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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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月光校庭のエクスカリバー
  聖剣への想い×教会側と悪魔側との仲介

俺はイリナとゼノヴィアを送った後、人間界本家に戻ったら魔法陣反応があったので俺の部屋へと通した。さっきまでグラウンドにいた木場だったが、見た目で分かるが精神面はボロボロの状態と見た。

「どうした木場。こんな時間に来る何てお前らしくないぞ」

「ははは、ごめんよ。ちょっと相談があってね、聞いてもらえたいんだけど良いかな?」

「いいぞ。話の内容によって判断を下す」

話をしたらリアスから離れたらしい、はぐれにはなるつもりは無いそうだがリアスは心配するぞと言って戻らせようとしたが無理だった。俺と一緒に風呂に入ってから、一息を入れて改めて話をした。

「何でリアスの元を離れるような真似をした?お前は、はぐれになってもいいのか?」

「良い訳が無いよ。聖剣を考えると、頭の中は憎悪で一杯になってしまうんだ。今は部長の元にはいられない気がするからさ、頼む・・・・しばらくでいいからここに居させてくれないかな?勿論修行もするし、憎悪も打ち消したいというのが今の僕の願いだ」

しばらく考えたが、許可を取って風呂から出た後メイドにゲストルームを清掃させるように指示を飛ばした。俺と木場は自室に戻ったが、俺は半袖長ズボンの寝間着で木場はいつの間にか持っていた自分のパジャマを着ていた。メイドが清掃完了との報告を受けて木場はその部屋へ向かうが、木場に一言。

「修行は明日からだから、今日はゆっくり休め」

と言ったら・・・・。

「ありがとう」

返事後に行ってしまったが、イリナからの情報だと相手はコカビエルだ。フリードもいたが、アイツはエクスカリバーを持っていたな。その前にアザゼルに確認の為に電話した。

「もしもし俺だ。聞こえるかアザゼル」

『ああ、聞こえるぜ。どうしたんだ?こんな時間にかけてくる何て』

「ちょいと確認の為さ。そっちにコカビエルはいないか?」

『ッ!まさかそっちにいるのか?』

「そのまさかだ。また戦争を始めるようだが、始末は俺がやってもいいか?何か嫌な予感がする」

アザゼルはしばらく考えたが、失神させる程度にしてくれと注文(オーダー)を言われて戦闘が始まったら、様子見をしてから白龍皇を送ると告げてきた。承諾後、電話を切って寝た。明日は久々の修行だからな。明日から土曜日だし、学校は休みだから丁度良い。

次の日になったが、俺はいつも通り朝鍛錬をしていると木場が来た。どうやらコイツも、朝鍛錬をしているので俺と一緒に鍛錬をした。朝食後改めて修行を開始、最初は滝に打たせようとしたので空間を歪ませて滝がある場所へ向かい寒い中滝に打った。

格好は白装束で、下着は穿いていて寒かったがこれも修行の為だと言って一時間一緒にやった。木場の場合、聖剣に対しての憎悪だからまず滝で精神を極めてから木刀での修行。人間界本家に戻った後、剣道場にて木刀での修行を始めて二時間が経った所で休憩に入った。

BSメンバーと一緒にやっているが、木場だけは俺が直々にやっている。模擬戦をしたが、いつもの刀から破壊の聖剣をした剣を握り、木場も魔剣を創造して立ち向かった。以前より段違いになったから、聖剣の強度を上げても木場の魔剣は折れる事もなかった。

強度をマックスにしても、火花を散りながら四方八方に斬っていく木場だったが全然折れる事なく、以前の木場より遥かに強くなっている事に確信した。俺は刀身を喉に突きつけて、模擬戦は終了した。

「木場、今のお前だったらゼノヴィアに勝てるかもしれんぞ。今の聖剣は破壊の強度で戦っていたが、魔剣は折れる所か強度が上がっていた。精神的にも良さそうだから、今だったらリアスの元に戻った方がいいのではないか?」

「うん、僕もそう思った。今はコカビエルをどう倒そうか、悩んでいる所さ。聖剣エクスカリバーを盗んで使用している、とすれば破壊も可能なはず。一誠君は仲介役、だったよね。頼みがあるんだ」

