もし俺がFate/Zeroの世界でランサーのマスターになった場合
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第十七槍
さて、朝はいろいろとあったが、これで漸くキャスター討伐に動けるようだ。
普通に動いて始末してもよかったが、やっぱ、追加の令呪は欲しい。なにより、俺がキャスターにかまけている間に背中を狙われれば目もあてられない。
……ま、あの魔術師殺しさんは璃正神父が信じられないからと無視するらしいが。
なにより、まず俺を狙いに来るのは間違いない。なんとしてもランサーの呪いを解きたいだろうしな。
「物部! なに暗い顔してんだよ!」
「ん? 俺、そんな顔してたか?」
「ああ、してたね。夜更かしでもしてたのか?」
わらわらと俺の回りに集まってくる友人たち。
現在学校ナウ
あ、いや今の時代じゃナウとは言わないか?
「ちげーよ。色々合って早くに目が覚めたんだ。おかげでちょっと眠い」
「そうか? まあいいや」
「よくねーよ。俺にとっちゃ一大事だ」
「まあまあ。そんなことは置いといてだ。今日から二泊三日で、誰かの家に泊まろうって話になってんだけどよ。物部もどうだ?」
どうやら、誰かの家でお泊まり会でもするようだ。
「場所は田中の家で、お前がOKなら六人との予定だ。ま、俺はもうちょい多くてもいいんだが」
「いや、俺がよくねえよ。うちはそこまで広くねえからな。あと、妹がなぁ……」
「小二だっけか? でもそれこみで大丈夫だろ」
「佐藤も無茶言うよな。他人事だと」
「おいおい、山田。そりゃ他人事じゃないと無茶は言えねえだろうに」
あれだな。まさに、男子高校生! って感じの会話だよな。
女がいないため、全く花がないのが残念でならないが、まぁ楽しいからいい。
「すまん。ちょっと放課後は用事があってな。これから十日間くらいは遊べそうにねえんだわ」
「ん? なんかあんのか?」
「まあな。色々と対処しにゃならんこともある」
佐藤の質問に曖昧に答える。
まぁでも、今青春をかける高校生だ。話題には事欠かないため、「そうなのか」という頷きの後、また別の話題で盛り上がっていく。
あまり語ることのない日常だが、またこうやって高校生して同年代と馬鹿話できるのは存外楽しかったりするので、その点に関して言えば神と名乗ったあれに感謝だ。
……ま、戦闘に巻き込んだことに関しては別だけど
ちなみにこの時代、スケ番とかリーゼントな長ラン短ランの不良とか普通にいる。
俺達のグループはそんなことはないのだが、スクールカースト的には上だったりするのだ。現在が昭和であるためなんとも言えんが、ま、暗いよりはいいだろう。
学園生活だけ言えば、かなりよかったりするのだ。
ーーーーーーーーーー
佐藤達が田中の家に向かうために一度帰宅していく中、俺はランサーとともに帰宅。
この聖杯戦争が終わって生き残ったら、あいつらをここに泊めるのもいいかもしれないな。
「……ま、来年のことを言えば鬼が笑うというし、これくらいにしておくか。ランサー」
「はっ、いつでも」
俺がいるのは屋敷の屋根の上。
冬木市の中でも高い場所に建てられているため、ここからだとよく見渡せる。夜の町というのも綺麗なものだ。
あとこういうの、一度やってみたかったシチュエーションベスト10にはいってたりする。
「ランサーはアインツベルンの森に向かえ。そこにキャスターがくるだろうし、打ち取ってこい。多分セイバーもいる。可能なら協力しておけ」
「御意。して、白水殿は?」
「俺? そのマスターを殺ってくる」
原作じゃ、ケイネス先生はアインツベルンの城に単身で乗り込んだが、俺はそんなバカはしない。多分、キャスターのマスター、雨龍龍ノ介はいまも尚、この町で子供の誘拐を行っているはずだ。
サーヴァントとマスターがバラバラで行動している今が絶好の好機。
マスターさえ殺れば魔力供給されなくなったキャスターは現界できなくなり、消滅する。
魔術師として底辺なキャスターのマスターなら見つければ確実に殺れる。
「……ふぅ、殺人も平気でしちゃう俺って……」
多分、あの神と名乗ったあれのせい? おかげ? なのだろう。殺すことが平気という常人なら考えられない精神になっとる。はたしてこれがいいことなのか悪いことなのか……
ま、魔術師の時点で普通にはなれんのだけれど。
「……さて、いくか。ランサー、頼んだぞ」
「御意! 白水殿も御武運を!」
霊体化してランサーが消えたのを確認し、俺も町へ繰り出した。
バラバラになっているのはなにもキャスター陣営だけではない。俺達もそうだ。セイバー陣営は城から動いていないだろうが、昨夜のように全てが原作通りとは限らない。俺自身も周りに注意をしなければ。
アーチャー陣営のギルガメッシュなんて、単独行動Aのクラススキルを持っているからマスターおらんでも一週間は生き延びるし、あの性格からして好き勝手に行動しているはずだ。鉢合わせなんてすればお仕舞いである。
後はアサシンの奴等にも注意だ。
アカン、注意すること多すぎて笑われへん。
そうやって、走りながら苦笑してみたのだった
後書き
友人達、名前でたね!
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