| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と森の狼達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八幕その十一

「人が入られる、お風呂位の大きさのね」
「それでそこにお水を入れて」
「まずはそうしてだね」
「お風呂が出来たけれど」
「お湯じゃないけれど」
「お水のままだよ」
「そこに焼け石を入れるんだ」
 ここで言ったお湯の作り方はこうしたものでした。
「お水の中に焼け石を入れたらお湯になるね」
「確かにね」
「それでなんだ」
「お湯を作って」
「そこに入るんだ」
「そうするんだ」
「そうだよ、お風呂はこうして作るんだよ」
 山窩の人達はというのです。
「そう聞いたよ」
「不思議な入り方だね」
「とてもね」
「いや、本当にね」
「面白いね」
「そんなお風呂もあるんだ」
「そうなんだよ、それが山窩の人達のお風呂だよ。他にもお風呂はあると思うけれどね」
 先生が知っている山窩の人達のお風呂はこうしたものみたいです。
「こうしたのがあるんだ、ただね」
「ただ?」
「ただって?」
「何かあるの、先生」
「山窩の人達にまだ」
「まだ何かあるの?」
「うん、山窩の人達はもう殆どいないしそれに」
 しかもというのです。
「その言葉は日本語じゃなかったんだ」
「あれっ、日本人なのに」
「日本語喋っていなかったんだ」
「そうだったんだ」 
 皆先生のそのお話にはびっくりです、天地とを作る手は止まっていmせんが声はこれまた驚いたものになっています。
「じゃあどんな言葉だったのかな」
「日本語じゃないって」
「日本なのに」
「一体」
「縄文時代の頃の言葉がそのまま使われていたらしいよ」
 それが山窩の人達の言葉だったとのことです。
「何でもね」
「昔の言葉だったんだ」
「ずっと昔の言葉使ってたんだ」
「それが山窩の人達だったんだ」
「そうだったんだね」
「そうみたいだね、そうした人達も日本にいたんだ」
 そして今もというのです。
「ここにはもういないかも知れないけれど」
「そうなんだ」
「そうした人達もいたんだね」
「いや、凄いね」
「日本にいてもね」
「日本語じゃない言葉を喋る人もいたんだね」
 動物はこのことも知って目を丸くさせるのでした。
「イギリスはね」
「そうそう、イングランドとスコットランド、アイルランドとウェールズでね」
「四国あってね」
「それぞれの言葉があって」
「コックニーなんて言葉もあるけれど」
 ロンドンのダウンタウンの言葉です、とても独特な言葉です。言うならば英語の方言ロンドンの
ダウンタウンのそれです。
「それで日本も方言はあるけれど」
「日本語だからね、どれも」
「日本語以外の言葉もある」
「そうした言葉を使う人もいた」
「そうだったんだね」
 皆しみじみとするのでした、そうしたお話もしてでした。先生達は夜になったのでテントを作ってそして晩御飯を食べて休むのでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