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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1068話

「……よく考えたら、こうやってBETAと戦うのは随分と久しぶりだな」

 ニーズヘッグのコックピットの中で、ふと呟く。
 映像モニタに映し出されているのは、このマブラヴ世界では当然の如くBETAの群れ、群れ、群れ。
 数にして約3000。連隊規模のBETAだ。
 敦煌ハイヴの近くまできたにしては、随分と少ないように思える。
 ……まぁ、こっちの戦力がニーズヘッグだけであるのを考えると、もしBETAにその辺の自意識があれば『お前が言うな』と突っ込まれそうだな。
 性能はともかく、数では1機なんだし。
 今回の間引きは技術班の方からの要請でBETAの捕獲と、鬼眼の試験的な意味合いもある。
 捕獲したBETAの持ち帰り用に、少し離れた場所に輸送機を伴った量産型Wのシャドウが待機しているのを考えれば、準備も万端。
 捕獲したBETAも、技術班が使う奴の他にマブラヴ世界の基地にも運ばなければならないので、輸送機はそっち用だ。

『アクセル代表、BETAの進軍を確認しました。真っ直ぐにニーズヘッグの方へと向かっています』
「だろうな。向こうにしてみれば、ニーズヘッグは最高のお宝に見えるんだろうよ。誘引するという意味ではこれ以上ない程の効果を発揮する訳だ。それより、俺が呼ぶまでこっちに来るなよ。もしかしたら巻き込むかもしれないからな」
『了解しました』

 その通信を最後に、量産型Wからの通信が切れる。
 よし、準備はOKっと。後は鬼眼の実験だな。
 そのままニーズヘッグを地上へと降ろし、コックピットから外に出てその肩の上に立つ。
 T-LINKフレームで出来ている装甲である為、外からでもある程度の操縦は可能である以上、各種バリアは展開したままだ。
 まぁ、こうして俺が外にいる状態でレーザーを放たれて機体が被害を受けたら洒落にならないしな。
 ニーズヘッグはPS装甲もあるが、そもそも装甲自体はそれ程厚い訳ではない。いわゆるリアル系で、敵の攻撃は回避するという機体なのだから。
 そしてニーズヘッグのその柔らかいと表現すべき装甲を補っているのか、各種バリアだ。
 外側からEフィールド、G・テリトリー、念動フィールド、PS装甲の4つ。まぁ、PS装甲もバリアに入れていいのかどうかは迷うが。それと攻撃がミサイルの場合はジャマーもある。
 正直、これだけのバリアを張っている時点で、装甲がプラスチックで出来ていても壊れる事はないんじゃないかと思うのは、きっと俺だけではないだろう。
 ……まぁ、技術班辺りにそんな事を言えば、それを本気にしてプラスチックで装甲とかを作ったりしそうだが。
 T-LINKフレームの機能をプラスチックに持たせるのはまず無理だと思うが、それをやりかねないのが技術班だし。
 ともあれ、ニーズヘッグの防御力は基本的にバリアに頼っている以上機体の動力源を落とす訳にはいかない。
 かといって空間倉庫に収納すれば、より高性能な機械に向かうというBETAの性質が発揮されない可能性もある。
 その結果が、現状の外から装甲のT-LINKフレームを使った機体制御だった。

