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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第7章 大魔闘演武編
  すれ違った時間の分だけ

夕方・・・


「か・・・は・・・がっ、ああ・・・!!!」

「「・・・・・・。」」

「うわー、痛そうー・・・。」

ナツさんの体には魔法陣が描かれており、ものすごい激痛である。
しかし実は、これが 第二魔法源(セカンドオリジン)を得る為のであるのだ。

「ぎぃいいいいい!!!ぎゃああああああ!!!!おおおお!!!!」

尋常ではないな・・・・・・これ・・・。

「服・・・脱がなきゃ魔法陣・・・描けねーのかなァ?」

「あんたはそれ・・・心配しなくていいんじゃない?」

グレイさんの言葉に突っ込みを入れるルーシィさん。

「頑張って。潜在能力を引き出すことは、簡単じゃないのよ。」

ウルティアさんはそう言う。

「う、が、あぁ、あああ!!!!」

「ちょっと・・・あれ大丈夫なの?」

ナツさんの様子を見て、心配するルーシィさん。

「どんだけの痛みなんだよ」

「感覚連結(リンク)してみる?」

「ふざけんな!!」

グレイさんとメルディさんがそんな話をする。
あれ?ジュビアさんがなんか喜んでいる顔をしている・・・何故?

「私達も・・・アレ・・・やるの?」

「泣きそうです・・・。」

不安がるレビィさんと俺に抱き付き泣き出すウェンディ。
俺は優しく頭を撫でる。

「「お・・・俺らには関係ねえし、帰ろうかな。」」

「待てコラ。」

闇分身を出し、2人の手首を握る。

「アンタらもやったらどうだ?3ヶ月やってなかったんだろうし。」

「い、いや・・・」

「そんな事は・・・」

「これやるか、本体の方との修行するか、どっちがいい?」

「「ひぇーーー!!!!」」

逃がしはしない。

「そういえばエルザは?」

「いつの間にかいなくなってるよ~?」

「ジェラールと2人でどこか行ったよ。」

「ああ。話があると。」

シャルルとミントの言葉にハッピーと俺がそう言う。

「2人で!!?」

1番反応したのはジュビアさんだった。

「そういうことならジュビア達も!」

「どーゆー事だよ。」

ジュビアさんはグレイさんを連れて行こうとするが、すぐに逃げられた。
今度はメルディさんがグレイさんとジュビアさんを見て笑っていた。
仲がいいのかな・・・?

「エルザ・・・」

「大丈夫かな・・・。」

ルーシィさんとハッピーがそう言う。

「・・・・・・。」

「おーい。」

闇分身が俺を呼んだ。

「どうした?」

「全然相手にならねえ。」

闇分身はもう、ジェットさんとドロイさんと戦ってみたが、
2人はもうボロボロ・・・・・・修業をしていればいいモノを・・・

「じゃあ、もうちょっと相手しておいてくれ。」

「わかった。」

「僕もするー!」

シャンディーも2人の相手をするようだ。

「(ジェラールには・・・一応言ってはおいたけどな・・・)」

俺は心の中でそう思うのだった。





























少し前の事・・・


「ジェラール。」

「何だ?」

「エルザさんの事ですが・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・時には、正直に言う事も大事ですよ。」

