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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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Another60 愚王

 
前書き
ヴァンデモンとの最終決戦。 

 
取り敢えず、囚われていた人々を全員安全な場所に移動させると、デジヴァイスの反応を追ってきたのか、タケルと丈がやってきた。

タケル「みんな!!」

丈「遅れてごめん!!」

大輔「タケルに丈さん。あれは……ゴマモンが完全体に進化出来たのか。よかった」

ジュン「あれもデジモンなわけ?」

大輔「そうだよ。あれは丈さんのパートナーのゴマモンが超進化した姿だよ。タケルも来たのは好都合だ。エンジェモンもペガスモンもヴァンデモンには絶大な力を発揮するからな。」

太一「よし、ヴァンデモンをぶっ飛ばしに行こうぜ」

ヤマト「待てよ。まだ光子郎が…」

アインス「いや、それに関しては問題はない。これを見てみろ」

デジヴァイスをD-コネクションに接続し、お台場の全体図を出すと、紫色に明滅しているポイントがある。
光子郎の知識の紋章は紫色。
つまり光子郎はそこにいる。

アインス「これは……テレビ局?」

空「本当だわ。光子郎君、どうしてこんな所に?」

大輔「多分光子郎さんは、ヴァンデモンの霧の結界の中心がテレビ局だってことに気づいたんだ。だからテレビ局に向かったんだ」

ヤマト「テレビ局…テレビ局には親父がいる!!くそ!!」

ブイモン[ストップだヤマト。落ち着け、みんなで行こうぜ。こんなヴァンデモンの茶番に付き合ってられないしな]

ヤマト「ブイモン……」

空「そうよヤマト君。みんなでテレビ局に行きましょう」

タケル「パパと光子郎さんを助けに行こうよ!!」

ヤマト「ああ!!」

大輔「それじゃあ、行ってくるよ。パパッと片付けてくるからさ」

太一達も家族に言葉を告げてテレビ局に向かうのだった。





































その頃、フジテレビ内にいる光子郎と裕明は、局内のある部屋でこれからの事を考えていた。
そして、ふと光子郎が窓の外を見ると、フジテレビに近づいてくる複数の子供達とデジモン達。

光子郎「あ、あれは大輔君とヤマトさん達だ」

裕明「何!!?ヤマト?どうして此処に?」

裕明が窓の外を見ると、そこには確かにデジモン達と共にこちらにやってくるヤマト達の姿があった。
因みにエクスブイモンが周りの敵を薙ぎ払いながらだが。

裕明「か、怪獣!!?」

エクスブイモンの姿に思わず裕明は声をあげる。

光子郎「怪獣ではなく、デジモンです。ブイモンの姿がないからあれはブイモンの進化系ですね…」

裕明「えっ!!?」

光子郎「前から報道されている怪獣はデジモン達のことなんです。でも、安心してください。ヤマトさん達を守っているデジモンは僕たちの味方です」

光子郎は裕明にデジモンについて説明する。

裕明「味方?……しかし……」

裕明は未だに納得できない様子。

光子郎「デジモンの中にも良いデジモンと悪いデジモンがいるのです。……彼らは僕達の味方……いや、仲間なんです」

テントモン[そういうことですわ]

裕明「か、関西弁……」

関西弁を喋るテントモンに顔を引き攣らせる裕明だった。






































光子郎「皆さん!!」

フジテレビに来た大輔達を光子郎と裕明は玄関ホールまで迎えに出た。

空「光子郎君、心配したわよ。出来るなら連絡して欲しかったわ。D-コネクションの意味がないじゃない」

光子郎「すみません。デジタルバリアを張ったりして、色々と……」

アインス「泉にも事情があったのだからそう厳しく言ってやるな」

裕明「ヤマト」

ヤマト「親父」

裕明「何故、隠れていなかった」

エクスブイモン[まあまあ]

裕明がヤマトに詰め寄ると、エクスブイモンが間に入った。

裕明「うわっ」

突然、エクスブイモンが間に入って来たので、裕明は思わず後ろに下がる。
そりゃ、馬鹿でかいドラゴンが間に入ってくれば驚きもする。

エクスブイモン[ヤマトだってあんたを心配してたんだ。あまり責めないでやってくれ。これで選ばれし子供が全員揃ったわけだな。]

光子郎「はい。先程、ゲンナイさんからメールがあったのですが、あそこにはヴァンデモンの結界の中心があるそうです」

光子郎はフジテレビの展望台を指さす。

大輔「フジテレビの展望台。成る程、馬鹿と煙は高い所が好きってのは正しいようで」

そこには憤怒の表情で子供達を見下ろすヴァンデモンの姿があった。

アインス「ようやく私達の前に出て来たな」

大輔「現実世界侵攻なんてお遊戯は終わりの時だぜ」

太一「ようし、みんな進化だ!!あいつを倒して終わらせる!!」

全員【おう!!】

全員が超進化、出来ない者は通常進化でヴァンデモンに向かっていく。

アトラーカブテリモン[メガブラスター!!]

リリモン[フラウカノン!!]

アトラーカブテリモンとリリモンの技がヴァンデモンに迫るが、ヴァンデモンは吐息でそれをかき消してしまった。

太一「何!!?」

ヤマト「吐息でかき消した!!?なら直接攻撃だ!!ワーガルルモン!!」

光子郎「アトラーカブテリモンも!!」

ワーガルルモン[カイザーネイル!!]

