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ドリトル先生の水族館

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第一幕その二

「格好よくなる気もないよ」
「先生と格好よさは無縁だね」
「私達もそう思うわ」
「紳士ではあってもね」
「温厚な人であって」
 格好よさはというのです。
「また別だよ」
「ダンディな先生とか想像出来ないよ」
「いつも清潔にはしてても」
「格好よさとは縁がないね」
「そうだよ、そうしたつもりもないから」
 こうしたことにも興味がないというのです。
「別にね」
「これ以上は望まない」
「満足してそこで止まる」
「そう言うの」
「やっぱり」
「皆何を言っているのかな」
 やっぱりわかっていない先生でした。
「僕は本当に満足しているから」
「サラさんがいつも言ってることだけれど」
「気付かない?」
「サラさん日本に来たらいつも言ってるじゃない」
「そういうことよ」
「お茶のことかな」
 確かにサラは日本に来た時先生にお茶の話は絶対にします。ご主人が経営している会社のことでもあるからです。
「お茶はいつも飲んでるからね」
「やれやれだね」
「そのことはね」
「もっとね、先生はね」
「欲張ってもいいし」
「あと気付くべきだよ」
「もっとね」
 こう言うのでした、しかしです。
 先生はこの日は気付かないままです、楽しい余暇を過ごして。
 そのうえで、でした。お風呂に入ってその後は日本酒を飲みました。そこでトミーにこんなことを言われました。
「先生、今日のお酒は」
「いいね」
 甚兵衛姿で応える先生でした。
「今日のお酒は」
「それは何よりですね」
「枝豆もいいね」
 肴はこれでした。
「これも美味しいよ」
「先生最近枝豆がお気に入りですね」
「お豆腐とね」 
 今はお豆腐はないけれど、です。
「最近そうしたのを肴に飲んでるね」
「日本酒や白ワインを」
「白ワインは和食にも合うからね」
「よく飲まれていますね」
「そう、お酒を飲むにしてもね」
「健康的にですね」
「そうした方がいいからね」
 だからだというのです。
「こうした枝豆やお豆腐を食べながらね」
「飲むといいのですね」
「そうだよ。じゃあ今日はね」
「お酒を飲んで」
「その後で歯を磨いて寝るよ」
 そうするというのです。
「そしてまた明日だよ」
「明日も研究室に入られて」
「まずはね」
「それで講義も出られて」
「そう、それから」
「お茶を飲まれて」
 十時のティータイムです、十時に講義がある場合はその前か後に楽しんでいます。 
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