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Fate/staynight/the/crossovermoment

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あの星を眺め、真実の扉を開いた者達

 
前書き
ホント久々の更新です、読んでくれると嬉しいです 

 
「「エクス・カリバー!!!!」」
対の聖剣は魔力を開放する。
『主君に捧げる勝利の剣』
『約束された勝利の剣』
黄金の疾風は吹き荒れる。
その大地を削り、地球の自脈その物を別の物質に変化させ形態を形を変えた。
「アーサー! 止めろ!」
私服姿の少年は膨大な魔力を聖剣に注入する。
部分英霊化。
人間の姿のまま一部のみを宝具化する具現化だ。
召喚して間もないのに、なんて奴だ。
「マスター。僕はアイツを倒すよ。
貴方は、僕が護るからね」
その斬撃は流星。その一撃は彗星。
魔力を維持したまま斬撃を繰り出した。一定の魔力を留めた聖剣の斬撃ーーー最高クラスの攻撃を何度も、何度も、セイバーに放った。
「セイバー!?」
無茶苦茶だ、その斬撃は魔力を一点集中開放のみの一撃の筈だ。それを斬撃で、繰り出すなんて・・・地形を歪ませ大地を破壊する。あの時の数倍魔力が膨れ上がっている、本気じゃなかったんた。
何者なんだ、お前は?



偽りの聖杯戦争は六柱から連なる聖杯戦争だ。
聖杯戦争で最高のランクの英霊『セイバー』は存在せず、最も特化されたステータスを保持する英霊の数は減った。稀に複数の宝具を所持する英霊も存在するが、最終的な結論は『運』だ。

狂った聖杯戦争は不可解な聖杯戦争だ。
決められたルールは消え、残ったのは殺戮のみ。
参加者は拒まず、受入れた者達を狂わせる聖杯戦争、参加者の条件は現実を嫌ったイカレ野郎。
狂った者達のみ参加を許された戦争だ。勿論、人間以外の生物も参加可能な聖杯戦争は前例を数えても『3』回。
聖杯戦争を続ける為の配慮なのか、工夫された追加ルールなのか、今回の聖杯戦争は不可解だ。
何故、魔術師のみ参加可能な聖杯戦争は一般人を巻き込み、無関係者を歓迎するのか?
何故、決められた人数の規定を超え、新たな召喚法を発見するのか?
何故、召喚されぬ筈の『神』の召喚が許されたのか?
何故、神崎 斬叶の英霊は『セイバー』なのか?


『アーサー王』同士の衝突は地震その物だ。
ひび割れた大地の中心地はこの世の物とは思えない程、散乱し、この世の物とは思えない程、削られていた。
俺は、見ているだけだった。
『アーサー王』同士の衝突を聖剣の激突を・・・・・・本物同士の決闘を。
『アーサー』と名乗った少年は聖剣を構え、一言呟いた。
「退屈、だ」
その言葉は真実だ、アーサーはセイバーを圧倒している。
魔力の質・剣術、圧倒的だ。圧倒的な優位は満身その物、敗北を知らない無垢な少年は退屈そうな表情、不満気な回避行動で、とある結論を導き、笑みを零す。
「あぁ、成程ね」
その一言を吐いた瞬間、アーサー王はセイバーを弾き飛ばした。
絶対的な差は埋まらない。隙を見せれば聖剣の一振りで消える。
常人の反応速度を超えた動きを見せつつセイバーは聖剣の鞘を構えた。
「聖剣の鞘・・・・・・私の聖剣は変わり者でね。
鞘を嫌ってるんだ。人間で例えるなら寝床様な物なのに……まぁ、そんな訳で僕は羨ましい」

「だからさ、その鞘頂戴」

そのアーサー王は変わり者だった。
自身を私、僕、俺、様々な言葉で自分を例え。
様々な聖剣で戦場を制した。
聖杯戦争の理を破る者…………アーサー王は一人じゃない。
複数の伝説、複数の人物から創られた架空の存在。
なら、聖杯戦争で複数のアーサー王が剣を交えても何ら不思議とは言えない。
召喚を許されたアーサー王。
召喚を禁じられたアーサー王。
そのスペック差は圧倒的で、端から勝負にならない。
抗っても嘆いても結果は変わらない。変わるのは聖剣同時の衝突で現れた魔力の磁場のみ。
女騎士のセイバーは最強の騎士だ。
なら、突如召喚された謎のアーサー王は?