「来たな」

 こちらに向かって真っ直ぐに突っ込んで来る突撃級。
 敦煌ハイヴから程近い場所ということもあって、この周辺は荒野と化している。
 本来ならここも山や川といった自然があったんだろうが、その全てをBETAが破壊してこうした荒涼地帯へと姿を変えたのだろう。
 もっとも、だからこそこっちに向かって真っ直ぐ突っ込んで来る突撃級の姿を見逃す事なく発見できるんだが。
 そんな風に突っ込んで来る突撃級に向かい、SP――魔力――を込めて鬼眼を発動……するが、数km程度の距離からでは効果を発揮しない。
 SPが消費され、目が微かに光って鬼眼が発動したという実感はあるが、突撃級には何の異常もない。……実はBETAには効果がないだけとかじゃないよな?
 炎獣に効果があった以上、そんなことはないと思いたい。……ん?
 気が付けば、突撃級が綺麗に左右に分かれているのが見える。
 何をしようとしているのかといえば、それは俺でも理解出来る。光線級、重光線級は決して味方にレーザー照射をしないのだから。
 事実、次の瞬間にはニーズヘッグのEフィールドがBETAの群れの奥、突撃級の向こうから放たれたレーザーを弾く。
 残念ながら、重光線級のレーザー照射を集中して受けてもニーズヘッグの一番外側にあるEフィールドさえ突破出来ないというのは、以前からの戦いで証明済みだ。
 幾つものレーザーが延々とEフィールドに弾かれ続け……やがて照射時間の限界がきたのだろう。次第にレーザーの数が少なくなっていく。
 これでまた少しすれば再びレーザーが発射されるんだろうが、今はそんなのは関係ない。こっちに向かってきている突撃級の距離がそろそろ3kmを切る。
 そんな突撃級に向かって再び鬼眼発動。
 ……だが、今度も効果は無し。
 おい、これってもしかして本当にBETAには鬼眼が効果なしだったりするのか?
 もしそうだとうすれば、炎獣に効果があった理由が分からない。
 2km、1km……ここだっ!
 再度鬼眼を使用。すると次の瞬間にはこっちに向かってきている突撃級のうち何匹かが突然足並みを乱して転び、あるいは何を思ったのか自分の真横にいる突撃級へと向かって体当たりをする。
 更には、突撃級の装甲殻が緑色だったり、青だったり、赤だったりの斑模様に浸食されていく。
 勿論前方の突撃級の陰にいたおかげで鬼眼効果から免れた突撃級もいるが……それらは味方の暴走でダメージを受けていた。
 ふぅ、何とか成功か。
 視線の先では、突撃級数匹が突然道を逸れてニーズヘッグから大きく外れた方向へと突き進んで行く。
 そして、弧を描く様に移動し……BETAの中衛部分に向かって突入する。
 BETAの中衛といえば、兵士級を始めとして小型種が多数いる。そんな無数のBETAを、踏み潰し、弾き飛ばす突撃級。
 BETAの方でも、仲間に対して攻撃を出来ないという習性がある以上は突っ込んで来る突撃級に攻撃する事が出来ず、そのまま一方的に蹂躙されるに任せ……何?
 中衛を横断しながら多数の小型種や要撃級といったBETAにダメージを与えた突撃級だったが、何を思ったのかそのまま真っ直ぐに中衛の群れの中を突っ切るとあらぬ方向へと向かって進んでいく。
 ……そう。例えば魅了や混乱といった状態異常に掛かっているとしたら、そのまま再び中衛へと向かって突っ込んで行くだろう。
 だが、突撃級はそんなのは関係ないと、まるでもう用は済んだから意味はないとばかりに真っ直ぐ群れを突っ切った後は、あらぬ方へと向かって走って行く。
 何があった?
 いやまぁ、こっちに攻撃してこなかった以上、鬼眼の効果が発揮していたのは明らかだろうが、それでも色々と意味不明だ。
 あらぬ方へと進んでいった突撃級に関しては、取りあえずいい。他の突撃級は……そう思って視線を向けると、そこではこちらに向かってくる突撃級の足並みが見るからに乱れ、バラバラになっている。
 恐らく状態異常の効果によるものだと思われるが、ランダム性が高すぎる。
 ある突撃級は、見るからに速度が遅くなっている。動きが鈍くなる状態異常か、あるいは重力といったところか?
 この鬼眼というのは、視界に映し出される全ての敵に対して状態異常を与える事が出来る程の効果を持っている。だが、その効果にランダム性が高いというのは……また、使えるのやら、使えないのやら。
 いや、使えるか使えないかで言えば間違いなく使える。だが、使い勝手が悪いというのがこの場合は正しいだろう。
 SPの消費も激しいしな。
 ステータスを見ると、突撃級の群れに鬼眼を使っただけ――何回か失敗したが――だというのに、大きくSPを消耗している。

