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ソードアート・オンラインーRite and Leftー

作者:悠士
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1話 出会い、仲間、そして強い”意志”

 茅場晶彦によるソードアート・オンラインのチュートリアルが終了して辺りは騒然とした
 現実を受け入れられない者、絶望と恐怖に怯える者、怒りを覚える者様々だ
 ユウキ(和軌)もろくに操作が出来ず知り合いもいるが連絡する方法も知らない、ほぼ孤立状態だった
 そんな時目の前に知り合いが通った

(!和人・・・待てよ!)

 赤い髪の男の腕を引っ張りながらそのままユウキに気付かず走り去っていた
 その後をユウキは追いかけた
 感覚は現実の感覚と変わらずキリト(和人)の後を追っていたのに関わらず少し離れただけで迷ってしまった
 すると建物の横の通りから先程の赤い髪のプレイヤーが現れた

「あ・・あの!さっきまでいたかず・・プレイヤーはどこにいますか?」

「キリトならそこにいると思うぞ」

「ありがとうございます!」

 赤い髪のプレイヤー-クラインからキリトの場所を聞いたユウキは教えてもらった場所に着くとキリトは走っていた
 すぐにユウキも走って追いかけた
 現実でバスケ部に入っていてから体力には自信があった

「キリトーー!!」

「!?・・・和軌か!?」

 呼ばれたキリトは足を止め振り返るとユウキの姿を確認した

「はぁ・・はぁ・・やっと会えた」

「ユウキ・・・・ゲームに来てたのか・・・!?いつログインしたんだ?」

「約束した時間から大分遅れた、ログインした後にあのチュートリアルが始まった」

「って言うことはまだゲームの事は何も知らないのか・・取り敢えずここはフィールドで危ないからこの先に村があってそこは《圏内》だから安全だ話はその時にしよう」

「あぁ、わかった」

 村に向かう途中モンスターと出くわしたが操作の仕方を知らないユウキはただキリトの後に付いていくだけで
 モンスターはキリトが全て倒した

 村や町には《アンチクリミナルコード有効圏内》通称《圏内》の中ではダメージを負う攻撃全てが無効になる
 ダメージはないが変わりに衝撃はあり投げられれば地面にぶつかった衝撃を感じる
 《圏内》には他にも「セクハラ」に関係する行為は全てシステムに守られ視界に『黒鉄宮』という名の監獄に送れるメッセージが表示される
「YES」を選択すれば問答無用で送られる。但しセクハラ行為は男女間に適応されるもので同性、つまり男同士、女同士は適応されない



 その日ハプニングはあったものの何とかクエストをキリトの助けもありながらクリアし報酬の剣を手に入れた
 何故かキリトはクエストを受注した家の床に伏せていると設定されている少女に近づき泣いていた

 村の小さな宿に部屋を借りてそれぞれの部屋を借りて寝た
 何となくだが隣の部屋に居るキリト(和人)がまだ泣いているんじゃないかと少し心配になったが今日は一人がいいだろうと思い瞼を閉じた


 翌朝隣の部屋の扉を叩いた
 データで構築されている扉や壁は壊す事は絶対にできない、けど家や宿などの扉を叩くと中に居る人に声が届くようになる
 逆に部屋で何を叫んでも外に聞こえる事はない
 返事をすれば別だけど

「キリトー起きたかー?」

 返事はなく代わりに扉がゆっくりと開いた
 すこしして目をこすりながら眠たそうにドアを開けたキリトが出てきた

「・・・ぉはよう・・」

 宿を出て食事できるところで朝食を摂った、ゲームだというのに味や食感が再現されているのはすごいと思った
 ただキリトが言うにはお風呂だけは違うと言ってきた、違和感があってあまりリラックスできるものではないと言う





 -----あれから一ヶ月


「おーーいそろそろ集合の時間だぞ」

 遠くから叫んで来る槍使いの髪の短い少年--ウィーンは走りながら言ってきた

「ああもうそんな時間か・・ふぁ~・・眠い・・」

「全くだな・・」

 木にもたれながら休憩を取っていた片手直剣使いの少年--ユウキとキリトは立ち上がって仲間のウィーンの方に歩き出した
 あの村から行動を共にする事になった2人は何度目かのクエストで赤い髪の少年―ウィーンに出会い仲間にしてくれと言われそれから連携やスイッチなどして今まで以上にLv上げをしていった