「貴様、何を媒体にした?」
師匠…………俺は………………聖杯戦争を終わらせたいだけなんだ。
「斬叶、お前のサーヴァントの宝具…………それは聖剣《エクスカリバー》だ。
何故、アーサー王の証をアーサー王の象徴をアイツは持ってるんだ?」

「そんなの簡単な事だよ」

圧倒的な力でセイバーの聖剣を振り抜いた。
聖剣同士の衝突…………同ランク同時同士の宝具での戦闘。
一振り一振りは爆弾その物、風を経ち、闇を照らす聖剣の輝きは王たる所以を剣で語り合っていた。
同一人物同士の剣術―――アーサー王は有利だった。
アーサー王は不利だった。

体は剣で出来ている
I am the bone of my sword.

「師匠……?」

血潮は鉄で心は硝子
Steel is my body,and fire is my blood.

幾たびの戦場を越えて不敗
I have created over a thousand blades.

「ほぅ、これは」

ただ一度の敗走もなく、
Unaware of loss.

ただ一度の勝利もなし
Nor aware of gain.

担い手はここに独り
Withstood pain to create weapons,

剣の丘で鉄を鍛つ
waiting for one's arrival.

ならば我が生涯に意味は不要ず
I have no regrets.This is the only path.
 
この体は、
My whole life was









無限の剣で出来ていた
"unlimited blade works"












「まさか、サーヴァント同士の戦闘でマスターが介入するなんて前代未聞だよ」
世界は塗り替えられていた。
衛宮 士郎の望まれた未来の姿に。
無限の剣―――無名の剣―――名の通った英雄の剣―――その全てを矛盾する無限の剣は荒んだ大地で主を待っていた。
「俺の躰は劔で【剣】で《鉄》で構成されている」
士郎は無数の剣を投影し……歪んだ空を眺めた。
「これは俺の世界だ。
誰にも支配されず……左右されない安息の世界―――だから、俺は俺で居られた」
「その口振りだと、君はこの世界でしか生きられない……ふーん。
君の世界はこんなにちっぽけなんだね。
僕の世界は雄大だ。
私の世界は寛大だ。
俺の世界は盛大だ。
俺は、僕は、私は【アーサー王】騎士王の名に恥じぬ剣技をお見せしよう」
「お断りだ、アーサー王はセイバーだからな」
「…………まぁ、それは君の勝手だけどね。
スペックもステータスも劣ったセイバーをアーサー王と認めるのは僕には無理かな」
無邪気な笑顔で本音を言うと。
士郎はとある疑問を抱いた。
「お前、クラスはセイバーじゃないのか?」

一瞬、油断した。
その油断は一瞬の隙を生じさせ出方を伺った士郎の背中から聖剣を振り下ろされる。
士郎は予め投影済みの二刀で聖剣を受け止め。投影武装を一斉掃射した。
全て偽物、故に贋作を超えた偽物はアーサー王を目掛け全弾、弾かれた。
圧倒的だ、以前、交えた英雄王以上の戦闘力―――諦めるより……進む、負けるより俺の全部を否定する!
士郎は新たに剣を投影し発射する。
「アハハッ、その調子その調子」
余裕の表情だった。
セイバーより劣る戦闘力で士郎ではまともに戦っても勝てる見込は無い。
延長線でも魔力の枯渇で負ける、相手のステータスを確認しても相手は全ステータスA+の英霊。
負ける事を理解した上での戦闘…………だが、勝機は見えた。
「セイバー!」
騎士王は聖剣に込められた魔力を開放した。
「無駄だよ、あの聖剣では俺に勝てない」
「さぁな……」
「聖剣同士の衝突で原型を留めてるだけでも十分賞賛に値する。
なんせ、私はアーサー王だからね。敬意を評して君達の遊びに付き合ってるけどこのまま無駄に時間をするのもねぇ」
「なぁ、アーサー王」