「まぁ、取りあえず麻痺と思われる状態異常で動けなくなっている奴を捕獲するとして……それ以外は仕留めるか」

 呟き、再びレーザーが放たれてはEフィールドに弾かれているのを見ながら、ニーズヘッグのコックピットへと戻る。
 外からT-LINKフレームの装甲越しにコントロールする必要があった為、当然動力炉を止めてはいなかったので、特に苦労する事なくニーズヘッグを動かす。
 まず狙うのは、鬼眼の効果で状態異常を食らっているにも関わらず、まだ真っ直ぐこっちに向かってきている突撃級。
 どんな状態異常になっているのかは分からないが、それでも同士討ちとかをする事なくニーズヘッグを目指しているのを考えると、混乱や魅了とかそんなのではないんだろう。
 それと、鬼眼が届かなかった突撃級もだな。
 こっちに向かってくる突撃級に向かい、ヒュドラの先端の砲口を向け……連射する。
 6基のヒュドラから連続して放たれるビームは、その全てがこちらに向かって突進してくる突撃級の装甲殻を貫通し、更にはその背後にいる別の突撃級をも貫通し、と瞬時にその巨体を屍へと変えていく。
 この屍に関しては……まぁ、シャドウミラーとの取引の材料にもなるんだろうし、重慶ハイヴを治めている帝国軍が斯衛軍辺りが適当に回収してくれる……か? いや、敦煌ハイヴに近すぎるから向こうのBETAに見つかるか。
 余裕があったら持って帰るか。
 こっちに向かってくる突撃級を全て仕留める事に成功し、残っているのは麻痺と思われる状態異常で動けなくなっている突撃級。
 いつまでこの麻痺の効果が続くのか分からないというのは痛いな。
 鬼眼を使い続けていればそのうち慣れてはくるんだろうが。
 正直、鬼眼は微妙に使い勝手が悪いスキルだ。
 敵味方識別は出来ない以上、集団戦の場合は先制攻撃として使うしか出来ないし、効果に関してもランダム。更にこっちはまだ使ってないから確実とは言えないが、恐らくは生身の相手にしか効かない。つまり、PTやらKMFやらMSやらVFやら戦術機やらに乗っている相手には効果がない……と思われる。
 この辺は、コーギアスの原作でルルーシュがヴィレッタに対してギアスを使った時にサザーランド越しだったので効果がなかったのをイメージすれば分かりやすいだろう。
 また、俺自身が機体の中にいる状態から鬼眼を使っても効果がないというのもある。
 ともあれ、その辺の詳しい解析は次だ次。
 いまはBETAの中衛を片付けるのが先決だ。
 中衛は、先程の混乱か魅了辺りの状態異常になったと思われる突撃級が蹂躙した影響で、完全に隊列が乱れている。
 要撃級や戦車級といったBETAが混乱しているように思えるのは、鬼眼の効果を知っている俺の思い込みか?
 ともあれ、そんな風に動きの乱れたBETAの中衛へと光線級や重光線級のレーザーを受けながら向かって近づいて行き、再びコックピットから出て、鬼眼を発動。
 そうすればBETAの動きが先程の突撃級同様に乱れる。
 動きの止まっているBETAは、やはり麻痺したのだろう。……実は睡眠とかだったりしないだろうな? ドラクエのラリホー的な。まぁ、BETAがどんな風にして眠るのかは俺も分からないが……

「あ」

 思わず声を上げる。
 自分でもどこか間の抜けたように思える声だったが、それも当然だろう。俺の視線の先では、光線級が要撃級へと向かってレーザーを放っていたのだから。
 光線級や重光線級は絶対に味方を誤射しない。
 その絶対的な原則が初めて崩れた瞬間だった。
 もっとも、レーザーは延々と照射可能な訳ではない。俺の視線の先では、光線級が照射の限界時間にきたのか、動きを止めていた。……が、その光線級に向かって攻撃をする他のBETAはいない。
 おいおい、これってもしかして光線級と重光線級を鬼眼で混乱か魅了状態にすれば何もしなくてもBETAを殲滅出来るんじゃないか?
 ……いや、その前に途中で鬼眼の効果が切れるか。
 その辺を思うと完全に頼り切る訳にはいかないが、それでもいざという時にはかなり有効な選択肢にはなり得る。
 後で重光線級でも試してみるか。
 そう判断し、麻痺しているBETAを確認していくが……いやまぁ、分かってたけどな。
 確かに闘士級や兵士級は小型な分、数が多い。だからこそ当然麻痺になっている個体数も多い訳だ。
 量産型Wをこっちに呼んだら、ある程度間引いておいた方がいいかもしれないな。
 にしても、何だかんだで麻痺ってのが鬼眼の中では最も役に立つ。
 先程の光線級の場合はこっちに攻撃してこないのはいいが、その対象が俺だけなのか、それとも俺の味方にも攻撃しないのかが分からないし、はたまた今回のような時のように相手を捕獲する必要がある場合とかも、そっちに向かって攻撃されると困る。
 それに比べると、麻痺の効果は単純明快に動けなくなるだけ。
 敵を無力化するだけで、混乱や魅了のようにこちらの戦力として数える事は出来ないが、同時にどの敵に向かって攻撃するのか分からないという不確定要素を抱え込む必要もない。

「ま、とにかく……お前達は滅びろ。ファントムッ!」

 まだ生き残っているBETAに向かってファントムを放ち、同時にメガ・バスターキャノンを発射状態のまま砲口を動かし、無数の小型種共を消滅させていく。
 一応麻痺した個体は生き残っているし、問題はない……だろう。
 その後も同じように鬼眼を使って要塞級、重光線級を混乱させ、結果的には全てのBETAを合わせて100匹近くを捕獲する事に成功する。
 輸送機を追加で呼ぶ事になってしまったが、まぁ、結果オーライだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:355
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1180 
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