うん!!行こう行こう!!」

そういうことで俺たちは4人でバナナボートスライダーに乗ってみることにした。





















「オオッ!!高い!!」

スライダーの頂上部分に立ち、下を見下ろしながら感嘆の声を漏らすのはシェリア。確かにそこから見える景色はリュウゼツランドの全体を見渡せるくらい高い。プールにいる人たちなんてすごく小さく見えるもんね。

「そんなの分かりきってるから早く早く!!」

一方ソフィアは下を見ることなどせずに下から持ってきたバナナボートを自分の魔力で4人用に大きくしていた。意外とソフィアは行動が早いね。

「そういえばこれってどういう風に乗るんですか?」
「ウェンディ、また敬語になってるよ」
「あ!!」

ウェンディがバナナボートの乗り方を分からないらしく質問するがシェリアがその言葉遣いが敬語になっていたので指摘する。ウェンディは礼儀正しいからいつでも目上の人には敬語で話するからその癖が抜けないんだろう。

「それならさっき俺見てきたよ」
「え?どこかに書いてあった?」
「下の看板に」

実は階段のところにあった看板にバナナボートスライダーの乗り方が書いてあったのである。ウェンディたちは楽しみでスキップするような足取りで階段昇ってたから乗り方見てないなと思った俺はしっかりと確認してきたのだ。

「簡単に説明すると前の人に掴まって密着して乗ると一番安全らしいよ」

他にも楽しみ方は書いてあったけど『危険が伴う乗り方なため注意してください』っても記されてたから一番無難なものをウェンディたちに説明する。

「体を密着させるってことは・・・」

俺の説明を聞いたソフィアが目を輝かせる。なんだろう、嫌な予感しかしない。

「こういうことだね!!」
「ひゃっ!!」

俺の嫌な予感は見事に的中し、ソフィアが後ろから俺のことを抱き締め、ついでに胸を触ってくる。

「ちょっとソフィア!!」
「シリルちゃんペッタンコだぁ!!」
「当たり前でしょ!!」

ソフィアは俺の胸のところをまさぐりながら感想を漏らす。俺は男なんだから胸なんかあるわけないじゃん!!
とりあえず俺はソフィアの腕を引き剥がして距離を取る。

「もうっ!!ソフィアは一番前決定!!」
「えぇっ!?」

シェリアがソフィアを指差しそう言う。ソフィアはそれを聞くと目を見開かせる。

「なんでなんで!?」
「ソフィアが後ろだと前の人がかわいそうだもん!!」

シェリアの言う通り、ソフィアが後ろにいるとその前の人が何されるかわかったもんじゃない。ウェンディがやられるのとヤダし自分が何かされるのとヤダ。シェリアだってソフィアにイタズラされるのは嫌だろうから必然的にソフィアは一番前にせざるを得ないんだよな。だけど・・・

「だと俺が誰かにしがみつかなきゃいけなくなるんだけど・・・」

みんなに間違えられているが俺は一応男だ。で、俺以外の3人はかなり可愛い系の女の子。つまり俺が一番前じゃないと誰か異性に抱きつかなければいけなくなる。果たしてそれはいいのだろうか?

「大丈夫だよ、シリル。シリルの前は私が乗ればいいんだもん」

そう言ったのはウェンディ。そうか!!ウェンディは恋人だもん。後ろから抱き締めるくらい問題ないよね!!

「2人はやっぱり仲いいんだね」
「もしかして昔は一緒にお風呂に入ってたりしたのかな?」

俺たちの会話を聞いていたシェリアと異様なまでに興味津々で質問してくるソフィア。

「む・・・昔はね/////」
「今は別々に暮らしてるから/////」

ウェンディも俺も顔を真っ赤にして答える。そりゃあ化猫の宿(ケットシェルター)にいた時は一緒に入ってたよ。だってその時はまだまだチビッ子だったから恋愛感情とかもまだなかったし。でも今は互いに異性に生まれたままの姿を晒すのは抵抗あるから絶対一緒には入れないと思う。

