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オズのカエルマン

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第八幕その十一

「その熊がどうして不機嫌か気になるけれど」
「避けますか」
「会えばその時は」
 まさにというのです。
「クッキーの出番だね」
「わかりました」
 ケーキは魔法使いのその言葉に頷きました。
「用意はしています」
「まあ気をつけてね」
 狼達は一行に忠告するのでした。
「熊は怖いからね」
「そうだよね、君達は実は優しいけれど」
 カエルマンが狼のその言葉に応えます。
「不機嫌な熊ときたら」
「あんな怖いものはないよ」
「その通りだね」
「虎や豹より怖いよ」
 狼はこうも言いました。
「あとクズリもいるけれど」
「あっ、クズリは」
 ナターシャがクズリと聞いてすぐに反応しました。
「確かに怖いわね」
「そっちの黒い服のお嬢ちゃんはクズリを知ってるんだね」
「ええ、私の国では有名だから」
 ロシアではというのです。
「クズリのことは」
「身体は小さいけれどね」
「実はね」
「そう、僕達なんかよりずっと怖いよ」
「そうよね」
「クズリって動物園にもいるけれど」
「そんなに怖いんだね」
 恵梨香とカルロスはぴんとこない感じです。
「小さいのに」
「そうなんだ」
「そうなの、だから気をつけてね」
 ナターシャは二人にこう忠告しました。
「クズリにも」
「ええ、わかったわ」
「そうするよ」
「熊とクズリだね」
 ジョージは狼の話をこうまとめました。
「注意しないといけないのは」
「そうだね、特に熊だと思うけれど」
 神宝がそのジョージに応えます。
「クズリにもね」
「注意しないとね」
「クッキーは何時でも出せるから」
 ケーキはもう手に眠り薬をかけたクッキーが入った袋を持っています。何時でも投げられる様にもしています。
「安心してね」
「はい、お願いします」
「僕も用意しておくよ」
 魔法使いも霧吹きを出しています。
「だから安心してね」
「わかりました」
「じゃあいざという時は」
「僕達が何とかするからね」
 魔法使いはにこりと笑って言って子供達を安心させました。
「君達がしなければならないことはね」
「はい、怖がって逃げ出さないことですね」
 リーダー格のジョージが答えました。
「そしてはぐれないこと」
「僕達の後ろに隠れているんだよ」
 そうした猛獣が出て来た時はというのです。
「いいね」
「わかりました」
「後ろは僕が守るからね」
 カエルマンも五人に言います。 
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