 因みに"スイッチ"とは仲間が攻撃をした後にできる隙を後方で待機していた仲間がフォローに入って攻撃を引き継ぐことだ
 元々キリトとユウキの連携は阿吽の呼吸のようだったが槍を武器とするウィーンの援護で余裕が出来るようになった

 着いた場所は第一層トールバーナ
 今日はデスゲームが始まってから遂にボス攻略作戦の会議が行われる

 デスゲームが始まってから今日までプレイヤーは2000人も死んだ
 だが未だに第一層から誰一人突破出来ていない
 そしてとうとう攻略が始まる


 会議が行われるのは町の中に存在する公園でコロッセオたいに舞台みたいな場所があ一番下で観客席と思われるばしょが段々と上がっている、まるでどこかの「闘技場」のようだと思った

 適当な場所に座ったキリト・ユウキ・ウィーン

 舞台と思われる中央では髪を青く変更している盾持ちの片手直剣使いの男・ディアベルが会議を始めた、最初にジョークで場の緊張感を解してから次にはディアベルのパーティが第1層迷宮区最上階でボスの部屋を発見したと言った

 その瞬間一気にみんなの顔に緊張感が走った

 ディアベルはリーダーとして優秀なのかこの場にいるプレイヤーを喚起させてボス攻略を目指している
 それに納得した者たちは拍手をした

 攻略に向かうには6人のパーティを組んでくれと言ってきた

「ぅぇっっ!?」

「6人?」

 ベータテスターのキリトなら予測していただろうにまるで初耳だと驚きを露にした
 SAOが初めてでまだすべての知識を知らないウィーンは頭に「?」を浮かべた

「何驚いてるんだよ?別に俺たちでも十分じゃないか?」

「そうだな!俺たちの息はピッタリだ!」

「あ、ああ・・そうだったな・・・ん?」

 慌てるキリトを諭すように言うと落ち着いて安心したと思ったら今度はウィーンの向こう側にローブを目深に被っているプレイヤーがいる

「あの子がどうかしたのか?」

「あのプレイヤーも入れてもいいか?」

「知り合い?」

「いや、そうじゃないけど・・・」

 即席ではあっても数と戦力が増えるなら多いほうがいいとキリトの頼みを承諾し誘うことにした

「1人なら俺たちのパーティに入るか?」

「・・・どうして?」

 キリトの誘いに1テンポ遅れて帰ってきた

「どうしてって・・ボスは強い、1人でいても意味がない、サポートしてくれる仲間がいれば戦力も生存率も上がってくる」

「1人でいても寂しいだけだぜ?」

「まぁ今回だけの暫定的でいいよ」

「・・・・・分かったわ」

 キリトとウィーンとユウキに言われてそのプレイヤーはウィンドウを操作しパーティ参加の申請を承諾した

『Asuna』

 そう表示されたプレイヤー名とHPゲージが左上に追加された

 ある程度パーティを組めたようだと判断したディアベルは会議の続きをしようと切り出した、だけどそんな時異議を唱えるものが現れた
 茶髪でトゲトゲのヘアースタイルの男・キバオウが突然前に出てきた

「ワイはキバオウってもんや。ボスと戦う前に言わせてもらいたいことがある、こん中にこれまで死んでいった2千人に詫びいれなあかん奴が居るはずや!!」

「・・・っ・・」

 キバオウが言おうとしていることはベータテスターは自分たちだけが知っているおいしい経験地稼ぎができる場所、強い武器を手に入れやすいクエスト、隠れクエスト今現在でのレアアイテムなどベータテスターでしか知らない情報の独占が許せないということだ
 それを知らずに死んでいった2千人に謝罪をしろ、キバオウはそういうがそれだけで終わらなかった
 持っているアイテム、コル()、武器などの装備品をすべて差し出せというものだった

 ユウキは隣に座っているキリトを見ると表情が強張っている、それもそのはず、ウィーンとユウキはキリトがベータテスターだということを知っているからだ

 だけど

「なーに緊張してんだよキリト」

「いざとなったら俺とウィーンも名乗るよ、同じパーティなんだ、一蓮托生だろ?」

「っ!・・・・ありがと2人とも」

 2人の言葉を聞いたキリトは表情が軽くなった

「発言良いか?」

 坊主頭で褐色の肌大男・エギルはキバオウの元まで行った

「俺の名前はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり元ベータテスターが面倒見なかったからビギナーが沢山死んだ、その責任とって謝罪・賠償をしろ、ということだな?」

