ハイスクールD×D~赤龍帝と覇龍~
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第七話
昨日の一軒の後、緋奈鞠に住む場所はどうしたと聞いたところ、どうやら俺の家らしい。つまり半強制的にアイツとの同棲が始まることとなった……嫌な予感はしてたんだけど、まさか本当だとは思わなかった。
傍から見ればウチの男子生徒が発狂死するような事態なんだろうが、どちらかと言えば俺に負担が書かる。主に経済的な意味とか色々…うん、色々…。
まぁとりあえず緋奈鞠と住む事になりましたとさ、全くめでたくない。
そんなわけで本日はコイツの日用制品と食材の買い出しな訳なんだが……。
「……オイ」
「ん?なんだそんな心底疲れきっているような表情は」
「あぁ疲れてるよ九割九分お前が原因だ」
「…つまり一日中私の事を考えて色々手につかないという事か、成程」
「んなわけあるか、お前がやりやがった所業のせいで教室に居づらいわこのど阿呆」
「ならそれを解決する方法があるぞ?」
「…期待はしないが一応聞いてやろう」
コイツから録な回答が返ってくる予感は微塵もしないがな。
「正式に私と付き合えば万事解決だ!」
「期待しないで正解だった!」
案の定と言うべきか最早パターン化してる気が…いや、別に付き合うのが嫌なワケじゃない。ただまだフリーで居たいと言うか、本当に俺で良いのかとか諸々含めて踏ん切りがつかないようなそんな感じ。そりゃ女の子は好きだけど恋愛云々と言われるとなぁ……。
「むー…そんなに私が嫌いか?」
緋奈鞠はむくれた表情を浮かべ、腕を絡ませる。それと共にふっくらとした柔らかい感触が腕から伝わる。
「…言っとくが、色仕掛けは通じんぞ」
「私がこうしたいだけだ、このぐらい許せ。
…一応言っておくが、君が振り向いてくれるまで私は諦めんからな?女は火がつくと恐ろしいとでも言っておこうか」
緋奈鞠は若干不敵な笑みを浮かべそう言った。
「はいはい、せいぜい頑張ってくれ……ん?アイツもしかしてイッセーか?」
話題を逸らすために何かないか探しているとイッセーらしき姿を見つけた。
「と、何やら金髪少女が一緒だな。…もしやロリコンか?」
アイツに限ってそんな訳…ないよな?俺信じてるよ幼女に興奮するような度し難い変態じゃないって事信じてるよ、多分。
「服装からして修道女のようだが…暁斗、時に聞くが彼は悪魔なのか?」
「無論そうだが?」
「…いや、なんでもない。さぁデートを再開しよう、無論昼食付でな。嫌とは言わせないぞ?」
「分かった、分かったから胸を押し付けんな恥を知れ馬鹿者ォ!」
誰かコイツに恥じらいと言う言葉を叩き込んでやって下さい。あと財布がちょっと軽くなりました。
◇
「二度と教会に近づいちゃダメよ」
ある日、編入の手続き関連で少し遅れ、部室に入ろうすると部屋の中からリアスが何やら怒っているような言葉が聞こえてきた。
……まぁ、教会と言うワードが出た時点で予想は大方当たっているだろう…。
とりあえず中に入らない事には何も始まらない、ドアノブを回し部室の中へと入る。
「すまない、編入の件について立て込んで遅れてしまった」
「あら…?暁斗君はお休みですか?」
「いや、バイトがあるからと部長に伝えてくれて言われてな」
まぁ8割方私のせいだが許せ暁斗。
「そう…この際、アキトにも教えておこうと思ったのだけれどアナタが居るから大丈夫ね、恋人さん」
「…そうだったら良かったんだけど実際は、って感じだ…悲しい事に」
「えっ、キスまでしたって聞いたわよ!?カップル成立したって噂まで出てるのよ!?」
その噂通り行けば万事解決だったんだがなぁ……どこで計算間違ったんだ私……。
「つまり、私にもまだチャンスがあるって事かしら?」
「あ、朱乃さん!?」
さっきまでだんまりだったロリコン疑惑のイッセー少年も思わず反応してしまった。おかしい、朱乃嬢のその発言は私の計算外だ…暁斗、お前はいつの間に攻略したんだこのお淑やかおっぱいお姉さんを。
「ふふふっ、冗談よ?半分は、ね?」
…帰ったらふて寝してやる。全部暁斗の責任にしてふて寝して困らせてやる…。
「と、とりあえずその話はここまでにして本題に戻りません?」
そうだな…私が一方的に悲しくなるだけだからな…木場、助かる…。
「そうね…とにかく、教会には何があっても一切近付かない事、分かったわね」
「は、はい…」
「…手厳しいと思うかもしれんが、下手をすればキミは既に殺されてもおかしくない状況だったんだ。犬死をしたくなければ、素直に聞き入れる事だな」
「了解っす」
…まだ若干腑に落ちない表情はしてるが、こうでも言わなければ利かないだろうな…だが今は我慢してくれ、ここで君の死体を見たくはない上に暁斗が一番にそれを望まないしな。
「あらあら、お説教は済みました?」
「…朱乃嬢、いきなり後ろから抱き着くのは少し驚くのだが……」
「嫌だったかしら?それなら止めるけれども」
嫌というわけじゃない。背中に当たる柔らかい感触が脅威なだけであってそれ以外は全然構わないのだが……。
「暁斗君が居ないからその分、緋奈鞠さんに悪戯しようかな〜って…いい香りねぇ」
「ちょっ、どこの匂いを嗅いで…ひゃうっ」
首筋をなぞるように匂いを嗅いでおり、思わず変な声が出てしまった……アレか、もしや朱乃嬢はそういう性癖なのか…!?
「コラ朱乃、後輩が可愛いのは分かったけどそろそろ止めておきなさい。変な誤解が生まれる前にも」
「あら、女の子同士のスキンシップよー?それに私はそういう性癖はないわよ?」
……女の子同士のスキンシップの度合いは個人差があるのか…朱乃嬢のは若干危ない気がするようなしないような…。
「で、何か用があったんじゃないの?」
「あら、すっかり忘れてましたわ…大公から討伐の依頼が届きました」
討伐依頼の話を聞いたリアスは一瞬表情を曇らせた。
「…暁斗にも連絡を?」
「…えぇ、お願いするわ。あの子の実戦能力を確かめるにもいい機会だわ」
「了解した」
私個人としては予定外ではあるが、討伐依頼を受ける事となった。
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