「分かってる。イリナとゼノヴィアに頼んで、一緒に破壊しようと言う根端何だろう?俺はグレモリー眷属ではないから、自由に行動可能だがお前はどうする?リアスからお仕置きを喰らうのがオチだぞ」

「分かってるさ。でも僕は、リアス・グレモリーの『騎士』でもあり聖剣計画の生き残りでもある。束縛されら鎖から解放の為に僕は戦う、例え部長から処罰を喰らっていても僕の決心は変わらない」

俺は笑って了承した。その前に昼食を食べてから行く事になったが、いつの間にか小猫ちゃんが家に来ていた。木場を見ると抱き着いてきてこう言った。

「もうどこにも行かないで下さい」

と言って泣いていた。木場は頭を撫でてから・・・・。

「もう心配はいらないさ」

一緒に昼食を食っている間に情報交換したが、ここに来たのは一人だけだと言ってリアスには内緒で来た子猫ちゃん。お仕置きされるかもしれないぞ、と言ったがコクリと頷いた。俺達は昼食後、俺の車でイリナとゼノヴィアがいるであろう場所へ向かう。アイツらは、極秘任務中である白いローブを着た女性二人らしき者がそう簡単に見つかるはずが無いと思っていると案外簡単に見つかった。

「案外簡単に見つかったな・・・・それも道端で路銀を貰おうとかしている様子だな。白いローブを着ている格好だから、目立つとは思ったがまさかこんな所とは」

「あはは、うんそのようだね。まさか教会関係者である者が、お寺の修行僧みたいな真似をしている何て想像してなかったよ」

「・・・・でも目立つような容姿だったので、逆に良かったです」

俺ら三人はそれぞれの感想を言ったが、イリナとゼノヴィアらしき者は必死になって路銀集めをしていた。確かここに来た時には、出張費みたいなのを貰っている気がするが何があったのか様子見となったが原因が分かった。

「えー、迷える子羊にお恵みを~」

「どうか、天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をぉぉぉぉ!」

そのシスターは、間違いなくイリナとゼノヴィアだと確認した。しかも凄く浮く存在となっていたので、一般市民からすると関わると面倒になるから近付かないようにしていた。俺はさっき買ったハンバーガーを口に入れながら近付いて行くが、路頭で祈りを捧げる白ローブの女の子二人。

白装束だからか、目立つなと思いながらだったが何やら相当困っている様子と見た。あの事件は解決したはずだが、足元には絵画らしき物があった。俺は絵画とかをよく鑑定する側の人間からしても、本物か偽物かを見る目を持っているから一発で贋作だと判断した。

「何て事だ。これが超先進国であり経済大国日本の現実、これだから信仰の匂いもしない国は嫌何だ」

「毒付かないでゼノヴィア。路銀の尽きた私達はこうやって、異教徒共の慈悲無しでは食事も摂れないのよ?ああ、パン一つさえ買えない私達!」

「ふん。元はと言えば、お前が詐欺紛いの変な絵画を購入するからだ。兵藤には感謝したが、また騙されるとは思わなかったぞ」

ゼノヴィアが指差す方に絵画があるが、俺から見ても見事な贋作だ。聖人らしき者が描かれていたが、どこぞの展覧会擬きで偽物を売る者がまだいるとはな。橘刑事に連絡入れないとな。

「何を言うの!この絵には聖なる御方が描かれているのよ!展示会の関係者もそんな事を言っていたわよ!」

「じゃあ誰だか分かるのか?私には誰一人脳裏に浮かばない」

確かにあれは酷い絵だ、外国風で貧相な服装で頭の上には天使の輪っかがあって、背景は赤ちゃん天使がラッパを吹いている。くくくっ・・・・ダメだ。笑いが止まらないが、何処からどう見ても贋作だからなあれは。

「・・・・多分、ペトロ・・・・様?」

「ふざけるな。聖ペトロがこんな訳が無いだろう」

「いいえこんなのよ!私には分かるもん!」

「ああどうしてこんなのが私のパートナー何だ・・・・主よ、これも試練ですか?」

「ちょっと、頭を抱えないでよ。貴女って、沈む時はとことん沈むわよね」

「うるさい!これだから、プロテスタントは異教徒だと言うんだ!我々カトリックと価値観が違う!聖人をもっと敬え!」

「何よ!古臭い仕来りに縛られてるカトリックの方が可笑しいのよ!」

「何だと異教徒め」

「何よ異教徒」

喧嘩が始まったが、道端でやらないで欲しい。取り締まりも結構苦労するんだぜ?ああ言うのは性質が悪い方何だから、木場と小猫ちゃんは苦笑いか失笑している。すると遠くから腹の音が聞こえてきたが、相当食ってないんだなアイツらは。腹が鳴ると同時に、喧嘩は収まったとして二人はその場に座り込む。