「・・・!」

「俺・・・それしなかったら、ウェンディと、
 恋人になれなかったかもしれないから・・・ちゃんと言った方がいいですよ?」

俺はジェラールにそう言うのだった。
ニルヴァーナの時に、そんな感じがしたからだ。

「・・・・・・すまない。」

ジェラールはそう言い、どこかへ行った。
エルザさんと一緒に・・・


























「大丈夫・・・・・・だよな・・・。」

俺は心からそう願うのだった。

































一方・・・



「・・・・・・。」

砂浜で、ジェラールとエルザは2人きりであった。

「記憶が戻ったといったな、ジェラール。」

「ああ。」

「それはつまり、シモンの事も・・・」

「・・・・・・俺が殺した。」

シモンとは、エルザの昔の仲間で・・・ある理由でエルザをかばって死んだ。
そして・・・シモンを手にかけたのはジェラールであった・・・。

「ニルヴァーナの時の事は?」

「覚えているよ。記憶を無くした自分・・・という感じで覚えている。
 不思議な気分だ。」

「私は昔のお前だと思って接していいのか?」


「そうしてもらえたら嬉しいが・・・シモンの件もある。
 俺とは距離を置いてくれて構わない。」


ジェラールの言葉にエルザは複雑な表情で目を伏せる。
ジェラールも悲しげな表情をしていた。

「お前がシモンの敵を討ちたいと望むなら、俺は命を捨てる覚悟もある。」

「シモンがそんな事を望むと思うか?闇ギルドを殲滅する為のギルドを立ち上げた。
 それがお前の罪滅ぼしであり、お前の覚悟だろ?」

「・・・よくわからないんだ。」

「何だと!?」

ジェラールの言葉に驚くエルザ。

「確かに最初は罪滅ぼしのつもりで魔女の罪(クリムソルシエール)を作った。
 だけど俺が楽園の塔でしてきた事は、とても償える罪じゃない。
 俺は何の為にこんな事をしているのか? 思考の迷宮から抜け出せない。
 ・・・・・・俺はやはり死ぬべき人間なのかもしれない・・・。」


ジェラールがそう言った瞬間・・・







パン!!







エルザがジェラールの頬をはたいた。

「何を腑抜けた事を言っている。」

「お前ほど強くないんだ、俺は・・・。」


「強くなければ生きていてはいけないのか?違うだろ!!!
 生きていく事が強さなんだ!!!!お前は昔のジェラールじゃない!!!!
 生きる事に必死だったあの頃のジェラールじゃない!!!!」

「そうかもな。」

「貴様!!!」

ジェラールの態度に我慢できず、エルザは胸倉を掴む。


コッ


だがその際、小さな岩に躓いてしまう。

「!」

「エルザ!」

前のめりに倒れそうになるエルザを受け止めようとするジェラールだった。


ぐらっ


「うあ・・・!!」

「あ・・・!」

しかし、受け止めきれずに、後ろにあった転げ落ちていってしまう。
そして、ジェラールがエルザを地面に押し倒すような形で止まっていた。

「お前の言葉はいつも正しい。」

「そんな事はない・・・不器用なりに精一杯生きている。それだけだ。」

「エルザ・・・。」

「もう・・・会えないかと思っていた・・・。」

エルザは片手で顔を覆うが、一筋の涙を流していた。

「ジェラール・・・。」

「・・・・・・。」

ジェラールは・・・・・・迷っていた・・・・・・。

「(魔女の罪(クリムソルシエール)の掟・・・光の道を進むものを愛してはいけない・・・
 みんなで決めた事だ・・・・・・決めた事だ・・・・・・。)」

ジェラールは心の中でそう思い、この後どうするかを考えていた。

「(俺は・・・・・・お前が幸せならそれでいい・・・・・・だから、俺は・・・)」






































「時には、正直に言う事も大事ですよ。」





























「!」

コージの言葉を思い出すジェラール。

「(・・・お前に感謝する・・・コージ)エルザ・・・。
 俺は・・・・・・お前が好きだ。」

「・・・ジェラール。」

「・・・だが・・・。」

「?」

魔女の罪(クリムソルシエール)には掟がある。
 光の道を進むものを愛してはいけない・・・みんなで決めた事だ・・・
 だが・・・この気持ちだけは・・・抑えれない・・・。
 こんな俺を・・・・・・許してくれ・・・。」

