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moon light fantasy

作者:ケンケン4
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Asmodeus rhapsody 最終章

 
前書き
決着。アスモディウス。 

 
トランス・フォルツ。
トランスは簡単に言えば変身魔法だ。変身魔法ら自分の力だけではなく、アイテムを使い。それを媒介として変身する。ただし。フォルツの変身魔法は少し特殊でありニナと意識を混濁…合体する事で自分の力をフルに使う事が出来る。

例え、俺を忘れたとしても。

「所で…。アスモディウス。
城の主がここまでもてなしてくれたですから。これから君が行くのは…。
地獄だ。」

俺はそう言って夢幻剣を取り出す。だが夢幻剣は1本じゃない。

「なっ⁉︎」
「月華流『月光歌』。」

『魔鎧』ストロボのマジックソードの様に空中に15本の夢幻剣を召喚する。

「夢はかくもはかなき物。貴方の命も。」

そうしてさらに腕を広げ。アスモディウスを睨んで。

「さあ、地獄まで超特急を出してやるよ。」

そうして飛び出す15本の剣。それは勢い良くアスモディウスに向かっていく。

「舐めるな‼︎」

そう言って15本の剣に向かって爆風魔法『フレイム・ブラスト』放ち、15本の剣を爆砕する。
…かの様に見えた。

「な⁉︎」

しかし15本の剣はまったく意を介さずアスモディウスを切り刻みゼツとリナが囚われている試験管の所まで吹き飛ばす。もともとアリスの魔法をゼロ距離でくらい、さらにこの剣劇。流石にゼツとリナの力を得て居るアスモディウスにもダメージ量は尋常じゃない。
それを見てフォルツは以前、紳士的な笑みを崩さないで詰め寄る。

「悪いな。『夢幻剣』は魔法を無効化する。」
「動くなあ…‼︎」

そう言ってアスモディウスはいつの間にかにサナを試験管から取り出し首元に剣を向けていた。

「貴様が動いたらリナの命はないぞ。」

そう言って狂気の表情を浮かべるアスモディウス。
俺はそれを見てアスモディウスに憐れみの目を向ける。

「…なあ、知ってるか?」
「?」

俺ははあ、とため息を吐いて。

「”人質を取る時は相手はもう何も見えてない”って。
な、お姫様。」
「…貴方のお姫様になったつもりはありません。」

そうしてアスモディウスの背後に現れたのはアリスだった。
フォルツの猛攻時に隙あらばとこっそりと背後に回っていたらしかった。

「なっ‼︎」

慌てて背後を振り向くアスモディウス。
この時、アスモディウスは重大なミスを犯してしまっていた。
一つはアリスはもう魔力が無く戦力にも無いのにも関わらず戦力と見なして背後を見てしまった事。
もう一つはその時にリナから一瞬、目を逸らしてしまった事。それによって隙が出来てしまった事。
その2つのミスは勝負を決するミスだった。

「隙ありだ。」

俺はその一瞬でリナに向けている剣を弾き落とす。
そして。

「悪いな。俺の昔の友達の四肢を拘束してたんだ。
…手足とんでも文句言えねえよな?」
「ひ、ヒィィ‼︎」

俺はいつも通り、夢幻剣を虚空から取り出し。

「月華流『月光』。」

まず一撃横薙ぎで両腕を切り飛ばし、返す刀で足を切断した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「…勝ったんですね。」
「ああ。」

アリスがそう呟いてフォルツに近寄るとフォルツに肩を抱かれた。
ゼツとリナはとりあえず持ってきていたフォルツのコートとアリスのローブを着させて。アスモディウスはその場に放置。ヴァンパイアはあのぐらいでは死なないらしい。

「…ご褒美だ。お姫様。」
「…。」

…肩を抱かれたのは何年ぶりだろう。さっきのアスモディウスはノーカウントととして、アリスは久しぶりに安心感を持っていた。
昔から天才ともてはやされ、それが嫌になって家を飛び出し、冒険者になった。
それからは1人で生きてきた。だから人肌の温もりが懐かしい。

「ではさっそく…。
…ガハッ。」

するとフォルツはそう言っていきなりアリスの首元に口を近づけた所でその場に崩れ落ちる。さらに黒い霧の様な物とともにニナが出てくる。どうやらトランスが解除されたらしい。
そうしてニナが慌てた顔で。

「まずいまずいまずいまずいまずい!」
「…どうしたんですか?ニナ。」

アリスはキョトンとした顔でニナを見るといつも明るい表情でいるニナが慌てた様子を続けていた。

「フォルツが死にそう‼︎」
「え⁉︎」

ニナはそう言ってアリスに不安気な顔で見る。フォルツは苦しそうに呼吸をして倒れてしまっている。

「フォルツは…。実はその…。
と、とにかくアリスちゃん!血を頂戴!」
「え⁉︎」
「説明してる暇は無いんだ!とりあえずフォルツに一滴でいいから血を!」

アリスは何がなんだか分からず、とりあえず杖の先で人差し指に傷をつけて血を出すとフォルツの口に血を入れる。

「ん…⁉︎」
「血…。」

フォルツは虚ろな瞳でアリスの人差し指を見て、そこから流れる血を吸う。
指先を舐められる不快感。そしてある程度舐め終わるとフォルツはパタリと倒れた。まるで糸の切れた人形の様に。
それを見てニナははあ、とため息を吐いて。

「…ここの所、ずっと我慢してたからね。
仕方ないか。
アリスちゃんごめんね。不快な思いをさせて。」
「それは大丈夫です。少しびっくりしましたけど…。
それより…。まさかフォルツって…。」
「うん。それは宿でゆっくり話すよ。」

ニナが苦笑する中。アリスは答えに辿り着いていた。

フォルツ・レープリカはヴァンパイアであると。 
 

 
後書き
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