「・・・・まずはどうにかして腹を満たそう。そうしなければエクスカリバー奪還どころでは無い」

「・・・・そうね。異教徒から脅してお金を貰う?主も異教徒相手なら許してくれそうなの」

「寺を襲撃するのか?それとも賽銭箱とやらを奪うか?どちらも止めとけ、ここは剣を使って大道芸でもしよう。どの国でも通じるインターナショナルな娯楽だ」

「それは名案ね!エクスカリバーで果物でも切れば路銀は溜まるはず!」

「まあその果物が無い訳だが、仕方が無いからその絵を切るか」

「ダメ!これはダメよ!」

俺は頭が痛くなってきたが、大道芸やるならその前に許可を取っているのかお前ら?俺は空間からハリセンを取り出して、近付いて叩いてから文句を言った。

「お前らいい加減にしろよな」

「誰よ!いきなり叩く何て。って一誠君じゃないどうしてここに?そ、それは?」

「何だ兵藤ではないか、叩かれたから敵かと思ったぞ。ん?それは何だ?」

俺は左手でハンバーガー、右手にハリセンを持った状態だった。俺が食べていると、目線が俺のハンバーガーへと視線が向かうから左右に振らせる。二人の目線も左右に行き来していたので、最後の一口を食った後に言った。

「さて、ここでは何だからホテルにあるレストランにでも行って話をしないか?だがその前に、署にいる知り合い刑事がいるからまずは橘刑事を呼んでからとなる。ちなみに言っておくがそれは贋作だぞ?また騙された様子と見た」

「えええええええっ!また私騙されたの?そんなぁぁぁぁああああ!」

「だと思ったよ。兵藤にあれ程言われたのにまた買うとは、だから言ったであろう。それは見た事が無い絵だと」

電話で橘刑事を呼んで説明したら、丁度逮捕されたと聞いた。この分野の詐欺事件が、まだいるから注意してくれと言われてその絵画も没収して署に戻った橘詩織刑事。俺と木場に小猫ちゃんとイリナ、ゼノヴィアは車に乗り込んだ。

近くにホテルがないか検索すると、俺がオーナーをやっているレストランがあったのでそこに行った。歩くのに少々時間がかかるので、車でホテルに向かった。俺の車は、前の座席は三人座れるから丁度いいと思いながら運転した。

ホテルの駐車場に車を停めて、全員降りた所で鍵を閉めて入口へ向かった俺達。入口についたら大反響なのか、結構混んでいたので俺は店員を呼んだ。

「いらっしゃいませー・・・・あらあらオーナーではありませんか。今日はどうしたんですか?」

「今回は客として来たんだが、個室空いてるか?五人なのだが」

「少々お待ち下さいませ」

数分後店員が来て丁度空いてたので、俺達は個室へ向かった。ここはレストランでもあるが、特別な客でしか案内しない個室がある。常連かオーナーが入れるVIPルームだが、俺達は席に座りイリナとゼノヴィアに何でも好きなのを頼めと言った。

今日は奢りだと告げてから、店員に次々と食べたい物を注文していく。木場と小猫ちゃんは、先程食べたのでドリンクを頼んだ。俺はケーキセットで、チョコレートケーキと紅茶でミルクを頼んだ。次々と品物が出てくると即効食べていたから、相当腹が減っていた様子と見る。経営してるが、今回は客として来たのでちゃんと料金は払う。

「美味い!日本の食事は美味いぞ!」

「うんうん!これよ!これが故郷の味なのよ!」

ガツガツ、とレストランで注文したメニューを腹に収めていくゼノヴィアとイリナ。見事な食べっぷりとも言えるが、ここが高級ホテルのレストランだと忘れているように見える。個室で正解だったと思った。金の事は心配ないが、俺はブラックカードで支払うから問題ない。木場や小猫ちゃんに心配されたけど、カードを見た瞬間驚愕した。一応学生の俺がブラックだからな。

「ふぅー・・・・やっと落ち着いた。まさか兵藤に救われるとは思わなかったよ」

「また騙されるとは思わなかったけど、今度から買う時は要注意だぞイリナ」

「うぅぅぅ、まさかまた騙されるとは思わなかったわ。はふぅーご馳走様でした。ああ、主よ。心優しき人間と悪魔達にご慈悲を」

胸で十字を切るイリナだったが、木場と小猫ちゃんは軽くダメージを受けたようだ。大丈夫か?