アトラーカブテリモン[ホーンバスター!!]

ヴァンデモン[ふん]

しかし、ワーガルルモンとアトラーカブテリモンの必殺技は本人達ごと弾かれてしまった。

大輔「へえ……この世界に適応出来るようになったからか?それとも霧の結界の中心だからか……あの時よりちっとばかし強いじゃないか。仕方ない。ヒカリちゃん」

取り出したのは光の紋章が刻まれた光のデジメンタルである。

ヴァンデモン[ん?それはまさかデジメンタルか!!?遥か昔に無くなった進化アイテム…]

大輔「ああ、そう言えばヴァンデモンに見せるのは初めてだったな。光ちゃん、パス」

ヒカリに光のデジメンタルを渡そうとするが、ヴァンデモンが妨害しようとする。

ヴァンデモン[そうはさせん!!ナイトレイ…]

エンジェモン[ヘブンズナックル!!]

ヴァンデモン[ぐはっ!!?…そうか、聖なる力を持つデジモンはもう1体いたな…]

エンジェモン[邪魔はさせないぞヴァンデモン。ゴッドタイフーン!!]

ホーリーロッドを回転させ、竜巻を発生させる。
ヴァンデモンはすぐさま回避した。

大輔「ヒカリちゃん。そいつはデジメンタルと言って、そいつを使えばテイルモンをアーマー進化させることが出来る」

ヒカリ「本当?」

大輔「ああ、まあ超進化のように劇的なパワーアップはしないだろうけどな。少なくても今よりは強くなれるかもな。デジメンタルアップと言うんだ」

強さは大して変わらないだろうが、飛行能力を持つようになる分、機動力はテイルモンより高いはずだ。

大輔「タケル、テイルモンのアーマー体はペガスモンとのタッグで真価を発揮する。エンジェモンからペガスモンに切り換えろ」

タケル「うん。デジメンタルアップ!!」

ヒカリ「…デジメンタルアップ!!」

エンジェモンが退化し、パタモンが希望のデジメンタル、テイルモンと光のデジメンタルが融合する。

パタモン[パタモンアーマー進化!ペガスモン!!]

テイルモン[テイルモンアーマー進化!ネフェルティモン!!]

テイルモンが光のデジメンタルで進化する聖獣型デジモンのネフェルティモン。
単体では成熟期並みの力しか出せないが、ペガスモンとの連携で高い戦闘力を誇る。

ヴァンデモン[ふん、所詮は仮初めの進化。私の敵ではない!!]

獰猛な蝙蝠を召喚するが、ペガスモンとネフェルティモンは回避と同時に攻撃を仕掛ける。

ネフェルティモン[カースオブクィーン!!]

ペガスモン[シルバーブレイズ!!]

同時に放たれた光線。
ヴァンデモンはそれを回避すると、電撃の鞭を繰り出そうとするが、それよりも早くペガスモンとネフェルティモンが動いた。

ペガスモン、ネフェルティモン[[サンクチュアリバインド!!]]

2体の放った光の縄がヴァンデモンを拘束する。

ヴァンデモン[ぬう!!?]

拘束されたヴァンデモンは必死にそれを引きちぎろうとしたが、出来なかった。
ペガスモンとネフェルティモンの連携で繰り出されるサンクチュアリバインドは完全体すらしばらく拘束出来る程の威力がある。
太一はそれを好機と見て、全員に声をかけた。

太一「みんな、一斉攻撃だ!!」

メタルグレイモン[ギガデストロイヤー!!]

ワーガルルモン[カイザーネイル!!]

ガルダモン[シャドーウィング!!]

アトラーカブテリモン[ホーンバスター!!]

リリモン[フラウカノン!!]

ズドモン[ハンマースパーク!!]

完全体6体の必殺技がヴァンデモンに炸裂した。

ミミ「当たった…」

ヤマト「完全体6体の一斉攻撃をモロに喰らったんだ。いくらヴァンデモンでも…」

大輔「やるな太一さん達」

アインス「ああ、あの咄嗟の判断力は素晴らしい」

後は経験をかなり積めば相当な実力になるだろう。

ヴァンデモン[ふっふっふっ…]

大輔「あ?」

ヴァンデモンの笑い声に大輔は少しばかり驚いた。
いくらヴァンデモンでも、前世の時より腕を上げているメタルグレイモン達の必殺技を同時に喰らって生きていることに。
ヴァンデモンは凶悪な笑みを浮かべながら、もがれた腕を再生し、腹部に空いた風穴を埋めていく。

空「うっ…」

思わず空が口元を押さえる。
アインスも眉間に皺を寄せてヴァンデモンを睨む。
ヴァンデモンの再生能力。
確かヴァンデモンに再生能力など無かったはずだ。
なら、どうやって再生能力を手に入れた…?

大輔「っ!!暗黒の力…」

アインス「え?」

かつての最大の宿敵キメラモンカオスを思い出した。
高純度の暗黒の力を持って造り出された破壊神は、異常な再生能力を誇っていた。

大輔「暗黒の力で、再生能力を得たんだろヴァンデモン?俺達と戦いに備えて」

ヴァンデモン[そうだ。察しがいいではないか。私に屈辱を味合わせた貴様らを殺すためにな]

大輔「……仕方ないか」

暗黒の力で強化されてしまっては、今の太一達の手に負える相手ではない。
大輔はヴァンデモンの相手をするためにエクスブイモンを前に出したのであった。 
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