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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another89 それぞれの帰る場所

 
前書き
アポカリモン撃破。 

 
ルカ「皆さん!!」

大輔達からかなり離れた場所に飛ばされたルカ達が大輔達の元に飛ばされた時には既に全て終わっていた。
アポカリモンのデジヴァイスと紋章による浄化は滞りなく終わったのだろう。

アリシア「ごめんね~、肝心な時に力になれなくて」

ヤマト「いいんだよ。何事もなく終われたんだ。」

謝るアリシアにヤマトが優しく言う。

空「終わったのよね?」

一輝「アポカリモンの気配は感じない。まあ、確実に倒したんだろうよ」

ヒカリ「あ!!?」

全員【?】

全員がヒカリの見ている方向を見遣ると、空から1個のデジタマが降ってきた。
ヒカリは咄嗟にデジタマを受け止めた。

太一「何だよこのデジタマ?」

ミミ「もしかしてアポカリモンのデジタマ?」

ユーノ「多分そうだと思います。アポカリモンが負の蓄積から解放され、1体のデジモンとなって生まれ変わるんです」

タケル「良かったね」

なのは「うん…今まで辛かったね…そして今度は幸せになるんだよ?」

ヒカリが抱いているデジタマを優しく撫でるなのは。
今まで辛い思いをしてきたアポカリモン。
今度は幸せな人生を送れるようになることを祈る。
そして次の瞬間、子供達は光に包まれた。








































パチパチパチパチ…!!

飛ばされた先はファイル島の始まりの町。
どういう訳か、ゲンナイ達が子供達に拍手を送っていた。

ゲンナイ「おめでとう選ばれし子供達」

ケンタルモン[よくデジタルワールドを救ってくれたね]

レオモン[おめでとう]

オーガモン[おめえらよ、倒すの速すぎなんだよ。これじゃあダークマスターズの残党の片付けしか出来ないじゃねえか]

ヤマト「はは、悪いなオーガモン」

太一「ヤマト、お前何でオーガモンと仲良く話してんだ?」

ミミ「スカルグレイモンの骨狩りで仲良くなったんだって」

全員【スカルグレイモンの骨狩り?】

はやて「何やそりゃあ?」

ツカイモン[聞いたことがある。オーガモンは、骨棍棒が古くなるとスカルグレイモンを倒してそのスカルグレイモンから新たな武器となる骨を頂くと]

ヤマト「最初は後悔したけどガブモンも超進化出来たから悪いことばかりじゃなかったな」

遼「それにしてもようやく終わったな」

スバル「だねえ、お母さん達もみんな待っているだろうしね」

タケル「そっか、ママとパパ達が待ってるんだった…」

ミミ「お別れになっちゃう…」

現実世界で自分達の帰りを待っていてくれている家族のことを思い出して、デジタルワールドから現実世界に帰らなければならないことに表情を暗くする。

ヤマト「なあ、夏休みはまだまだ残っているよな?俺さ、休みが終わるまでこっちの世界に残ろうかと思うんだ」

ヤマトの提案に皆の空気が一気に明るいものへと変わる。

タケル「お兄ちゃんが残るんなら僕も残る!!」

ヒカリ「私も。お兄ちゃん、良いでしょう?」

太一「ああ!!大輔達も…」

大輔「それが駄目なんですよ太一さん」

太一「な、何でだよ?」

まさかの否定の言葉に太一は目を見開く。
賢達を見遣ると賢達も大輔と同じ考えのようだ。

ゲンナイ「それについては儂が説明しよう。実は、アポカリモンの出現でデジモンワールドとお主達のいた世界の時間の流れが同じになったのじゃ」

ヤマト「そんな…それでも残ると言ったら俺達はどうなるんだ?」

一輝「デジタルワールドが俺達のデータを異物として消去しちまうかもな」

ヤマト「………」

ギンガ「本当に自分勝手だよねデジタルワールド。用が済んだらはい、さようならだから」

ティアナ「でもそんなデジタルワールドが好きなんですよね…」

寂しげに笑いながら言うギンガに、ティアナも寂しげに笑いながら言う。

丈「じゃあ、ゴマモン達とはここでお別れなのか…」

タケル「そんな…」

大輔「いや、ならブイモン達も現実世界で暮らせばいいじゃないか」

全員【は?】

ブイモン[実は俺はずっと今まで現実世界で暮らしていたのだ。]

ロップモン[私も現実世界での暮らしが長いよ~。私達の世界にアインス達がいられないなら私達がアインス達の世界で暮らせばいいんだよ]

全員【…それナイスアイディア!!】

ゲンナイ「え?ちょ、お前達…」

光子郎「基本的にD-コネクションの中に入れていれば安全ですし、運動不足にならないように工夫を考えなければなりませんね」

ゲンナイ「あの、だから…」

ヒカリ「お母さん達にテイルモンを紹介しなきゃ!!」

太一「だな、一緒に暮らすことになったら父さん達驚くぞお!!」

タケル「ママ、びっくりするかなあ?」

ヤマト「きっとするさ」

空「お母さんにピヨモンをちゃんと紹介しないとね」

ピヨモン[うん!!私、空のお母さんと色々…]

ゲンナイ「いかーん!!」

全員【ん?】

せっかくの名案に駄目だしするゲンナイに全員が凄まじく冷たい目を向けた。

ゲンナイ「今の現実世界がデジモンを受け入れられるわけがない…せめて少しくらい」

太一「何で大輔達は良くて俺達は駄目なんだよ」

ヤマト「差別だ!!この陰険役立たず爺」

ミミ「そうよそうよ!!」

ゲンナイ「じゃ、じゃがなあ…」

子供達から非難轟々を受けながらも、ゲンナイは言い募ろうとしたが、次に見たのは蒼い小さな拳。

全員【あ】

ブイモン[うらあああああ!!寝てろ糞爺!!]

ゲンナイ「へぼお!!?」

顔面に強烈な右ストレートをモロに喰らったゲンナイは綺麗な放物線を描いて、仰向けに倒れた。

ブイモン[よし、みんな。ゲンナイの爺が目覚める前に湖にある電車に乗り込んで現実世界にlet's go!!]

全員【おお!!】

疫病神が目覚める前にデジタルワールドからおさらばだ。
確かにしばらくデジタルワールドに来ることが出来ないのは素直に寂しい。
しかし永遠に自分達とデジタルワールドの繋がりが切れる訳ではない。
いつか新たな冒険が始まる時まで自分らしく生きていこう。
1999年8月1日から始まった選ばれし子供達の冒険は、今から3年後までお休み。 
 

 
後書き
無印編終了。
長かった。 
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