「あー、ごめんなさい。つい十字を切ってしまったわ」

てへっ、とイリナは可愛らしく笑う。普通に見る分だと可愛い子何だがなこの二人は、水を飲んだゼノヴィアは改めて俺達に聞く。

「で、私達に接触理由は?」

「俺は協力出来るが、悪魔側であるこの二人も協力したいようだ。エクスカリバー破壊に協力したいらしいよ」

俺が言った事に理解したのか、目を丸くさせて驚いていた。互いに顔を見合わせていたが、最悪天使・悪魔・堕天使の争いになるが俺は仲介役でもあるし、神の頂点でもあるから問題無いがこの場合介入は難しい。

人間側でもあるし、神側でもあるから出来るだけ戦争みたいな事は避けたいから正直面倒だ。コカビエルと戦う事は余り無いが、この際ハッキリさせた方が良さそうだが赤龍帝無しで倒すつもりでいる。

「そうだな。一本くらいは任せてもいいと思うが、本来は兵藤に任せたいと思った。破壊出来れば良い事だ、兵藤ならまだしもそちらの悪魔側は出来る限り正体はバレないようにしてくれると助かる。こちらもそちらと関わりを持っているように、上にも敵には知られたくない」

「ちょっとゼノヴィア。良いの?一誠君は良いとして、他の二人は悪魔なのよ?」

俺はいいが、悪魔側のコイツらは良いのかよ?と思った俺。異を唱えたイリナだが普通の反応だろう。

「イリナ、正直言って私達だけでは三本回収とコカビエルとの戦闘は辛い」

「それは分かるわ。一誠君は良い戦力になるけど」

「最低でも私達は、三本のエクスカリバーを破壊して逃げ帰ってくればいい。私達のエクスカリバーも奪われるぐらいなら、自らの手で壊せばいいだろう。奥の手をを使ったとしても、任務を終えて無事帰還する確率は三割だ」

「それでも高い確率だと、私達は覚悟を決めてこの国に来たはずよ」

「そうだな・・・・上にも任務随行して来いと送り出されたから、自己犠牲に等しい」

「それこそ、私達信徒の本懐じゃないの」

「気が変わったのさ。私の信仰は柔軟でね、いつでもベストなカタチで動き出す」

「貴女ね!前から思っていたけど、信仰心が微妙に可笑しいわ!」

「否定はしないよ。だが任務を随行して無事帰れる事こそが、本当の信仰だと信じる。生きて、これからも主の為に戦う・・・・違うか?」

「・・・・違わないわ。でも」

「だからこそ、悪魔の力は借りない。代わりに、兵藤の力でありドラゴンの力を借りる。上も兵藤の力を借りるなとは言っていないし、ミカエル様だって言ってたじゃないか。頼るのなら兵藤を頼れとな」

まあ確かに俺は人間であり、どこも所属してないからな。

『確かにそうだな。悪魔の力じゃなくて、ドラゴンの力とは考えたものだな相棒』

『ああそうだな。さっきまで寝てたかドライグ?』

『出番がないから寝てただけだ』

「まさかこんな極東の島国で、赤龍帝に会えるとは思わなかった。どこにも所属してないとはいえ、ドラゴンの力は健在と見ているよ。伝説通りなら、力を最大まで高めれば魔王並になれるんだろう?魔王並の力ならエクスカリバーも楽々破壊出来るだろうし、この出会いも主のお導きと見るべきだね」