「へぇ~、そうなんだ」ニヤニヤ
「もういっそ付き合っちゃえばいいのに~」ニヤニヤ

海合宿の時から思ったけどやっぱり女性陣は恋バナが大好きらしくシェリアとソフィアはニヤケながら俺たちにそう言う。

「ふふん♪残念でしたぁ!!俺たちもう付き合ってるから」
「「え!?」」

俺の言葉を聞くと2人は驚き一瞬固まってしまう。しかしすぐに正気を取り戻すと羨ましそうに声を出す。

「えぇ!!いいないいなぁ!!」
「好きな人とそんなに早くから結ばれるなんてぇ!!」
「シェリアたちにもやっぱり好きな人っているの?」

ウェンディがそう質問するとシェリアとソフィアは両極端な反応を見せる。

「もちろん!!ソフィアはカグラさん一筋だよ!!」
「色んな人にセクハラするのに?」

ソフィアは胸を張り堂々と好きな人の名前を言う。相手はやはりと言うべきか同じギルドのカグラさんらしい。そしてソフィアが所属しているギルド、人魚の踵(マーメイドヒール)は女性だけのギルド。つまり、好きな相手は同性なのである。
ただソフィアのいつでもどこでも女の子に抱き付く姿を見せられるとどう考えても女の子が好きなのはわかっていた。だけど絶対“カグラさん一筋”ではないと思う。現に俺やウェンディもソフィアのセクハラにの被害を受けているのだから。

「何言ってるのシリルちゃん!!ソフィアがシェリアとかに抱き付くのは趣味だよ!!しゅ・み!!」
「それってなおさらタチ悪いと思うんですけど・・・」

ソフィアぐらいの年齢は恋多きお年頃っていうのを前に何かの本で見たことがある。本当に好きな人と憧れから来る感情を恋と勘違いしてしまうこと、他にもいくつかの理由があったような気がするけど、とにかく気になってしまう人が多いらしい。
ルーシィさんとかいい例だよね、普段一緒にいるナツさんやグレイさん、それに自分の契約している星霊の1人、ロキさんとかに心が揺れ動いているのがありありと見える。だからソフィアがシェリアやウェンディに飛び付くのも気になっているからと言われればしょうがないと思えるけど、趣味と言われると遊び人みたいに聞こえてしまうからダメなような気がする。

「カグラさんが好きならずっと触らしてもらえばいいのに」
「だってカグラさん人前でお胸触ると怒るんだも~ん!!」

ウェンディとソフィアがそう言う。言っておくけど人前でセクハラされて怒らない人なんかいないからな?
俺たちがソフィアの好きな人の話で揉めている中、中々口を開けない人がいる。

「シェリアは?」
「え?/////」

その人とはもちろんシェリア。シェリアの顔はリンゴのように真っ赤になっており、頭から湯気が出ているように見える。

「シェリアはリオンさんでしょ?」
「えぇ?普通にレオンとかじゃないの?」

ソフィアと俺がシェリアの好きな人を予想しそう言う。シェリアは両手の人差し指をツンツンと合わせながら恥ずかしそうに答える。

「りょ・・・両方・・・/////」
「「「え?」」」
「だから!!リオンもレオンも気になってるの・・・/////」

シェリアは堂々と恥ずかし気もなくいい放ったソフィアとは対称的に俺たちにギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいの声でボソリと呟く。

「両方って・・・え!?」
「シェリアってもしかして・・・」
「面食い?」

俺とウェンディ、そしてソフィアがシェリアに向かってそう言う。するとシェリアはますます顔を赤くする。

「ち・・・違うの!!確かに2人共カッコいいけど・・・」

シェリアは体の前で手を軽く握り合わせモジモジしながら言葉を紡ぐ。

「リオンは優しいしクールでカッコいいから/////」

シェリアにそう言われて全員が「あぁ~」と納得する。確かにリオンさんは普通に考えてカッコいい。見た目もだけど性格もグレイさんとジュビアさんに対するもの以外はカッコいいと思う。

「レオンはあんな素っ気ない感じだけど小さい時から一緒だからかな?あたしのことよくわかってるって感じがするし、あたし作った料理とか失敗しても残さず食べてくれるし」

レオンっていつでも何かしら食わえてるイメージあるけど、基本はお菓子とか甘いものを食べてる印象が強い。料理とか失敗したらまず焦げて苦い気がするけどそれまで食べてあげるなんてレオンは意外と優しいのかもしれない。