「・・・・・・馬鹿者・・・何故謝る。」

「・・・・・・。」

「私も。」

「?」

「私もお前が好きだ////」

エルザはそう言うと、頬が赤くなる。

「エルザ・・・。」

「・・・・・・ん。」


ちゅ


「//////////」

「・・・少し、恥ずかしいな・・・//////」

「そう、そうだな・・・・・・うむ・・・/////」

「・・・・・・ありがとうエルザ。」

「何を言うか・・・。」

2人の顔は少し笑っていたのだった。






































夜・・・


「「「「「「ああああああああああっ!!!」」」」」」

「おお・・・お・・・。」

「あああ・・・。」

「ううう・・・。」

「ぎゃああああ!!」

「あーん!!!」

近くの小屋で、ナツさん達は例の魔法陣を描かれ、苦しんでいた。

「おかげ様で、皆動けそうにない。」

「痛そうだね・・・。」

「ウェンディ・・・・・・何もできない兄を許しておくれ・・・・・・。」

エルザさんとシャンディーは思った事を言い、俺はウェンディに謝るのだった。

「何でアンタらは平気なの?」

ウルティアさんがそう言う。俺とエルザさんも魔法陣を描かれたが、
何も起きなかったのだった。シャンディーはやらなかった・・・
まぁ、きっと俺達と同じだけども・・・。

「ギルドの性質上、一箇所に長居はできない。俺達はもう行くよ。」

ジェラールはそう言い、フードを被った。

「大魔闘演武の謎の魔力の件、何かわかったら鳩で報告して」

「はい。」

「了解した。」

メルディさんの言葉に俺とエルザさんは頷く。

「競技の方も陰ながら応援してるから、頑張ってちょうだい。」

「本当は観に行きたいんだけどね。」

「変装していく?」

「やめておけ。それじゃ、また会おう、コージ、シャンディー
 ・・・・・・そして、エルザ・・・。」

「・・・ああ。」

「バイバーイ!」

「うん、バイバァーイ!」

「皆によろしくね。グレイの事も、お願いね。」

「わかりました。」

ジェラール達はそう言い、その場から去って行く。俺達はそれを静かに見送った。




































「謎の魔力・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)のみんなに危険がなければいいが・・・」

エルザ達と別れたジェラール達は、途中で見つけた洞窟で野宿をしていた。

「ま・・・あの子達なら何とかしちゃうかも・・・って期待もあるのよね。」

「うん。」

ウルティアの言葉にメルディは頷く。

「それよりさジェラール。エルザとのキスはどうだったの?」

「!!?見ていたのか!!!??/////////」

メルディの言葉にジェラールは顔が赤くなる。

「シャンディーって子から聞いたの。」

「ばっちり見てたってさ。」

「いつのまに・・・・・・」

「でもいいんじゃない。少しは自分に優しくしても?」

「本来“罰”こそが魔女の罪(クリムソルシエール)の掟だ。
 光の道を進むものを愛してはいけない。・・・だが・・・。」

「「?」」

「コージのおかげで・・・少し素直になった・・・。」

優しい表情そう言うジェラール。

「じゃあこれから、エルザの好きなところを聞いて行きましょうか。」

「そうね。一応罰と言うことで。」

「な・・・っ。」

この後ジェラールはどうなったのかは、ウルティアとメルディのみしか知らない・・・・・・。



































「ジェラール・・・。」

エルザさんは夜空を見上げて、ジェラールの名前を言った。

「ねえねえエルザ、ジェラールとのキスはどうだったの?」

「!?」

「!!?/////////////」

ジェラールとキス!!?

「な、ななななな何を言っておるか!!!!!///////////」

「僕見ちゃったんだよぉ~。2人が熱いキスをするところをぉ~。」

「あ、ああああ熱い、ききき、きききききききき、キスではない!!!
 普通のキスだ!!!はっ!!!」

エルザさん・・・墓穴掘りましたね・・・キスをした事を認めていますよ、それ。

「わ、忘れろーーーーーーーーーーーーーー!!!!!/////////」

「わあーっ!逃げろーーーー!!」

エルザさんは剣を出し、シャンディーを追いかけるのだった。

「やれやれ・・・。」

俺は呆れつつ、エルザさんとシャンディーを見るのだった。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。今回原作ブレイクし、ジェラエルをよくしました。
大魔闘演武編でまた出てくると思います。
次回も早く出せれるように頑張ります。お楽しみに~!! 
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