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七つの大罪と異世界の黒燐持つ龍

作者:怪獣王
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一話

バムトがメリオダスたちと旅を始めて数週間経った頃だった。

「やべやべ・・・食料調達してたら開店時間過ぎちまったよ。」

この物語の主人公、バムトは近場の村に食料の買い出しに出ていた。帰る途中、バムトはあることを考えていた。

「メリオダスのやつ・・・まさか調理してねえだろうな。あいつの料理出したら客が減る一方だ。」

そう、メリオダスは料理が下手くそなのだ。メリオダスが料理する場合は美味い料理は絶対に出てこない。その味に絶望し何人の客がいなくなったことか。

「早く帰んねえと・・・」

バムトは帰路を急いだ。







「メリオダスー、戻ったぞー!」

《豚の帽子亭》、それがメリオダスがオーナーをしている居酒屋の名だ。この居酒屋は一見普通だが実際にはかなり変わっている。この居酒屋の下には巨大な豚、ホークママがおりその豚の力で度々拠点を変える移動式だ。その居酒屋に今バムトが帰ってきた。しかし

「遅かった・・・・・・」

客がいた形跡はあるのだが、一人も残っていない。そしてかなり散らかっている。暴動でも起きたのだろうか。バムトはメリオダスに事情を聞くために居酒屋の二階へと足を運んだ。この居酒屋は一階で営業、二階からは寝室となっている。

「メリオダス!一階の荒れようはどういうことだ・・・・・・誰それ?」

バムトは一瞬思考が停止した。メリオダスのベッドに知らない女性がいたのだ。そしてメリオダスはその女性の胸を触っている。

「おかえり〜。遅かったな。ちゃんと頼んだもの買ってきたか?」

「いやいや、そんなことより誰それ?」

「あ、あの・・・」

「最近噂で聞いたことあるだろ?《さまよう錆の騎士》。」

《さまよう錆の騎士》、最近ここらで出没するユーレイ騎士だ。この辺の住民は皆気味悪がっている。

「ああ・・・・・・まさか・・・」

「そのまさかです!」

「なんでこんな女の子が・・・」

「あの・・・ここは・・・?」

「ここは《豚の帽子亭》!俺の店だ!」







「介抱していただいた上に食事まで・・・なんてお礼を言ったらいいか・・・」

「気にすんなよ。ぶっ倒れるほど疲労がたまってたんだろ?食事くらいいくらでも出すって。」

「よかったな、バムトが帰ってきてて。このスケベ野郎が調理してたらまたぶっ倒れてたぞ。」

今しゃべったのは豚のホーク。残飯処理係だ。

「いただきます。」

少女は料理を口に運ぶ。すると急に彼女の頬に涙が流れた。

「すごく・・・美味しい・・・」

(そんなにうまいもんかな?)

彼女の涙は美味しいものを食べて感動したとは少し違う感じだった。そこでメリオダスが少女に問う。

「なあ・・・お前、あんな鎧姿で何してたんだ?」

「・・・探してるんです・・・七つの大罪を
・・・」 
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