転生とらぶる
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Fate/stay night
1102話
前書き
20時に番外編を投稿予定です。
新都とかいう場所で適当に服を買うべく店を探す。……が、当然まだ午前9時にもなっていない時間帯に開いている店はそれ程多くない。
その為、結局俺と凛は2人揃って近くのファーストフード店で時間を潰す事になった。
「どう? 食べた覚えがある? アークエネミーが近代の英霊なら、多分ハンバーガーくらいは食べた覚えがあると思うんだけど。あんたって、見るからに西洋人っぽいし」
これも優雅にと言うべきなのか、安さが売りのハンバーガー店ではなく、ある程度高い値段のハンバーガー店で、周囲に客がいないのを確認してから凛がそう尋ねてくる。
ちなみに俺の前にあるのは、ロースカツバーガーとフライドポテト、シェイク。凛はシェイクのみ。
最初は朝食食べたばかりなのに! と怒っていた凛だったが、俺の黄金律があるのを思い出したのだろう。すぐに怒るのを止めて、諦めたように俺の分の金も払ってくれた。
……けど、これって傍から見れば、学校をサボってデートをしている学生が女に金を払って貰っているって事になるのか?
そう考えれば、店員の俺を見る目が少し冷たかったのも、納得出来ない訳でもない。
まぁ、凛は俺がそう言ったら顔を赤く染めて怒っていたけど。
「そうだな、食べ覚えはある……と思う。ただ、これが俺の実体験から来るものなのか、それとも聖杯からの知識によるもなのかは分からないな」
「結局そこに行き着く訳ね。うーん、正直あんたってばステータスとかスキルを見れば十分過ぎる程に強いんだけど、どういう英霊だったのか分からないから、戦いの時に使いにくいのよね」
「格闘がメインだって言っただろ? なら普通に俺が前衛、凛が後衛でいいんじゃないのか?」
その俺の言葉に、凛はシェイクへと口を付けながら小さく頷く。
「確かにそれが一番オーソドックスな戦い方なのは間違いないんだけどね。けどアークエネミーの強さが分からないと、微妙なのよね。これがセイバーとかランサー、アーチャーみたいに特徴がはっきりとしているクラスなら、まだ戦い方は簡単に予想出来るんだけど……イレギュラークラスだしね」
チラリと俺の方を見て告げてくる凛だが、こういう時に勿論俺が言い返す言葉は決まっている。
「誰かさんがきちんと召喚の儀式をやっていれば、俺も記憶を失わずに済んだんだけどな」
「うー……」
それを言われると言い返せないとばかりに黙り込む凛。
その時、不意に店の中に流れている音楽が変わる。
……うん? そう言えば今まで全く気にしてなかったけど、凛の家って静かだよな?
「なぁ、凛?」
「……何よ。まだ私を言葉責めし足りないの?」
「言葉責めって……また人聞きの悪い事を。じゃなくて、お前の家TVとか点けてなかったけど、どうしたんだ?」
TVがあるのは確認している。……ただし、凛は全く使おうとはしていなかったが。
食事の時にTVをつけないというのはそういう習慣だと言われれば分かるけど、それ以外でもつけているのを見た事がなかった。
「むっ、そ、それは……ま、魔術師たるもの、機械とかはあまり使わないのよ!」
「いや、魔術師であってもTVくらいは普通に使うだろ」
「……しょうがないじゃない。何だか私が触ると壊れたりするんだもの」
「ああ、機械音痴か」
その言葉に呻く凛。
どうやら本当に機械の類は苦手らしい。
そんな風に話をしていると、やがて1時間程が過ぎて午前10時過ぎとなり、店へと向かう。
立ち寄ったのは、個人でやっていると思われる服屋。
「すいません。動きやすさを重視して、彼に似合いそうなものを1式1万円前後でお願いします」
「はい、お任せ下さい」
そう告げ、店員は殆ど迷う様子もなくズボンや上着といったものを揃えていく。
迷いのなさは、さすがに本職というべきか。
そのまま準備を済ませ、俺の着ていた服は紙袋に入れて貰って着替えは完了。
「はい。終わりました。それにしても彼氏さん、格好いいですね。お客さんも美人ですし、お似合いの恋人同士ですよ」
「こっ!? ……いえ、残念ながら彼は私の友人であって、恋人ではないので」
「残念なんだ」
凛の言葉に思わずポツリと呟くと、一瞬物凄い目で睨み付けられた後で、思い切り足を踏まれる。
サーヴァントの為か、痛くはないんだけどな。
ただ、照れ隠しに笑みを店員に向けながら足の甲を踏みにじるのは色々と怖いので止めて欲しい。
ともあれ、店員に見送られながら俺と凛は店の外に出る。
「それで? 俺の恋人の凛ちゃんは、次に俺とどこでデートしたいんだ?」
「あんたね……令呪を使ってその減らず口を利けないようにした方がいいのかしら?」
「こんな事で令呪を使うなよ。全く、初心な奴だ」
「私はあんたと違ってそっち方面ではだらしなくないの!」
「……だらしない?」
いきなり凛の口から出てきた言葉に、思わず首を傾げる。
俺が女にだらしないようなところなんて、あったか?
