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レインボークラウン

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第二百五十一話

            第二百五十一話  お茶を飲みつつ
 先生達はマイペースのままだった、そして。
 天使にも悪魔にも神父さんや自分達の使い魔達にもお茶を勧めてだった。
 飲みつつだ、こんなことを言った。
「美味しいですから」
「どうぞ」
「それにティーセットもです」
「如何でしょうか」
「一体何なのだ」 
 天使がいぶかしむ顔で言った。それも四つの顔全てで。
「この様な時にお茶なぞ」
「全くだ」
 悪魔も言う。
「今から我等は戦うのだ」
「聖戦を行うのだぞ」
「それで何故お茶なぞ飲む」
「一体何になるのだ」
「全くわからぬ者達だ」
「変わった人間達だ」
 こう言う、そして。
 神父さんもだ、二人に不安な顔で問うた。20
「あの」
「ティーセットも皆さんの分もありますので」
「そちらも楽しんで下さいね」
 先生達は言おうとした神父さんにもにこりとして返す。
「何でしたらレモンもありますので」
「レモンティーがよいのならそちらを」
「私はミルクティー派です」
 神父さんは紅茶についてはこう返した。
「ミルクティーを頂きます」
「ではお砂糖もよければ」
「角砂糖を」
「有り難うございます、ですが」 
 先生達のペースに何とか巻き込まれまいと自分を保ちつつだった、神父さんは紅茶のカップを手にしてからまた言った。
「紅茶を飲んでいる場合では」
「まずはお話を」
「お茶を飲みながら」
 その神父さんにも言う先生達だった。
「喉が渇いてはお話もしにくいです」
「落ち着いたお話にはやはりティーセットも必要ですよ」
「ですからイギリス風に」
「お茶を楽しみましょう」
「そうですか」
「それでは」
「お話をしましょう」
 先生達は天使と悪魔にも言った、ここでだった。
 天使は自分の姿、四つの頭と翼、足の姿を見て言った。
「これでは茶を飲みにくいな」
「では人の姿になられるのですか?」
「いや、減らす」
 こう神父に答えてだった。
 天使はその全身を四つの頭で見回しながら考えはじめた。そして暫く考えてから神父さんにこんなことを言った。


第二百五十一話   完


                         2015・7・2 
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