ドリトル先生と森の狼達
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第八幕その七
「こうしたことは当然だよ」
「当然って」
「そうなんだ」
「先生にとっては」
「自然をおかしな人達から守ることもね」
それもというのだ。
「人の務めだから」
「そうだよね、先生ってね」
「いつもそう言ってるよね」
ここでジップとホワイティが言いました。
「人は自然を大切にしないといけない」
「それも務めだって」
「文明を大事にしてね」
そしてというのです、先生も。
「自然も大事にしないとね」
「そのどちらもだね」
「大事にしてこそだよね」
ガブガブとチーチーも言います。
「人は人でいられる」
「文明と自然の両方があってこそ」
「人は両方の世界に生きているんだよ」
先生は持論も述べます。
「文明と自然の二つの世界でね」
「だからどっちも大切にすべき」
「そうよね」
ポリネシアとダブダブも頷きます。
「だから動物も植物もね」
「大事にしないといけないって言ってるわね」
「人はどっちも否定出来ないよ」
先生はまた言いました。
「二つの世界のどちらもね」
「そうだよね、だから」
「今回もだよね」
トートーと老馬は先生のお傍にいます。
「だから狼さん達のことも」
「当然としてだね」
「うん、考えさせてもらっているから」
先生は腕を組んで考えるお顔になっています。
「果たしてどうするのかだね」
「それでなんだ」
「だからお礼とかはいいんだ」
「僕達からの」
「いよ、僕はお礼とか言われるの苦手だし」
このこともというのです。
「いいよ、とにかくどうするかだよ」
「そうだね、マスコミとかおかしな学者さんとか」
「その人達をですね」
「どうするのか」
「考えるところですね」
「そうなんだよ、しかし」
ここで先生は王子とトミーにも応えました。
「ここじゃ答えは出ないかもね」
「この森の中で考えても」
「そうしてもですね」
王子とトミーも先生に応えます。
「答えが出ないなら」
「森を出てから考えますか」
「神戸に戻ってから」
「そうしてからですね」
「森の中では調査に専念した方がいいだろうね」
先生もこう考えるのでした。
「ここはね、だからね」
「それじゃあここは」
「調査に専念しますか」
「とりあえずはね」
「そうされるんですね」
「うん。それに狼君達のことをもっと知りたいし」
それにというのです。
「あと熊君のこともね」
「ああ、熊さんならね」
「ここから少し先にいるよ」
「もう春だし冬眠も終わったし」
「子熊君達と一緒にね」
「楽しく過ごしているよ」
「そうだね、春だからね」
先生もこの季節から言うのでした。
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