零から始める恋の方法
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三度目
前書き
設定ミスって事前投稿できてませんでした・・・。
あと、ガッツリPVが増えて吹き出しました。
数日後再び俺はあの場所に戻っていた。
あの後は・・・いや、よそう。
特に何もなかったし。
この場所から俺は・・・いや、俺たちは始まったんだ。
この場所を歩いていると助けを呼ぶ声が聞こえてくる。
俺は素直にそれを受け入れて助けに行った。
そこから俺たちは始まったんだ。
「おい、大丈夫か?」
こんな感じだったろうか。
「あ、えーと・・・道に迷っちゃいまして・・・」
「フッ・・・ハハハハハハハハハ!」
俺は突然笑い出してしまう。
そうだ。
こいつは・・・雪菜はド天然で抜けているやつだった。
ハハ・・・。
「あ・・・あの・・・」
「いや、すまんな。まっすぐな道だったのにどうして迷ったのかと思ってな」
「うぅ・・・それを言われると困ります・・・」
少ししょんぼりとしている。
こいつはなんだかんだで見た目はいいから、こうしているとかわいいのだが・・・。
ハハ・・・俺は本当にバカだ。
別に守ることぐらいやってやってもいいじゃないか。
「すまんな。謝るよ」
そう言って頭をなでてやる。
急に頭を撫でられて、不思議そうな顔をしている。
「なんで頭撫でるんですか?」
「気にするな。ちょうどいい位置に頭があったんだ」
昼休み。
久しぶりに央山と飯を食っていると、不意に大山からこんなことを言われた。
「お前、付き合ってんの?」
「ん?ああ、雪菜か。俺はいいなーぐらいに思ってるが、向こうはどうだろうな」
「・・・へえ。やけに積極的じゃん。もっと冷めた人間だと思ってた」
「そいつはひどいな。俺は見た目にそぐわず熱血漢なんだ」
少し苦笑いしながら冗談を言う。
そして、お互いで大笑いする。
ああ、こうしてこいつと笑いあうのも久しぶりだな。
・・・そういえば、なんで俺こいつとけんかしてたんだっけ。
すっげえくだらないことで仲たがいして、お互いにすれ違ったままにしてたらああなったんだよな・・・。
つまらない意地の張り合いだった。
これからはもっと大事にしていかないとな。
・・・せっかくの親友だし。
「よお」
放課後。
なんとなく今日はサッカー部を休みたい気分だったので、少し休ませてもらった。
・・・正直やめてもいいんだけどな。
実際今のサッカー部は俺に依存しきっている。
それはそれでどうかと思うし、ここらで離れてみるのもいいかな・・・と思い始めている。
皆優しいからな。
何も言わずに黙っていてくれるだろう。
少し心苦しいが、その時はその時だ。
俺はもう二度とあんな光景を、そしてあんな思いをみんなにさせたくないしな。
で、そんな放課後。
偶然雪菜を見かけたので、声をかけてみた。
「あ、朝の人・・・」
「上元だ。上元京介」
「あ、私は持上雪菜っていいます。一年生です!」
知ってる。
まあ、言わないが。
「あの後は大丈夫だったか?」
「はい!ぎりぎりセーフでした!」
「そうか。それはよかった」
ここで俺が助けなければ雪菜はクラスの女子に目を付けられ、いじめの標的にされていたらしい。
そこからは地獄の日々を必死に利英と耐えている毎日だと利英は言っていた。
どこまで本当かは知らないが、いずれにしろ今度はちゃんと向き合っていこう。
「ま、色々あると思うが、頑張れよ」
逆の方向から来て鉢合わせしたような感じなので、すれ違うようにして去る。
とりあえず去り際に頭を少し撫でておく。
うん、やっぱりこの撫で心地ハマるわ。
「じゃあな」
雪菜は頭を押さえて少し呆然としていた。
が、すぐに赤くなって俺とは真逆の方向へと走り去っていった。
「・・・京介」
最近私のことをあんまり見てくれなくなった。
しかも、避けているかのように。
・・・私京介のこと怒らせちゃったかな。
「よっ」
「ひゃあっ!?あ、京介・・・」
「何してんだよ、んなとこで」
突然京介が現れたからびっくりする。
・・・もう完全に錆びついちゃってるわね。
近々デカい任務があるっていうのに何平和ボケしちゃってるのよ。
「んーと・・・被写体の観察?」
「ものなんてどこにもねえじゃねえか」
「わかってないなー京介はっ!」
指をチッチッと振り、少し解説してあげようと思う。
「いい、被写体ってのはものに限らず、そこにある風景でも別に・・・って逃げるなー!!」
なーんだ・・・。
京介は京介だ。
別に私のことをさけているとかそんなんじゃなかったんだ。
単純に私の思い過ごしだったんだ。
そういえば、雪菜には両親がいない。
紗由利さんや想夢、利英にも両親がいない。
確か京にも・・・いや、京はいたんだっけ?
とにかく、両親がいない率が激しすぎる。
・・・少し調べてみるか。
と、いうわけで地元の新聞とかが置いてある市役所に来ました。
ふつうこういうのって図書館とかじゃないか、って思うが何故か市役所においてある。
一応頼めば十年以上前の新聞も貸してくれるそうなので、新聞に何かしら記事が載っていればわかるはずだ。
雪菜の両親のことがわからなくても、利英のことならわかるだろう。
アレだけの大豪邸だ。親がどういう職業だったのかぐらいはわかるはずだ。
で、借りてきた。
日付は十二年前。
俺がまだ四歳の時の話だ。
凛堂夫妻・・・。
あった。これだ。
なるほど。
研究職か。
研究テーマは・・・人間の限界?
これ以上はこの新聞には載っていない。
他の新聞にも載ってなさそうだし、今度は凛堂夫妻が何について研究していたのか調べてみることにする。
すると、凛堂夫妻は人間の脳のリミッターを外すことを研究していたらしい。
通常、人間は本来の力の半分も出せていないらしい。
肉体が耐え切れないからだ。
それを凛堂夫妻は本来の力が出せるような人間を生み出そうとした。
そうすれば、現在不治の病などと言われている病を治せるかもしれないからだ。
このようにして、平和のために尽くしていきたいといい締めくくられていた。
あとはだいたい想像がつく。
B級映画並みの発想だが、例の武装集団にその研究を悪用されかけたのだろう。
だから、両親は娘を守るために逃げた・・・と。
ハハ・・・なんだよこれ。
映画のみすぎだっつーの。
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