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『ある転生者の奮闘記』

作者:零戦
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TURN29






「駆逐艦また一隻撃沈されましたッ!! あぁ巡洋艦B17沈没ッ!!」

 CORE艦隊旗艦ゴルゴディオンの艦橋にCOREオペレーターの悲鳴のような報告が次々と入ってくる。

「小癪な……人間め、我々COREに逆らおうと言うのかッ!!」

 艦長席に座るトルーマンが吠える。

「更に戦艦A20沈没ッ!!」

 CORE艦隊の被害が減る事は無かった。




――南遣方面艦隊旗艦摩耶――

「敵駆逐艦更に二隻撃沈ッ!!」

「……何とか順調のようやな」

「これが戦争……ですか」

 俺の傍らには付であるシャルロットがいる。

「まぁな」

「長官、拡散モードは最後までですか?」

「あぁ、CORE艦隊が全滅するまでや。それまでは撃ちまくれ」

「了解、主砲拡散モードそのまま」

 主砲のビーム弾は収束モードと拡散モードがあるが、この場合には拡散モードで展開している。

 拡散モードにしておけば、速射の短砲身型主砲で十分や。拡散モードやと、ビーム弾は途中で何十にもエネルギーが拡散して敵艦にダメージを与え続けていく。

 ヤマトの拡散波動砲の縮小版と思ってもらえばええと思う。

 COREに現状で勝てるのは撃たれる前に先に撃つ事と速射、そして弾幕のような砲撃戦しかないと思う。

 航宙戦だと向こうの方が有利やしな。

「ロンメル元帥より通信が来ています」

「分かった。通信パネルに」

『やぁ狹霧長官。危ないところをありがとう』

「いやいや、同盟国のピンチでしたし急いで来ましたよ」

『そちらの主砲は面白い仕掛けをしているね』

「いえいえ、こういうのは直ぐにアドルフ総統も思い付くと思いますよ」

 俺はロンメル元帥にそう言った。

『此方も参戦しよう。損傷艦艇は後方に回して残存艦艇で編成をした』

「分かりました。なら最後は三国でやりましょう」

 後方からドクツ、イタリン艦隊が接近してくる。CORE艦隊は既に満身創痍の感じやな。

「一応降伏勧告してみるか」

「そりゃあ構いませんけど……」

 一応降伏勧告をしてみるが、通信が来た。

『……愚かなる人間よ……』

 そこには、原作と同じ姿のトルーマンがいた。

「素直に降伏する……わけないな」

『降伏するのは貴様らだ。我が貴様らを救済してやろう……』

「今の状況を見て言える立場か殺戮野郎? 貴様らがやっているのは救済でも何でもない。ただの狩りや」

『愚かな……愚かな人間よ……』

「通信を切れ」

 そして通信は遮断する。ま、無理なのは最初から分かってたけど一応元人間やしね。

「レーダーは他にCORE艦艇はいないな?」

「はい、確認出来るCORE艦艇は十七隻だけです」

 なら……やるか。

「全艦一斉撃ちぃ方始めェッ!!」

 三国艦隊同時に砲撃が開始されると、残っていた十七隻のCORE艦艇にビーム弾やレーザーを命中させていく。

 そして最期まで抵抗した巡洋戦艦ゴルゴディオンは多数のビーム弾の命中を受けて爆沈していくのであった。




「何? トルーマンがやられただと?」

 部下からの報告にキングコアはそう驚いた。

「驚いたな。教祖様を殺すような人間がいたんだな。若しくはCOREの弱点を突かれたかだな」

 キングコアはそう言いながらプリンセスを犯す。

「まぁいい。邪魔立てする奴等は全てこのバージニアで破壊してやろうじゃないか」

 キングコアは既にバージニアを発見してワシントン星域内でバージニアを試験的に動かしていたのだった。

「これでトルーマンを殺した奴に会えたらこう言ってやろう。『よぅ、俺を殺すならこいつを倒してからだ』とな」

「それはいいぜキングコアッ!!」

 キングコアの言葉にCORE達は笑いあった。



「そうか……狹霧が大西洋方面に侵攻したCORE艦隊を破ったか……」

 報告を聞いた東郷長官は笑う。

「狹霧と平賀夫婦が組めばCOREに勝てそうな気がするよ」

 東郷長官はそう苦笑する。

「それで南遣方面艦隊は?」

「は、ドクツとイタリン艦隊と合同でアンドロメダ星域を解放して伊勢志摩星域に向かっているとの事です」

「そうか、エイリスは?」

「セーラ女王もモントゴメリー艦隊が壊滅させられるのは思っても見なかったらしく、艦隊の編成に手間取っているようです」

「最悪の場合は女王自らの出撃だな。まだロレンス騎士提督もいるがそれも出撃だろうな」

 東郷長官はそう呟いた。老いた世界の帝国は死に絶えそうになっていた。

「まぁ狹霧が活躍するならそれでいい。此方もそろそろカードが揃った」

 日本、ガメリカ、ドクツ、イタリン、エイリスは共闘という形でCOREと戦おうとしていた。

「早く終わらしたいものだな」

 東郷長官はそう呟いたのであった。





「これは酷いの一言しかないな……」

 俺は地上の映像を見てそう思った。隣ではシャルロットが顔面蒼白して手を口に押さえている。

「生命反応は?」

「……駄目です。感度は最大にしていますが反応はありません」

 伊勢志摩星域は完全に死の星域化としていた。

「イスパニア王国の代表は?」

「は、僅かながらの艦艇がいますので自分達でやっておくので先に進んでほしいと……」

「……分かった。エイリス艦隊はまだみたいやな、ワシントン星域の状況はどうや?」

 三国艦隊は伊勢志摩星域に到着すると無人機をワシントン星域に多数送り込んでいた。

「無人機からの偵察結果ですが、COREはいないそうです」

 この時、キングコア達のCOREはUSJ星域に到着していた。

「……強行偵察になるけどワシントン星域に向かおう。ドクツ、イタリン艦隊にそう伝えろ」

「了解しました」

 そして南遣方面艦隊だけでワシントン星域の強行偵察へ向かった。







 
 

 
後書き
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