Society Unusual talent
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
code1 ある街の昼下がり
前書き
最近ゲームセンターに入り浸ってます。
L4D2、楽しいですね。
格ゲーなんかもやりますがやってると「自分のキャラを参戦させたい!」
とかそんな欲望めいたことも考えちゃいます。
えー、この小説、
人呼んで『異能社会』!
みなさんよろしくお願いします。
感想や評価があると更新が速くなるかも知れません。
他に『こんな能力はどうだろう』や『こんなキャラとかおもしろいんじゃない?』など
みなさまの考えた能力やキャラも使いたいです。
御贔屓に
とある喫茶店。
店内は明るい色合いや位置取りで中々雰囲気のある店だった。
『社長から直々に有給を取らされた』彼はすることもなく、結局他の仕事をする。
喫煙席で煙草を吸いながらパソコンで作業をしていた。
「あれ?たまさん来てたんだ」
突然白銀の髪で身長がやや低い学校の制服の上にエプロンを着たメガネをかけている青年に話しかけられた。
雄大は咄嗟に吸っていた煙草を手の中で握りつぶした
「あぁ、ここはなかなか仕事が捗るからな…」
この青年は風雪成美
雄大の姉の子供で霊遥葵はこの青年から見て叔父にあたる。
「まっ、ゆっくりしてってよ」
遠くの方で成美を呼んでいる声が聞こえた。
雄大は姉の声だと把握した
何故ならこの喫茶店は姉の経営している店だから
「やべっ!ちょっと行ってくる!」
成美は小走りで厨房まで走っていった。
雄大はそれを見送ってから手の中で握りつぶした煙草を拭き取り、灰皿にカスを入れてパソコンに視線を移す。
「ん…やはりここは仕事が捗る…」
この店にいる他の客やバイトも雰囲気を醸し出し、彼にはここはお気に入りの場所らしい。
ここは指定席、この席のベルは壊れていて雄大は何時も気長に店員を待つ。
常連の彼は長くバイトをしている人には馴染みある客で「たまさん」と親しい呼び名で呼ぶ。
「気長に待つとしよう」と、雄大は呟いてタバコを再びつけた
すると一人の男が近づいて来たのを視認した。
藍色の髪に青い瞳、学生だろうか制服を着ている。
雄大は再び煙草を消して話しかけた
「よお、星雅じゃねーか、なんでこんな時間にいるんだ?まだ12時だぞ?」
神鳴樹星雅、よく知っている男だった
雄大の後輩である
「今日は仕事で抜け出してきました...1年生達はテストなんですけどね」
「もう仕事始めてるのか、大変だな、おじさんは高校卒業してからだよ?」
「まだ若いじゃないですか、先輩...」
「もう先輩じゃねーよ、働かないと死んでしまうただの社畜だよ」
星雅と話していると星雅がいた席でバイトの男性がキョロキョロと周りを見ていた。
それに気づいた星雅は急いで自分の席まで戻る。
雄大は再び灰皿にカスを入れ、視線をパソコンに落として仕事を再開した
また誰か来るだろう、煙草はまだいい
そのうち霊遥葵に気づいたバイトの女の子が注文を取った
新しい人だろうか、見たことがなかった
雄大は短く「コーヒー」と言った
「はい!えっと、コーヒーですね。少々お待ちください!」
少女は深く頭を下げて「とててて」と音が聞こえそうな小走りで厨房へ走る
雄大は「直ぐ来るだろう」と煙草をつけずにパソコンで作業を始めた。
…何十分待っただろうか…未だにコーヒーがこない。
途中で煙草をふかしてしまった
すると先ほどの店員が小走りでこちらまで走ってきた
「すみません! 注文を忘れてしまいました…」
バイトの少女のストレートな発言に雄大は苦笑した。
「そうか、通りで遅いと思った… 中でお話しでもしてたのかい?」
少女は怯えているのか震え、肯定なのか否定なのかよくわからない表情をしていた。
「図星かな」
少女が「びくっ」と身体を大きく揺らすのを見て自然と笑みがでてしまった
「おっと、ごめん」
雄大は未だに煙草を消していないことに気付き、素早く煙草を灰皿へ捨てた。
「す、すみません…」
少女は申し訳無さそうに肩をすくめる。
「若い者の健康の方が大事だよ」
少女は動揺を見せたが、やがてはにかんで言った
「優しい、ですね」
雄大は少し停止した。
賛辞の言葉であるはずのその言葉が何故か、『よくないこと』に聞こえてしまった。
まるでこの『偽りの人生』に「上手い演技」と言われたような、そんなよくわからないものを感じた。
別に、性格まで偽っている気はないのに
しかし雄大は再び笑みを浮かべて言葉を紡いだ
「バイトとは言え店員にそんなこと言われたの初めてだよ」
少女の笑顔を確認し、「ほっ」とする。
この少女へ言う言葉が見つからなくなったのでメモを書いて渡す、注文の
少女はメモを受け取るまで頭上にハテナマークを浮かべていた。
「それ、注文。これなら忘れないだろう? でも、次は早くがいいかな」
少女は苦笑し、頭を下げてから再び厨房へと走っていった。
雄大は再びパソコンで作業を始めた。
充電残量が10%を切った警告がパソコンの画面に出たので雄大は作業を切り上げてパソコンを持ってきたバックに入れる。
そして立ち上がったが、まだコーヒーが来ていないことに気付き、座った。
自分は何がしたかっただろうか、思い返し、顔が熱くなるのを感じる。
「ゆっくりは…できないな…」
ため息をつき、髪をかく。
「おまたせしましたっ!」
と先ほどの少女が雄大の机にコーヒーをおく。
早く帰ろう、そう思いコーヒーを一気飲みしようとするが
淹れたてのコーヒーは熱く、カップを取った時点で「こりゃ無理だな」と諦めた。
コーヒーを冷ますために息を「ふっー」と吹きかける仕草を何度か繰り返す。
少女は「ふふっ」と笑ってこちらを見ていた。
雄大は顔を赤くして、ゆっくりと飲み干した。
暑いコーヒーを飲み干した後、店を後にバックを持って出ようとすると少女が「えっと…たまさん!」と成美と同じ呼び方で雄大を呼んだ。
「えっと、ありがとうございました!」
と大声で言った。
耳がきーんとなるのを感じながら雄大は
「こちらこそ」と頭を撫でた。
猫みたいな娘だな…と思いながら雄大は撫でるのをやめてレジに行く。
「あの、輪廻巡瑠ですっ!」
「俺は霊遥葵雄大」
少女はパァーと笑顔になった
「ありがとうございます!霊遥葵さん」
「はいよ、めぐちゃん」
空返事を返し、会計へと進む。
会計でコーヒーの代金を支払い、
店内にいる成美を探し、とある封筒を渡す。
成美は「ありがと、たまさん」と笑い、再び仕事へと戻る。
雄大は扉に付けられた鈴の音と共に扉を開き、風がなびく外へと出た。
することがない彼は「これからどうしようか」と考えながら煙草をつけて帰路へと歩いた。
ページ上へ戻る