オズのカエルマン
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第八幕その八
「だからね」
「若し猛獣に出会っても」
「これを猛獣の顔にかけてね」
霧吹きの中にある眠り薬をというのです。
「眠らせればいいよ」
「そうすればですね」
「いいよ」
「飛び掛かって来る様な猛獣だとどうしますか?」
ケーキが魔法使いに尋ねました。
「その場合は」
「その場合はね」
魔法使いはここでも知恵を出しました、その知恵はといいますと。
「ケーキのクッキーにね」
「霧吹きの中の眠り薬をかけて」
「うん、そしてね」
「それをその猛獣に食べさせるんですね」
「前に投げたりしてね」
「そうして食べさせて」
「眠ってもらおう」
これが魔法使いの知恵でした。
「この眠り薬はかかったり食べたりしたらすぐに寝るから」
「そんなに強いんですね」
「そうなんだ」
「じゃああらかじめクッキーにお薬をかけておいて」
「備えはしておこうね」
実際にケーキが出したクッキーにです、魔法使いは霧吹きからお薬をかけました。そしてそれを今は袋の中に包んでしまっておいてです。
そしてです、カエルマンが皆に言いました。
「じゃあね」
「はい、今から」
「出発ですね」
「そして出口を目指そう」
皆を勇ませる言葉でした。
「これからね」
「わかりました」
神宝がカエルマンのその言葉に笑顔で頷きました、そしてです。
迷路の中に入りました、その中に入って先に進んでいきます。神宝は先に進みながら皆にこうしたことを言いました。
「あともう行ったという場所には」
「どうしたのかな」
「目印を付けておいた方がいいかな」
こうジョージにも言うのでした、紫の木々の壁に包まれた迷路の中で。
「そうした方がいいかな」
「目印?」
「うん、何かね」
「目印があると確かにね」
どうかとです、ジョージも言いました。
「迷路はいいね」
「前来た場所ってわかるからね」
「迷わなくなるよね」
「そうだよね」
カエルマンのジャンプによるチェックと合わせてです。
「余計にいいね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「何かで目印を付けていよう」
「そうだね、ただ目印っていっても」
それはとです、ジョージは難しい顔で言いました。
「何で目印にしようか」
「それが問題だよね」
神宝もこのことについてふと気付いたのでした。
「そういえば」
「森といえば枝や葉だけれど」
「多過ぎるね」
見れば通路になっている場所にもです、枝や葉が一杯落ちています。確かに枝や葉はあるにはあるのですが。
「これだけ多いとね」
「手に入れることは出来てもね」
「目印にするには」
「他の枝や葉に埋もれてしまうよ」
「そうだよね」
「だからね」
それで、というのです。
「これはね」
「目印には使えないね」
森の中にある枝や葉はというのです。
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