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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第三十三話 上村中尉!ディオラマも芸術だ!!その五

「愛知県は戦う場にはならない」
「だから名古屋城はないんですね」
「あの城で俺達と日帝衆が戦うことは」
「それで今回は姫路城ですね」
「あの空を飛んだ城で空軍衆と戦うんですね」
「そうだ、あと失礼のない様にしろ」
 ここで悪田部は二人に忠告もした。
「天守閣に入るのならな」
「ああ、天守物語ですね」
「泉鏡花の」
「この作品にも出ているが」
「いるんですよね、姫路城には」
「あのお城の天守閣には」
「そうだ、長壁姫がいる」
 只の姫ではない、言うまでもなく。
「兵庫の妖怪達の棟梁の一人がな」
「ですよね、その泉鏡花の作品でも有名ですけれど」
「あそこにはいるんですよ」
「その妖怪の棟梁にですね」
「失礼がない様にですね」
「気をつけることだ」
 このことは強く言う悪田部だった。
「さもないと君達にとってよくない」
「ですよね、空自さんの幹部候補生学校じゃ化け猫出てきてましたけれど」
「それも普通に」
「あの化け猫も長生きですけれど」
「刑部姫は平安以前かららしいですからね」 
 とある方のご落胤説がある。
「それであのお城に移り住んでらしくて」
「ずっと住んでいますから」
 姫路城築城以降であるまさに。
「少なくとも五百歳以上」
「力も強い」
 その妖力がだ。
「そうした方ですから」
「失礼があったらですね」
「その時は俺達も」
「只じゃ済まないですね」
「死ぬ」
 悪田部の返答は一言だった、もっと言えば二文字だった。
「呪い殺される」
「ですよね、やっぱり」
「そんな方に失礼なことしたら」
「何しろ兵庫の妖怪の棟梁の一角ですから」
「神様みたいなものですね」
「妖怪と神の境目は曖昧だ」
 日本においてはだ。
「神が堕ちたものが妖怪、妖精と言われているが」
「妖怪も力が強いとですね」
「神様みたいになりますね」
「長壁姫にしてもですね」
「神様って言ってもいいですね」
「天守物語を読むといい」
 ここでもこの作品の名前が出る。
「あの作品でもそうだな」
「ですね、あの姫にしても」
「妖怪っていうか神様ですよね」
「実際のところ」
「そうですよね」
「君達は神仏をこれまで散々愚弄しているが」
 これまで戦ったあらゆる神社仏閣でにおいてだ。二人は確かに常にそうした場で彼等らしい行動を取っている。
「今回ばかりはだ」
「下手なことしたらですか」
「命はないんですね」
「そのことはわかっておくことだ」
 くれぐれもというのだ。
「いいな」
「はい、俺達が生きる為に」
「気をつけていきます」
「それで今回も勝ちます」
「そうしてきます」 
 こう強く言ってだ、そしてだった。
 二人は姫路城に行くことにした、しかしそれまではまだ時間があるので戦いの日までは遊ぶことにして。 
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