ドリトル先生の水族館
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第四幕その七
「どうしてもね」
「けれど僕達の言葉ならね」
「わかるからね」
「係の人が話してくれるのなら有り難いから」
「嬉しいよ、それでね」
「先生のその気配りがね」
「それは何よりだよ、僕にしてもね」
先生も皆の話に笑顔になりました。こうしてアシカさん達の曲芸のこともお話がまとまったのです。
アシカさん達はh家には問題はありませんでした、とても満足していました。
そして次は鯱さんや鯨さん達というところで、です。先生達は一旦ティーライムとなりました。今日のティーセットは上段はスコーン、中段はサンドイッチ、下段はケーキとフルーツです。
そのセットを楽しみつつ水槽の中で気持ちよさそうに泳ぐアシカさん達を見てです、先生は一緒にセットを楽しんでいる皆に言いました。
「言葉も大事だね」
「動物のね」
「その言葉もだよね」
「やり取りには大事なんだね」
「そうだよ、生きものも人の言葉がわかるけれど」
それでもというのです。
「そのそれぞれの言葉があるからね」
「そういえば僕達もね」
「最初日本語わからなかったよ」
「先生はすらすら喋ってたけれどね」
「読み書きも出来たし」
「うん、僕達はずっとイギリスにいたからね」
冒険にも出ていましたが基本はそうでした。
「それで英語に親しんでいたから」
「日本語はわからなかった」
「そうなんだね」
「うん、僕も日本語には苦労したよ」
先生は大好きなミルクティーを飲みつつ少し苦笑いになりました。そのミルクティーはとても甘いというのにです。
「難しくてね」
「日本語って難しいよね」
「こんな難しい言葉ないって位に」
「英語よりずっと難しくて」
「文字が幾つもあって」
「文法も発音も英語より全然難しくて」
「あんな言葉ないよ」
それこそというのです、動物の皆も日本語には本当に苦労したのです。
それで先生もです、日本語にこう言うのです。
「世界で最も難しい言葉かもね」
「というか絶対にそうだよ」
「あれ以上難しい言葉ないわよ」
「日本人は英語難しいって言う人多いけれど」
「英語の方が全然まし」
「そうそう」
「例えば源氏物語もね」
先生も読んだこの名作はといいますと。
「原文を読むより英語訳の方がずっと読みやすいんだよ」
「日本の昔の小説なのに」
「英語で読んだ方がずっと楽なのね」
「そうなのね」
「現代語訳も幾つかあるけれど」
それでもというのです。
「僕はそちらよりも英語訳の方が読みやすいと思うよ」
「別に先生がイギリス人だからってじゃなくて」
「日本語自体が難しいのね」
「つまりはそうなのね」
「日本語はそこまで難しくて」
「そう思うよ、それでアシカ君達も困っていたんだ」
日本語が難しくて、です。
「現地の言葉ならわかるけれどね」
「そnゴールドコーストの辺りの」
「そちらの言葉なら」
「うん、そうだったけれど」
それでもというのです。
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