「た、確かに一誠君の力を借りるなとは言ってこなかったわ。ミカエル様の盟友なら、何とかなるかもしれない。でも屁理屈すぎるわよ!やっぱり貴女の信仰心は変だわ!」

「変で結構。しかしイリナ、彼とは幼馴染だろう?信じてみようじゃないか、ドラゴンの力を」

ゼノヴィアの言葉にイリナも黙り、承知の空気が出た。あとはコイツらの承諾を得ないと。

「俺の力もいいが、コイツらも良い力になるぞ。特に木場は既に冷静だ、聖剣を見ても憎悪や殺気が無いのは分かるだろう?」

「確かに。昨日の魔剣使いは憎悪で一杯だったが、今は微塵も感じないくらい冷静だ。何かしたのか兵藤?」

「少し修行させただけだから、お蔭で憎悪や殺気は飛ばさなくなった。コカビエルとも冷静で戦えるだろう」

商談成立したので、俺は地図を出してペンで丸をした所を何回もしてイリナ達に見せた。

「この丸は神父が殺害場所となったが、イリナとゼノヴィアは知ってるよな?」

「ええここ数日、神父やエクソシストが殺害されているわ。でもそれとどう関係があるの?」

「この前木場を車で送ろうとした途中で嫌な予感がしてね、外へ出たら神父が殺害された後を見た。相手はフリード・セルゼンだったが、コイツの名を知っているか?」

「フリード・セルゼン・・・・元ヴァチカン法王庁直属のエクソシスト。十三歳でエクソシストとなった天才で、悪魔や魔獣を次々と滅していく功績は大きかったわ」

「だが奴は余りにもやり過ぎた。同胞すらも手に掛けたからね、フリードには信仰心何てものは最初から無かった。あったのは化け物への敵対意識と殺意だけで、異常なまでの戦闘執着。異端にかけられるのも時間の問題だった」

「フリードは奪った聖剣を使って、お前らの同胞を手に掛けていたようだな。恐らく処理班が始末出来なかったツケを俺らが支払うとは思わなかったが、もう一つ情報がある。聖剣計画に関わってた者が今堕天使側にいるぜ木場」

「・・・・そいつの名前は?」

「バルパー・ガリレイ『皆殺しの大司教』と呼ばれた男だ。だが木場、一つだけ言っておく。聖剣計画があったから、聖剣使いの研究は飛躍的に伸びたとも言えるだろう。二人が聖剣と呼応出来たが、計画失敗で被験者達を全員始末されたいうのは俺も許されない所だ」

木場の瞳には、新たな決意が生まれたと同時に、冷静になって思考の海に入ったようだ。俺がそう告げたらイリナは困ってる様子だったので、ゼノヴィアが言った。

「その事件は、私達の間でも最大級嫌悪されたものだ。処分を決定した当時の責任者は、信仰に問題があるとされて異端の烙印を押された。そいつが先程兵藤が言ったバルパー・ガリレイだ」

今はフリードだが、また駒王町に潜伏してエクスカリバーで神父を殺害し回っているのだろう。俺は外に出て電話した。相手は勿論橘刑事で、もし神父がまた殺害されたら犯人は俺達が捕まえると言ったら任せますとな。どうやらあちらも困っている様子だったし、今聞くと神父はどれも斬られて殺された跡があったと知った。

フリードめ、奪った聖剣を玩具みたいに使って教会関係者の神父や同胞達を殺している事は万死に値する。電話を切って、部屋に戻るとケーキを食べていた皆がいた。どうやら仲良くなったらしいが、俺もケーキをもう一個頼んで食べていた。