「い、今までのやり取りで何となくそう感じただけよ。それよりほら、あんたの服を買っていて時間を無駄にしたんだから、さっさと次に行くわよ。まずは、この新都の中でももっとも曰くがあって、かつ戦うのに丁度いいと思う場所からね」
そう告げ、凛は俺を置いてずんずんと先へと進んでいく。
小さく溜息を吐き、俺は凛の後を追う。
「ここは……」
目の前に広がっているのは、公園。そう、公園と表現してもいいだろう。
だが、公園であるにも関わらず周囲には人の姿はない。
まだ朝だから……と思おうとしたが、既に時間は午前10時30分を過ぎている。
聖杯から与えられたであろう日常生活の知識によると、このくらいの時間であれば普通に親子連れとかが遊びに来ていてもおかしくないんだが……そんな様子は一切ない。
確かにこの公園なら、戦うには十分過ぎる程の場所だろう。
「10年前にここで大火事があったのよ。それも、この周辺をまとめて焼き尽くすような」
「……なるほど。確かにゾッとしない場所だが、戦うという意味ではこれ以上ない場所だろうな」
「そうね。ただ、私としてはここであまり戦いたいとは思わないけど。……次に行きましょ、次」
そう告げられ、新都の色々な場所を見て回る。
基本的にはさっき公園で話を聞いた大火事により、殆どが燃やし尽くされた場所にここ10年で一気に発展してきたのがこの新都と呼ばれている場所らしい。
それだけに、戦いを行うとなると派手な戦いを隠すのは難しいと思われる。
……まぁ、俺の戦闘スタイルが格闘で前衛兼後衛の凛に対しての魔力供給役なのを考えると、寧ろ俺にとっては楽な場所なのか。
剣や槍、弓といったものを使った戦闘に比べると、生身の格闘の方が周囲に見られても怪しまれないし。
もっとも、普通のサーヴァントなら霊体化出来るのを考えると、そこまで秘匿に関しては心配いらないんだろうな。
その戦闘で壊された周囲の物とかは残るんだろうけど。
そうしてめぼしい場所の殆どを見て回った俺と凛は、最後の仕上げとばかりに新都の中でも高いビルの屋上へと出る。
「どう? 今日1日戦場となる場所を見て回った感想は」
そう尋ねる凛は、空から降り注ぐ月明かりに照らされ、幻想的と言ってもいい美しさを誇っていた。
一瞬その姿に目を奪われるも、すぐに我に返って頷く。
「ああ、問題ない。この新都で戦闘になってもどうにか出来ると思う。……ただ、出来れば最初にここに連れてきて欲しかったな。ここからなら新都の殆どを一瞥出来るし」
「そうは言っても、直接その場に行ってみた方がいいでしょ?」
屋上の端の方へと歩きながら告げる凛だったが、色々と危ないぞおい。
特にここは屋上だから風が強いし、何かあった時の為に凛の側に移動する。
……うん? 何だか下を向いて固まっている凛の姿を不思議に思い、視線を追う。
凛の視線の先にいたのは、地上を歩いている人物。
俺と似たような赤い髪をした男で、何だかギョッとした視線をこっちに向けているけど……あれ、俺と凛が見えているのか?
