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人外と童女と紅白が異世界から来るそうですよ?

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箱庭の魔王
yes!ウサギが呼びました!
  力と知恵と勇気

「おんしらが望むのは挑戦か?それとも、決闘か?」
白夜叉が言い終わるが否や、白夜叉を含む全員部屋の畳が砕け散り、摩訶不思議な空間へと放り出された。
そこは待てども待てども白夜しか訪れない空、中央に聳え立つは巨大な山。
そしてその下には湖があった。
「ここが私のゲーム盤だ」
「ゲーム盤ね・・・」
「今一度問う。おんしらが望むのは私への挑戦か?それとも、決闘か?」
「「「・・・」」」
3人は暫し黙り込む。
「・・・はは、わかったよ。今回は試されてあげるぜ」
「む、それは挑戦、と言う事でいいのかの?」
「あぁ。こんな素敵な物を見せられちゃあね。君との決闘は、またの機会にさせてもらうぜ。」
「そうね」
安心院の言葉に、霊夢と余接は頷く。
黒ウサギはヒヤヒヤしながら見ていたが、やがてホッ、と胸を撫で下ろした。
「で、どんな試練にしてくれるんだい?」
「ふむ・・・そうじゃの・・・」
白夜叉は山の方をチラリ、と見る。
すると山の影から一匹の動物が姿を現す。
その動物は鷲の翼と上半身、そしてライオンの下半身を持った幻獣グリフォンだった。
「グリフォンか・・・まさか本当に居たとはね」
安心院は感心した様な声音で呟く。
「「・・・」」
一方で霊夢と余接は目を丸くし、グリフォンをまじまじと見ていた。
「このグリフォンの背中に跨り、其処の湖畔を一周する。それが今回の試練だ」
安心院の手の中に契約書類が現れた。
霊夢と余接、そして黒ウサギはそれを覗き込む。
《ギフトゲーム名 幻獣の試練
プレイヤー一覧
安心院なじみ
博麗霊夢
斧乃木余接
勝利条件 グリフォンの背中に跨り、湖畔を一周する。又は何らかの勝負でグリフォンに力、知恵、勇気を認められる。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

サウザンドアイズ 印》
「誰がやる?」
と余接。
「私がやるわ」
霊夢が挙手する。
グリフォンは霊夢を見つめている。
「ふむ、この子は『私は誇りを賭けるが、貴様は何を賭ける』って言ってるね。」
と安心院。
「なっ!おんし、グリフォンの言葉が解るのか!?」
「当たり前だろう?で、霊夢ちゃんは何を賭けるんだい?」
「命を賭けるわ」
「な、霊夢さん、貴女はお馬鹿様ですか!?」
「もし私が負けて生き残っていても、私はあんたの夕飯にでもなるわ。」
グリフォンは霊夢を見つめ、何かを訴えている。
「・・・『貴様の様な娘一人振り落とせないなら、私の誇りは無くなるに等しいであろう・・・よろしい。背中に跨れ』だってさ」
「そ。じゃ、失礼するわね」
霊夢はあえて空を飛ばず、自分の足で、自力でグリフォンに跨った。
「用意はよいかー?」
白夜叉が扇を掲げ、霊夢に問う。
「えぇ」
「では、スタートだ!」
白夜叉が扇を振り下ろすと同時に、グリフォンはその場から飛び去った。
「(く・・・流石に凄いわね・・・)」
霊夢はグリフォンの背にしっかりと跨り、バランスをとる。
グリフォンは軽く唸り、体を四方八方に動かす。
「霊夢さん、大丈夫でしょうか・・・」
黒ウサギは心配そうな顔でいう。
「さあ。でもあの体感温度、普通だったら凍死してるレベルだぜ」
間もなく湖畔を一周し、霊夢の勝ちが確定した瞬間__
霊夢はグリフォンの背から落下した。 
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