「と言う事で、これからはエクスカリバー破壊の共同戦線と行こうか」

俺は名刺を取り出して、イリナとゼノヴィアに渡した。そしたらイリナとゼノヴィアは、ペンを取り出すと何かを書いて俺に渡した。どうやら電話番号のようだった。

「何かあったらそれに載っている番号にかけてくれ。すぐに現場まで行こう」

「ああ。ではそういう事で、食事の礼はいつかさせてもらうぞ。赤龍帝の兵藤一誠」

席を立とうとしたので、一度止めて座らせた。少し待ってろ、と言って外に出て近くにある銀行に行って金を封筒に入れてから再度ホテルの個室に行く。

「この封筒を持っていけ・・・・今のお前達は路銀ないだろう」

ゼノヴィアが封筒の中身を確認したら、目を見開いて言った。

「兵藤、この額は何だ!とてもじゃないが受け取れないぞ」

「いくら入っていたのゼノヴィア?」

「・・・・百万だ」

イリナも、と言うより木場と小猫ちゃんも驚愕して俺を見た。

「お前達は今、金と言う路銀が無いだろう?前金として取っておけ、後日また送ってもいい。受け取れないのであれば、ここの食事代を払ってもらうが」

イリナとゼノヴィアは、土下座をしていつかこの恩を返すと言ってきた。俺は断って部屋を出た。

「食事ありがとうございました一誠君・・・・また奢ってくれると嬉しいよ。路銀まで貰える何て思わなかったよ。ああ主よ。この友人にお慈悲を」

俺はカードで支払った後、車で送ってさっきまでいた場所へとに送り返した。その後、小猫ちゃんと木場は車に残って近くの公園まで行った。降りた後、ベンチに座り込む木場と小猫ちゃんにソフトクリームを奢ったら静かに聞いてきた。

「一誠君ありがとう。でも何故こんな事をしたんだい?」

「仲間であるお前をほっとけないし、お前は一時的に俺の弟子だから弟子の気持ちぐらい理解するさ」

そう言ったら納得した表情になっていたが、やはりかと思いながらソフトクリームを食べ終わった。そこへ小猫ちゃんが口を開く。

「・・・・祐斗先輩。私は先輩がいなくなるのは・・・・寂しいです」

少しだけ寂しげな表情を小猫ちゃんが浮かべる。普段無表情だが、黒歌がいるだけは良い表情をしてくれる。

「・・・・お手伝いします・・・・だから、いなくならないで」

「・・・・っ!?」

小猫ちゃんの訴えだが、可愛い訴え方だなと思いながら木場は困惑しながらも苦笑いしていた。

「ははは参ったね。小猫ちゃんにそんな事を言われたら、僕も無茶は出来ないよ。今回は、皆の好意に甘えさせてもらうよ。一誠君のお蔭で、真の敵も分かったしね。やるからには、絶対にエクスカリバーを破壊する。と言っても、一誠君は持ってるけどね、エクスカバー」

木場もやる気になったが、俺的には複雑だ。聖剣エクスカリバー持ってるし、真のエクスカリバーより強いと思う。小猫ちゃんも安堵したのか小さく微笑んだのだった。それと聖剣計画は、カトリック教会が秘密裏に計画したもんだ。

聖剣に対応した者を輩出する為の実験が、とある施設で執り行われていた。被験者は剣に関する才能と神器を有した少年少女で、木場もその一人だった。非人道な実験を繰り返すから、散々実験を繰り返され自由を奪われ、人間ではなくただの実験動物のような目で見ていた。

『それが聖剣計画と言われた非人道的な計画の全貌か』

『そう言う事だドライグ。被験者達は皆、夢が有り生きていたかった者や神に愛されていると信じ込まされて、ひたすらその日が来るのを待ち焦がれたのさ』

『特別な存在になれると信じて、聖剣を使える者になれるとずっと悪さをした大人に仕込まれたのか』

『そう言うオチであるが、毎日聖歌を口ずさみながら過酷な実験に耐えてきた結果が処分となった。聖剣に対応できないだけという理由でな、木場以外の者は死んだし殺されてた。神に仕える者として、誰も救いの手が差し伸べる事はなかった。少年少女達は生きながら毒ガスを浴びて、一気に処分しようとする大人がいた。「アーメン」と言いながら殺人を犯した輩だ』

『毒ガスとはな、血反吐を吐きながらもがき苦しむだろう。だがあの「騎士」は研究施設から逃げ出したんだろう?毒ガスは体の中を蝕みながら、生きる希望を探していたんだろう。能力が平均以下の被験者は用無しとして処分されたが、偶然にもリアス嬢に会ったと聞いたが』

『ああそうさ。木場が死ぬ寸前、イタリア視察に来ていたリアスと出会った。同志達の無念を晴らすのであれば、彼らの死を無駄にしないで今を生きていつかエクスカリバーよりも強い剣士となれ。とまだ俺が兵藤一誠と名乗る前の時だった』

ここではまだ話さないが、物語が良い所で進めばきっと木場がどういう状態で発見されたかはもう少し日付が経たないとな。俺とドライグが念話をしていた時、まだ小猫ちゃんと木場が会話していたので俺らは一旦人間界本家へ戻ろうと言った。そして作戦を立ててから、対エクスカリバー戦へ向けて俺達の戦いが始まった。 
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