ドリトル先生と森の狼達
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第十二幕その七
「善にもなり悪にもなりますね」
「そうだよ、だから善でも悪でもあるんだよ」
「それが人間ですね」
「だから今回のこともね」
「狼さん達を絶滅させたのも人間で」
「守るのもね」
「人間なんですね」
トミーも言うのでした。
「そうなりますね」
「そうだよ、このことがあらためてわかったよ」
「先生哲学者でもあるしね」
「神学も学んでるし」
「だからそうした考えも持つ」
「そういうことだね」
動物の皆も言いました。
「成程ね」
「今回は哲学の話でもあったんだ」
「人も文明も善でもあり悪でもある」
「どちらでもあるんだね」
「そうなのね」
「そうだよ、哲学もね」
それもというのです。
「一概に言えないんだ」
「本当に難しい」
「僕達も実感したよ」
「先生と一緒にいてお話を聞いて」
「そうなったわ」
「善悪は何にでも言えてね」
そしてというのです。
「使い方、その人の心の持ち方次第だよ」
「じゃあお茶もかな」
王子はそのロシア風紅茶を飲みつつ述べました。
「これも変わるね」
「お砂糖を入れたら甘くなるね」
先生は王子に笑顔で答えました。
「ロシア風だからジャムを舐めつつ飲むけれど」
「お砂糖を入れたら甘くなってね」
「お塩を入れたら辛くなるね」
「まあ普通は入れないけれどね」
今度は王子が笑って答えました。
「確かにお塩を入れたら辛くなるね」
「塩辛くなるからね」
「そして美味しくなくなるね」
「まあ僕はそうして飲んだことないけれどね」
「だから普通はしないからね」
「他にも淹れ方次第で美味しくもなるしそうじゃなくから」
先生は淹れ方にも言及しました。
「お水をどうするかとかね」
「本当に違うね」
「そう、だからね」
「お茶にも言えるんだね」
「そう、何でもそうなんだよ」
「使い方、その人次第なんだね」
「変わるんだよ」
先生は温厚な笑顔で王子にお話しました、そして。
皆しみじみとしてです、それぞれ言うのでした。
「狼さん達は本当にね」
「今回は人が法律やインターネットで守るんだね」
「目には見えないけれどこれ以上はない位に強いもの」
「それでなんだ」
「そうだよ、文明で野生の狼君を守るんだ」
先生はまた言いました。
「そうなるよ」
「いい法律があってよかったね」
「狼さん達を守る法律がね」
「それにインターネットもあって」
「インターネットも悪い方向に使うとね」
先生はインターネットの危険性もわかっています、狼さん達を守ってくれるこちらも使い方を間違えるとです。
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