千剣士と竜使い
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第三話、デスゲーム
前書き
キリト「あの時のリュウは恐かった……」
リュウ「?(自覚なし)」
シリカ「其ではどうぞ♪」
光が収まるとリュウ達四人は≪始まりの町≫にいた
他にも、たくさんのプレイヤーたちが集まっており、全員が困惑顔をしていた
「どうやら今の光は転移のものらしいな……」
「結構いるな……」
「もしかしたら、全プレイヤーが集まっているかもしれませんね……」
「おいおい、早くしてくれよ、ピザ頼んでんのによ~」
それから数秒経ち、徐々に苛立ち始めた頃、空に【System Announcement】の文字が浮かびあがった
「運営側からのアナウンスだな……」
「漸くだな」
ほっとして、肩の力を抜くシリカ
しかし、夕焼けに染まった空の一部がどろりと垂れ下がり、空中でとどまり、そのどろりとした塊が形を変え20メートルはある人間の形になった
形はSAOに出てくるGMの恰好である……
だか、そのGMのローブもの中に顏は無く、袖の中には腕無い
、てか肉体自体がない
そのGMの両手がゆっくりと揚がり口を開いた
『プレイヤーの諸君。私の世界へようこそ。
私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』
茅場晶彦……
SAOを作った天才ゲームデザイナーで量子物理学者兼ナ―ヴギアの基礎設計者……
しかし、メディアへの露出を極力避け、GMの役割なんかもしない筈……
『プレイヤー諸君は、既にメインメニューからログアウトボタンが無いことに気づいてるだろう「あ、ほんとだ」……気付くのが遅い人がいるが、それは不具合ではなく≪ソードアート・オンライン≫本来の仕様である』
「仕様だとぉ!?」
GMの言葉に叫ぶクライン
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームからログアウトすることはできない』
「城ってのはまさか≪アインクラッド≫のことか?」
『また、外部の人間によってナ―ヴギアの停止、解除を試みられた場合、ナ―ヴギアが諸君の脳を破壊する』
「そ、そんなことできるわけが……」
リュウの横にいたシリカが声をあげた
「…可能だ。最新技術っていっても原理は電子レンジと同じ。出力さえあれば脳を蒸し焼きにすることもできる……てか一夏も出来んだろ?」
「あー、"パルスハンド"か……」
キリトの言葉にリュウは納得する
"パルスハンド"
今のところ一夏にしか出来ない電気系統の魔法である……
触れたものに電磁波を流し込み相手を焼き殺すというものである……
「なぁ、なんの話してんだ?」
「「此方の話だ、気にするな」」
「?」
「で、でも、電源コードをいきなり抜けば…」
『ついでにナ―ヴギアの重さの3割はバッテリセルだ。コードを抜いても無駄だ』
「そ、そんな…」
「いや、質問に返してくれたことに驚けよ!」
シリカに突っ込むキリト
「はい、質問です!停電でも起きたりしたどうするつもりですか?」
「リュウ、お前勇気あるな!?」
リュウの質問に驚くクライン
『正確には10分間の外部電源切断、2時間のネットワーク回路切断、ナ―ヴギア本体のロック解除、または分解、破壊のいずれかによって脳破壊シークエンスが実行されるため、停電になっただけでは死亡する事はない』
ー質問に答えた!?
其を聞いた全員が驚く
『ついでに現時点で、警告を無視しナ―ヴギアの強制除装を試み、すでに、213名のプレイヤーがアインクラッドおよび現実世界から永久退場している』
213人。
つまり、今まで死んだ人たちの数……
『今、ありとあらゆる情報メディアによってこの状況は報道されている
ナ―ヴギアを装着したまま、2時間の回路切断猶予時間のうちに病院、施設に搬送される
現実の肉体は、厳重な介護体制のもとにおかれる
諸君には、安心してゲーム攻略に励んでほしい』
「あ、そこまでしてくださるなんてすいません……」
『いやいや、これくらいは当たり前だよ』
『「はっはっはっはっはっはっはっはっ!!」』
そう言って笑うリュウとGM……
『何意気投合してんだよ!!!!!!!??????』
其に叫ぶプレイヤー全員
『さらに、≪ソードアート・オンライン≫はもうただのゲームではない
もう一つの現実だ
今後、ありとあらゆる蘇生手段は機能しない
HPがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、ナ―ヴギアによって脳を破壊されるからね、気を付けたまえ』
「成る程、ナ―ヴギアを外すと死ぬし、HPがゼロになれば死ぬ……か、解放されるには?」
『このゲームから解放される条件はただ一つ
アインクラッドの最上部、第100層に辿り着き最終ボスを倒すことだ
そうすれば、生き残ったプレイヤーは全員は安全にログアウトされることを保証しよう』
その言葉で多くのプレイヤーは黙りこむ
更にGMこと茅場はまた口を
開いた
『最後に諸君にこれが現実である証拠を見せよう
アイテムストレージに私からのプレゼントがある筈だ、確認してくれたまえ』
アイテムストレージを開くとそこに一つあった
アイテム名は手鏡……まんまである
オブジェクト化し鏡を覗くと自分が作った顔があった
ーこれがプレゼント?