このビルの高さを考えると、普通の人間なら見えない筈なんだけど。
「アークエネミー、行きましょ」
「いいのか? お前の知り合いなんじゃないのか?」
素っ気ない凛の態度に首を傾げて告げるも、凛は関係ないとばかりに視線を逸らす。
その仕草自体が何らかの関係があると言ってるようなもんだけどな。
……もしかして……
「凛の恋人か?」
「……は?」
俺の言葉に、たっぷり数秒程は沈黙してから答える凛。
どうやら違ったらしい。
本来ならここで顔を赤くして、『ばっばばばばばば、馬鹿じゃないの!? そんな事ある訳ないじゃない、馬鹿じゃないの!?』と、大事な事だから2回言いました的な反応をすると思ってたんだけど。
「はぁ、どうやら馬鹿な勘違いをしてるようだから言っておくけど、私の友達の知り合いや、私の天敵の親友みたいな相手よ。確かに顔を知っている相手だけど、人を間に介しての知り合いでしかないわね」
凛の様子を見る限りだと、まだ何かを隠していそうではあるが……ともあれ、そういう事にしておいた方がいいだろう。
ま、相手は一般人なんだから、もし知り合いだったとしても聖杯戦争に関わっている間はあまり接触を持たない方がいいんだろうけど。
「アークエネミー、そろそろ帰るわよ。あの似非神父があんたが明日から使う分の学生服とか教科書とか届けてくれている筈だし」
「へいへい、まさか英霊になってまで学校に行くとはな」
溜息を吐き、凛と共にビルを下りて行く。
地上に降りると、さっき見た赤毛の男の姿は既にそこには存在していなかった。
まぁ、ビルの屋上に凛がいたのを見えなかったってのはあるだろうから、その辺はしょうがない。
特に興味があるって訳じゃないから、何かする必要もないだろうし。
そのまま新都から深山町の方へと向かい、凛の屋敷へと向かって進んでいくと……夜の道の中で、不意に足を止める。
凛が何故か急に足を止めた俺に向かって不思議そうに視線を向けてくるが、俺の視線の先にいる存在を見て、身体を強張らせる。
俺の視線の先には、2人の人物がいた。
1人は紫色の髪をした大人しそうな女。そしてもう1人は金髪の若い男。
ただし、この金髪の若い男を見た瞬間、何か……ナニカを感じる。
何だ? 俺の知り合い? まさか、そんな事はないだろう。そもそも俺は英霊だ。この時代のこの街に知り合いがいる筈もない。
……記憶を失っている以上は確実にとは言えないのが残念なところだが。
ともあれ、俺と凛の視線の先で話していた2人は、やがて話し終わったのだろう。それぞれに別れて去って行く。
「アークエネミー……あいつ、人間?」
恐る恐るといった様子で尋ねてくる凛に、小さく肩を竦める。
俺が感じたナニカが何なのか全く不明だが、分かっている事は1つだけある。
それは……
「人間かどうかは分からないが、間違いなく俺とは相容れない存在だろうな」
そう、見た瞬間に分かった。あの金髪の男は、俺と友人になるという事は絶対にない。
間違いなく俺と敵対し、殺し合いになるだろう存在だろうと。
「……そうね。少なくてもあの男は危険な感じがしたわ。桜もなんだってあんな男と……」
「桜?」
「え? あ、うん。その、私の後輩よ。ほら、さっきビルの屋上から見たでしょ? あの人と同じ部活なのよ」
「ふーん……」
どう考えても、それ以上の何かがあるように思えたが、本人が隠しているのを無理に聞く必要もないだろう。
まだ会ってから1日も経っていないが、それでも凛が今回の聖杯戦争に本気で勝ち抜く気でいるのは知っているし、その為であれば可能な限りの手段を使うのも分かる。
その凛が特に何を言うでもないのだから、それを考えれば恐らく今のあの紫の髪の女は本当に今回の件には関係がないんだろう。
「なら、そろそろ帰るか。うん? そう言えば、今夜の食事はどうする? 俺としては凛の手料理は美味いから、出来れば作って欲しいんだけど」
「……あのね。一応言っておくけど、あんたはサーヴァントなのよ? なのに、何で私が食事を作らないといけないのよ」
「それを言うなら、俺の魔力をラインを通してそっちに流してるだろう? 魔術ってのは等価交換じゃなかったのか?」
「ぐっ、そ、それは……しょうがないわね、分かったわよ。取って置きの料理をご馳走して上げるから、楽しみにしてなさい!」
そう告げる凛は、つい先程の紫の少女と金髪の男に会った時のショックはもう完全に抜けているように思えた。
これで凛が立ち直ってくれるのなら、俺としても大歓迎だ。
それに、凛の料理が美味いってのも、正直な気持ちだし。
「ほら、アークエネミー、行くわよ! 私の料理を思う存分食べさせて上げるんだから、覚悟しなさい! 魔力の等価交換なんだから、もう食べられないって言っても食べさせるからね!」
そう告げる凛に引っ張られて、家へと帰る。
……尚、凛の作った料理は中華料理で、確かに美味かったが……それでもどこか微妙に物足りなく感じた辺り、俺の味覚はおかしいのかもしれない。
ただ、作られた料理は全て俺の腹に収まり、最終的には凛の家にある食材の殆ど全てが消え失せる事になる。
正直、自分でもここまで大食いだったとは思いもしなかった。
受肉している影響か?
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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