「シェリアってレオンにご飯作ったりするんだ」
「うん!!その代わり掃除とかはレオンがしてくれるよ」
「へぇ~!!・・・ん?」

そこまで聞いて俺はあることに気づいた。シェリアがご飯を作ってレオンが掃除をする?それってもしかして・・・
俺がある考えに至ったのと同時に、ソフィアがシェリアに質問する。

「シェリアとレオンって一緒に暮らしてるの?」
「うん!!・・・ハッ!!」

可愛らしく笑顔でうなずいたシェリア。しかし、その爆弾発言に俺たちは驚愕する。その表情を見てシェリアも思わず口を滑らせてしまったという顔をしている。

「一緒に暮らしてるって・・・まさか同棲!?」
「シェリアとレオンはまだ付き合ってないんでしょ!?」
「なんで一緒に暮らしてるの!?」

ソフィアとウェンディと俺がシェリアに一斉に質問を浴びせる。シェリアはなんと言い訳すればいいのかわからずにあわてふためく。

「ち・・・違うんだって!!これには話せば長くなる事情が・・・」
「話せば?」
「長くなる?」
「それはどんな?」

シェリアの逃げ道を少しずつ少しずつ奪っていく俺たち。なんか海合宿の時のレビィさんにも似たようなことをした気がするけどあまり気にしないでおこう。

「う・・・んと・・・だから・・・」

目線を泳がせ必死に考えるシェリア。するとこの場を逃れるいい案が浮かんだのか、さっきまでの困った顔から一転、パッと笑顔に変わる。

「み・・・みんな!!そろそろスライダー乗ろうよ!!後ろつっかえちゃうよ!!」

シェリアはそう言うとバナナボートの一番後ろへと素早く座る。別に俺たちの後ろには誰も来ていないし急ぐ必要はない気がする。だけどあまり長時間ここにいると他のアトラクションができなくなってしまうかもしれないし、ここは誤魔化されたフリでもしておこうかな。

「後で絶対聞き出してやるぞ!!」
「私も頑張っちゃおうっと!!」

ソフィアとウェンディは後でシェリアを尋問する気満々だ。さすがに可哀想だから俺は参戦しないでおこう。理由だけ聞ければいいし。
というわけでさっき決めた順番通り先頭にソフィア、その後ろにウェンディと俺、耳まで赤くなっているのを見られたくないからか、シェリアが一番後ろに座っている。

「ウェンディ、一応トロイアして」
「うん!!わかった」

俺はウェンディにくっつく前に万が一のためのトロイアをかけてもらう。まさかスライダーで酔うとは思えないけど、念のためにかけておいて問題はないと思う。

「今何してもらったの?」
「乗り物酔いの魔法だよ」

後ろからヒョイッと顔を出したシェリアにそう答える。シェリアの顔は大分落ち着いたみたいで赤みもかなり抜けてきている。

「よーし!!じゃあ出ぱーつ!!」

ソフィアがそう言うのでウェンディはソフィアに、俺はウェンディに、そしてシェリアが俺へと抱きつく。
俺は後で怒られないようにとウェンディの腰元から腕を通す。胸とかお尻とか触るといくらなんでも怒られちゃうか―――

ムニュッ

「!?」

下心を出さないようにウェンディに抱きつくと、俺の背中に妙に柔らかな感触がぶつかる。

「どうしたの?シリル」
「う・・・ううん、なんでもないよ(汗)」

俺の体がビクッとなったのを感じたウェンディが心配して声をかけてくる。とりあえず平静を装いながら俺は大丈夫と返事する。
だけどいまだに俺の背中にある柔らかい感触。その感触の正体に気づいた俺はチラッと後ろに視線を向ける。

「?どうかしたの?」
「いや・・・別に・・・」

その感触の正体は間違いなくシェリアのある部位である。感触の位置と背中で感じるという点からそれは間違いなくまだ発育途上であるシェリア女性の象徴だとわかってしまう。
失敗した。やっぱりソフィアのセクハラに多少耐えてでも俺が一番前に行くか、もしくは一番後ろでウェンディだけに密着する状態にするべきだった。
今からでも場所を代えてもらおうと考えていると、それよりも早くソフィアが動き出す。

「レッツゴー!!」

先頭にいるソフィアが現在このバナナボートの主導権を握っているようなもの。俺の気持ちなどわかるはずもなくソフィアはバナナボートを傾け流れる水に乗ったボートは一気にスライダーを滑り落ちる。