リュウが首をかしげていると、急に体を白い光が包みこみ、3秒程経つと光が消えた
「あれ?リュウ!!どこ?」
「え?」
突然の大声に驚き、振り向く……確かそこにはシリカがいた筈……
「……へ?」
しかし、そこには長くもなく短くもない髪をツインテールにした、普通の可愛らしい子がいた……
横にいる見知らぬ女の子は確かにリュウの名を呼んだ……
「(まさか!!)」
リュウはもう一度鏡を見る……
そこには長い銀髪に青色の目……
リュウの現実の顔……九重 竜の顔がそこにあった……
つまり、この子は…
「…シリカさん?」
その子は振り向きリュウをまっすぐ見据えて
「…リュウ?」
そう言った
「どういうことなの!?リュウ、顔が変わってるよ!?」
「そちらもです。ほら」
鏡を見せるとシリカは
「あ、あたしの顏だ…」
そう言って何かに気付いたのかリュウを見る
「じゃあ、リュウは女の子なの!?」
「いや、男ですが……」
なのは達に自己紹介した時と同じ言葉を返すリュウ……
「現実だと認識させるために現実の顔に変えられたのではないかと……」
「で、でも、どうやって」
「ナ―ヴギアは信号素子で頭から顏をすっぽり覆ってますよね?
脳だけでなく顏の表面も精細に把握出来るのでは?
体のほうはキャリブレーションで自分の体を触ったりした際、
体格もデータ化したんでしょう」
「でも、どうしてこんなことを…」
「それは…もうすぐ本人が言いますよ…」
リュウの予想通り茅場はまた、言葉をはっした
『諸君は、今なぜこのようなことをしたのか、と思っているだろう
大規模なテロでも身代金目的でもない
私の目的はすでに達成してる
この状況こそが私の最終目的なのだ
…以上で≪ソードアート・オンライン≫正式チュートリアルを終了する
プレイヤー諸君の健闘を祈る』
そう言って茅場(GM)の姿は空に同化していくように消える
しばしの静寂の後、広場に絶叫が響いた
プレイヤーたちはどなり、わめき、悲鳴をあげる……
リュウはシリカのほうを見る…
「…シリカ」
シリカは肩を震わせ下を向いていた
「そんな…嘘だよ。これは、悪い夢だよ。だから……早く覚めて……」
そう呟いていた
「(精神的にまずいな)……」
このままでは自暴自棄になってしまう……
「シリカ、今日は宿に泊まろう。明日のことは明日考えよう」
シリカは無言で頷いた
そのときだった……
「おい、キリト!! どこいくんだよ!!?」
リュウ達の近くにいたぎょろりとした金壺眼、長い鷲鼻、むさ苦しい無精髭と、野武士のような顔の男が叫んだ
「(あ、クラインさん、そんな顔なんだ……)」
キリトと言う名を叫んだ男ということでクライン予測したリュウはそう思った
「俺はβテスターだ、だったら先に行ってマッピングを「キリト?」り、リュウ!?」
キリトの言葉にリュウは呼び掛け、其に驚くキリト……
ついでにクラインもリュウの姿を見て驚いていた
「何考えているのかな? 義務感を感じるのはわかるけどさ……冷静になっていない状態で行くのは危ないよ? 僕達がやったのは"βテスト"……つまり、未完成品だよ? もしかしたら何かあるかもしれないんだよ? 今日は休んで明日からやりなよ、わかった?」
すこし殺気を出しながら言うリュウ……
「い、いやでも」
「わかった?」
「でも」
「WA☆KA☆TTA? 」
「……はい」
リュウの言葉に折れたキリト……
リュウはキリトをクラインに任せ、シリカを連れて宿屋に向かった
●○●○
~ピロピロリン♪~
午後9時……
宿を見つけ、部屋にはいってシリカを寝かせてからそろそろ眠ろうとした途端、突然メールが来た
「ん? 誰だろう?」
そう言ってメールを見るリュウ……
差出人:九重 龍也
件名:大丈夫か?
メールの差出人は、竜の兄、九重 龍也だった……
「……えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!??」
思わず叫ぶリュウ
「……ふぇ?」
その叫びにシリカも変な声を出しながらむくりと起きたのだった……
後書き
龍也「其では感想、」
皆「待ってます!」
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