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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第三十一話 菊池中尉!金魚すくいはスポーツだ!!その十一

「じゃあ今からやるか」
「俺達の妙技見せてやるぜ」
「金魚すくい荒らしって言われた俺達の実力をな」
「ここで見せてやるぜ」
「金魚すくいとは何か」
 悪態を続ける二人にだ、菊池が言った。
「それを貴様等に見せてやる」
「おう、見せてやろうじゃないか」
「見せられるものならな」
 どんどん悪役になってきている、しかも下種な。
「見せてくれた時は俺達が負ける時だな」
「負けた時はこの作品最終回だけれどな」
「そんなの絶対になるかよ」
「俺達がいる限り最終回なんてないんだよ」
「俺達は常勝のヒーローだからな」
「敗北なんてないからな」
 それこそというのだ。
「今回も勝つぜ」
「手前等に敗北の味をまた教えてやるぜ」
「言いたいことはそれだけ?」 
 瞬はまだ言う二人に神谷明さんの如く返した。
「早くはじめるわよ」
「ああ、じゃあな」
「これから勝負だな」
「何だかなで毎回いつも変に前置きがあるな」
「この作品の特徴だな」
「まあそれはともかくな」
「はじめるか」
 こうしてだった、やたら長い前置きの後でだった、
 ようやくその金魚すくいに入った、審判役は米田さんだった。本当に百歳であるがお元気な立派な人である。
 米田さんはジャスティスカイザーの二人にだ、こう忠告した。
「イカサマは絶対に許さん」
「へっ、見破れるものなら見破ってみやがれ」
「その時は爺さんを尊敬してやるぜ」
「俺達のイカサマをな」
「絶対に無理だけれどな」
 完全にイカサマを使うという前提である。
「じゃあ今回はどうして勝つのか」
「それを見せてやるぜ」
「では大将」
「はい」
 日帝衆の二人は無口で毅然としていた。
「これよりですね」
「勝負をはじめましょう」
「では」
「気を」
「勝負はじめ!」
 米田さんが強い声で言ってだった、それをはじまりの合図として。
 勝負がはじまった、例の二人はというと。
「オラオラオラオラオラオラ!」
「見やがれ俺達の技!」
 こう言ってだ、金魚すくいのあの紙のすくいを使って。
 金魚を次々と天高く舞わせてからだった、碗の中に入れていっていた。
「どうだ、俺達の妙技!」
「これはイカサマじゃねえぜ!」
「金魚すくい屋の親父への嫌がらせの為に生み出した技!」
「それだけに凄いぜ!」
 悪意の技だった。
「店の金魚を全部すくう技!」
「名付けて金魚の親父泣かせ!」
 名前はそのままだった。
「見やがれ!」
「これに勝てるか!」
 二人は言いつつだ、超高速で水の中の金魚達を空高く跳ね上げていった。あまりもの速さの前に紙は濡れてさえいない。
 そしてだった、二人は碗に次々と金魚を入れていっていた。
 しかしだ、その二人を見つつだ。瞬は菊池に言った。
「では中尉」
「はい」
「私達もはじめましょう」
「では」
「中尉に教えてもらった技を使わせて頂きます」
「大将、金魚すくいとはです」
 菊池は瞬に真面目に述べる。 
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