「知ってるか?」

綻びた二刀の投影を再構築し、その二刀を擬似的な【聖剣】に変換した。
「…………君、聖剣を」
「聖剣同士のスペックは同じなんだ。
後は腕と魔力―――それでも敵わないなら三本の聖剣で貴様を倒す」
「主君に捧げる勝利の剣……片方は僕の武器だね。
何故、僕の聖剣を投影したんだい?」
「一度に同じ聖剣を投影するのはこの固有結界でも不可能だ。
まぁ、そのお陰でお前の聖剣の構成材質も把握出来たし……今回はお前の負けだ」
無邪気な子供の様な笑顔で士郎は二本の聖剣を振り落とした。
膨大な魔力の塊は衝突し光の塔を創り上げ、それは火柱に見えた。





「永遠なんて欲しくない、欲しいのは今の時間、限られた今の時間」
未来は解らない。
過去さえ書き換えられた世界で何を望むのだ?
確定的な事は今、現実だけだ。その現実を生きるのに聖杯は必要ない。
「今の時間をずっとずっと続けるのは不可能、なら私は今を精一杯生きる」

神は偽りの少女の言葉に敬意を評し神の事態が時代から培った魔力の一部を差し出した。
ヘラから譲り受けた乙女心は偽りの少女に力を与え、神から与えられた魔力は偉大な槍のレプリカ【擬偽グングニル】となった。
その槍は偽りであり真実である。
事実は偽り、真実は偽り。
神は哀れな少女に力を与えた。
与えた力は強大で神すら殺す槍は少女の希望と成った。

「…………」
アレはアイツの記憶だ。
アイツの過去に興味はあった。
だが、こんな形でアイツの過去を知ってしまうとは。
三槍の神槍《グングニル》
アイツの宝具は神殺しの為のゴッドブレイカーって訳だ。
本来なら一本のグングニル……それを英霊としてサーヴァントとして召喚した結果、伝説の逸話や空想上の推測を宝具化してしまい奴はある意味、無敵のサーヴァントとなってしまった。
対神用宝具を持った英霊。
真名、いや、神名を明かさぬとも解ってしまう。
奴の正体、それは――――――――。

「オーディン」

その声はランサーの声では無かった。
暗闇から薄らと見える物陰、そのシルエットから推測すると。
「ガンナー……何の用だ?」
月の光に照らされはっきりと姿を現したガンナー。
左右の手に二丁のサブマシンガン。
穏やかに話をするつもりでは無いらしい。
「お前達の目的はなんだ?」
「目的だと? 以前、話した通りだが」
「信じられると思うのか?」
右手のサブマシンガンを構え、ガンナーは言った。
「信じるも信じないもお前の勝手だ。
私達の目的は聖杯じゃない。真聖杯戦争に参加することだ」
「真聖杯戦争……俺の知識の産物にはそんな物は残っていない。お前達は何なんだ?」
それはコチラの言葉だった。
未知の魔術で召喚されたサーヴァント。
未知のクラスに未知の投影魔術を行使する英霊。
そんな者は過去、伝説、空想上に存在する訳がない。
だからこそランサーと少年は知っている。
ガンナーの正体を何処からやって来たのかすら。
「それはお互い様だよ、ガンナー。
互に知るべき事と知らなければならない事が多過ぎる」

「だって君は未来の英雄なんだから」





「流石に……あれ程の魔力を全て受け止めるのはキツイ」
アーサー王は聖剣を瓦礫の山に突き刺し呟いた。
三本の聖剣から放たれた一撃、如何に贋作、偽物の一撃だとしても回避するのは不可能だ。
それにしても完全に近い投影……僕のエクスカリバーを完璧に複製していた。
それにあのアーサー王のエクスカリバーも。
同時に二本の聖剣を投影するなんてね。今回は完敗だ。
「マスター、無事かな?」
僕の背後で身を潜めるマスターからの返事はない。
まぁ、無理もない。今日一日で色んな事を体験したんだ……ゆっくり休んでもらわないと。
「あの贋作者達は、逃げたかな」
逃げる為だけに自身の最高の一撃を使ったんだ。
逃げてもらわないと困る。それに楽しみは後に取っておかないと。
殆ど無傷のアーサー王はマスターを掲げ、瓦礫の大地を進む。
魔力供給は正常、マスターは生きてる。
外傷は確認できず、内部の損傷も不可。
ひとまず安心。でも、これからどうしよう?




 
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