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色のささやき

作者:萩原正貴
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二日目、2

母は白い生地の日傘をさした
それがレース刺繍で縁どられていたのを
よく覚えている

小さなハンドバッグを腕に提げて
汗を拭く為のハンカチを握って

木々に埋もれそうな神社の脇に差し掛かった時
あ、と声が出た

『どうしたの?』
立ち留まって母が聞く

神社の境内を通り抜けると橋本への近道なんだ

そう言いかけて
神社で遊ぶものじゃない、と祖母から
常々注意されていたことを思い出した
『何でもない』

母は特に気も留めずさっさと歩き出した 
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