詩集「棘」
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思い出流す 夢の後先
不意に刺す心の痛み
これを何と名付けますか?
君と過ごした日々ばかり
気付けば思い出している…
人生は何と悲しき喜歌劇(オペレッタ)
笑顔の下では泣き腫らし
どこまでも嘘を吐き続けて…
夏が過ぎ去ってゆく
淋しい季節がやってくるよ…
思い出流す 夢の後先
君への気持ち押さえたままに
朝陽に映えるは羊雲
想い鏤め飛んで行け
この恋しささえも…
乗せて行け…
そっと佇む日溜まりは
ほのかに秋の匂いがする
僕は一人手を掲げ
届かぬ空に君重ね…
世界は何と粗雑な協奏曲(コンチェルト)
ズレた和音は戻らずに
響くはひたすら不協和音(ディスコード)
暑さも和らいだね
でもどうしてかな…切なくなるよ…
思い出流す 夢の後先
歪んだ時に暮れゆくままに
伸びゆく陰へと語らるは
愛しい君のことばかり
この苦しみさえも…
愛に変え…
思い出流す 夢の後先
心の傷も癒せぬままに
単純な想いだったら
すぐに諦められるのに…
儚き時はただ…
枯れてゆく…
思い出流す 夢の後先
君への気持ち押さえたままに
朝陽に映えるは羊雲
想い鏤め飛んで行け
この恋しささえも…
乗せて行け…
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