「そ・・そうや」

 エギルの大きさにやや萎縮したキバオウは威勢を保とうと返す、するとエギルは腰から手帳サイズの1冊の本を取り出した。それはガイドブックと呼ばれるもので効力に関する情報が事細かに載っている

「このガイドブックあんたも貰っただろ?道具やで無料配布しているからな」

「もろたで、それがなんや!?」

「・・配布していたのは元ベータテスター達だ」

 エギルのこの一言に会議に来ていたプレイヤーたちが驚いてざわめきだした

「ッッ・・・!」

「いいか、情報は誰にでも手に入れられたんだ、なのに沢山のプレイヤーが死んだ。この失敗を踏まえて俺たちはどうボスに挑むべきなのか、それがこの場で論議されると俺は思っていたんだがな」

 エギルが上手いことみんなを納得させてくれたおかげで元ベータテスター達への糾弾はなくなった

「あのエギルってやつに感謝だな」

「・・ああ、そうだな」

 嵐が過ぎたことを確認したディアベルは先ほどのガイドブックの最新版が配布されそれには第1層のボスの情報が載っていた

 ボスの情報は『イルファング・ザ・コボルドロード』とその取り巻きとして『ルイン・コボルド・センチネル』がいる

 ボスの方の武器は斧とバッグラーがありHPゲージがレッドゾーンになると曲刀武器のタルワールに変える、その際に攻撃パターンも変わる、ゲームじゃよくある事だ
 ここまでは事前にキリトに聞いていた通りだ

 ボス攻略に関することはこれで終わった、次にアイテムは(コル)は自動で均等分配、経験値は倒したパーティに、アイテムは手に入れた人のものとなりこれで攻略会議は終了となった

「さーて忙しくなるな」

「ああそうだな・・?」

 キリトが振り向くとアスナは歩き去って行った


 時間が経ってどこで今日の夕ご飯を食べようかと歩き回っていると仲間になったアスナが少し離れた路地でユウキ達がよく食べているパンを食べていた

「結構うまいよな、それ」

「っ!」

「なぁ、俺らも座っていいか?」

 最初にキリトが、その後にウィーンが声を掛けるが顔の位置を戻しただけで何も答えなかった

 それを同意と受け取ったのかキリトは隣に座りその横にユウキ、ウィーンと座った

「本気で美味しいと思ってるの?」

 キリトがパンを食べ始めるとそこでアスナがやっと口を開いた、その質問にもちろんと答える

「この町に来てから1日1回は食べてるよ」

「上手いし安いし!沢山買えるから結構助かっているんだぜ!」

「まぁ毎回同じ味は飽きるからちょっと工夫はするけど」

 キリトが言うようにほぼ毎日食べている、安価で沢山ストックできるから無くなるまでは経験値稼ぎやアイテム集めなどに集中出来る、するとユウキとキリトがアイテムストレージから小さな瓶を取り出す

「そのパンに使ってみろよ」

 ウィーンはユウキだ出したのを共有してパンに塗った、アスナもキリトに促され蓋を叩くと蛍火のような白い光が指先に灯りパンになぞるようにすると黄色い半液体状のようなものが塗られた、これは現実世界でよく見たシュークリームに入っているようなカスタードクリームに似ていた

「うんめぇえ~、やっぱこれ塗ると頑張れるぜ!」

「っ!?」

「だったら明日の攻略戦は張り切って援護してくれよ」

 いきなり後ろで大声がして驚いたアスナは一度振り向いたが自分のパンに視線を戻して齧りついた

(!・・おいしい!)

 さっきまでデータできたパンを美味しいと思うのは紛い物だと思っていたけど、今食べているクリームが乗ったパンはさっきまでの思い込みを吹き飛ばすほどのおいしさがあった

 気付いたときには思わず手に持っていたパンは食べて無くなっていた

「1個前の村で受けられるクエスト「逆襲の牝牛」の報酬、やるならコツを教えるよ?」

「・・美味しいものを食べるために私はこの町に来たわけじゃない」

「じゃあ何で来たんだ?」

 ウィーンはちょっと軽い感じで今のような質問も簡単に聞いてくる

「私が私でいるため」

「・・・!」

 アスナは最初の始まりの街で閉じ篭って腐っていくよりは最後まで自分が自分で在り続けようとこの町に来てボス攻略に挑もうとしている

 それを聞いたユウキは現実に耐えれずゲームに逃げてきた自分は弱いと思ってしまった、アスナは強いやつだと思った 
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