「「「キャーーーー!!」」」
「わぁーーーーー!!」

さすがはフィオーレ一のサマーレジャースポットの中にあるアトラクション。水の抵抗とボートの進む速度がハンパじゃない!!先頭のソフィアは前についている取っ手をしっかりと握り、ウェンディ、俺、シェリアは前の人にさらにギュッと密着する。

ムギュッ

ムニュッ

密着してから気づいた。いくら小さい時からずっと一緒にいる上に、さらには恋人であるのに、俺はウェンディとここまで接近していたことがない。ウェンディの体温が直で感じられる上にまだ幼いながら女性らしい柔らかさがウェンディにも十分にある。そしておまけに後ろからはシェリアがかなり密着して来ている。前の恋人を抱き締め後ろからは年上の可愛い系の女の子に抱きつかれる。嬉しいと思うよりも先に緊張が先走ってしまう。というかウェンディは俺にこんなに密着されてなんとも思ってないのだろうか?


















ウェンディside

うわぁぁぁ/////し・・・シリルがすごく近いよぉ/////
面白そうだからと乗ってみたバナナボートスライダー。つい勢いでシリルの前を希望しちゃったけど後ろから私をシリルが抱き締めてるんだと思うとドキドキが止まらないよぉ/////
スライダーのコーナーで曲がる度にシリルの体が近づくいてるのか、水の勢いで消されそうなはずなのにシリルの吐息を感じる。実は私の腕は時おりソフィアのわずかながらの膨らみに手が届いてたりするんだけどそんなことよりも後ろが気になって仕方ない。
こんなに近いと早くなってる鼓動がシリルに聞かれちゃってそうで恥ずかしいよぉ/////














シリルside

バシャアッ

とてつもなく長く感じたウォータースライダー。しかしやはりこんな至福の時間にも終わりはあるものでたった今俺たちを乗せたボートは到着点であるプールへと入っていった。

「プハァ!!う~ん・・・楽しかったぁ!!」
「すごかったね!!バナナボートスライダー!!」

ゴールしたため掴んでいた取っ手から手を離し体で大きく伸びをするソフィアと俺に抱きついたままで答えるシェリア。
だが俺とウェンディは何も言えない。あまりにも顔が火照りすぎているのと実はかなりハレンチな行為だったのではないかという思いからなんと感想を言えばいいのかわからない。

「ウェンディたちも楽しかったよね!!」
「う・・・うん!!/////」
「メチャクチャ楽しかったよ!!/////」

シェリアに対して冷静に答えたフリをする俺たち。だがそれを見たソフィアは俺の考えなどお見通しなようで、ボートから降りてプールに入ると俺の隣にやって来て耳元で囁く。

「もしかしてウェンディに抱きついたのとシェリアに抱きつかれたので興奮しちゃった?」コソッ
「!?」

図星を突かれた俺は固まってしまう。それを肯定と捉えたソフィアはニヤッと不敵な笑みを浮かべる。

「ねぇねぇシェリア聞いてよぉ」
「何々?」
「シリルちゃんがね―――」

ソフィアがシェリアに話そうとしたところで俺は口を塞いで言葉を遮る。

「やめなさい!!」
「んん~!!」

口を塞ぐ手をどけようとするソフィア。しばらくするとソフィアに手を退かされてしまい、ソフィアはすぐにプールの中を走って逃げる。
スライダーのゴール地点となっているプールは俺の太ももの半ばぐらいまでしかなく、泳ぐよりも走った方が早いのだ。

「ほらほら捕まえてごらん!!」
「ちょっ!!待てよソフィア!!」

逃げ回るソフィアと追いかける俺。だがプールは水の魔導士である俺の領土(テリトリー)。そんなところでソフィアが逃げ切れる訳もなく、無事にソフィアを捕まえ口封じすることができました。バナナボート乗るときはもう少し配置に気を付けようと心から誓った今日この頃。







 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか?
ほとんどオリジナルな話にしてみました。
そしてまさかのリュウゼツランドだけで3話目突入Σ(-∀-;)
ちなみに唯一大魔闘演舞参加オリキャラで登場してないタクトはトライメンズと一緒にナンパして回っている設定です。
書こうと思ったけど全然書くタイミングなかった・・・
次でリュウゼツランド最後になります(たぶん)
次回もよろしくお願いします。 
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