銀魂 銀と黒の魂を持つ夜叉
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
竜宮編
六訓
作者sid
「人が入ってる?」
何かのカプセルらしき機械に人が入っている。
「マッサージ機かのう?」
「違いますよ。冷却カプセルかなんかじゃないかなぁ?」
「そんなことより、疲れたわい。よいしょ。」
桂は何かの装置に腰をかけた。
「ちょ、勝手にいじらないでくださいよ!」
新八が言葉を発したその時だった。桂が腰かけていた機械が起動したのだ。
「ひぃー!天狗様じゃあ、祟りじゃあ!」
桂は本気でびびっている。
新八は機械の画面を除いた。そこには乙姫の真意が書かれていた。
「これは!」
「次目を覚ました時には、以前と変わらぬ姿でありたい・・・・・・・か。」
かつて竜宮城へ浦島という人が訪れた。ここからは現実世界にある私たちの知っている浦島太郎と一緒だ。浦島は地上に帰った時には何もかも変わり果てていた。それに絶望した彼は自ら死を選んだ。しかしそれを乙姫が助けたことによって一命を取り留めたのだ。しかし彼は目を覚ますことはなかった。乙姫は浦島が目を覚ますことを信じコールドカプセルに入れた。浦島の身体を美しいままで留めておくためだ。乙姫も彼が帰ってきた時には何も変わらぬままでいようと決めた。しかし時というのは止まることを知らない。乙姫はどんどん年を取っていき以前の美しさはなくなっていった。乙姫は若返りの方法を探したが見つからず途方にくれた時に思いついたのが今の、他のものを老人とさせる方法だ。こうすれば自分は彼が目を覚ました時に一番美しい存在でいられると思ったのだろう。
「銀さん!ここまで老化ガスが!」
乙姫は味方をも犠牲にし自分以外を老化させるよう仕掛けたのだ。そのガスがすでに地下まで広まっている。
「わしはもうジジイだから関係ないわい。」
「無責任すぎるよ!」
「誰じゃ、こんな時間に花火をやっているのは?高杉さんの子かのう?」
「もうだめだ、こいつら。」
「哀れよのう乙姫。」
「?」
「長い年月が経ち一人年老いていくうちに、その想いさえも醜くゆがんでしまったのか。」
「若く美しくあるってことよりよぉ、腰曲がってもまっすぐ歩いていくことの方がよっぽど難しいんだ、こいつは。たましいはおつこしあふおのあきとほわかやたあやらだ。」
「いや、途中から何言ってるかわからないですけど。多分いいこと言ってんだろうけど入れ歯が取れてなんも聞き取れないんですけど。」
「さすが銀時、いいこといった!わしもどっちかというとミィちゃん派じゃなあ。」
「どんな話してたんだよ!完全にピンクレディの話だろ!つーか古いんだよ!今を生きろボケ!」
「ヅラよお。年くってすっかりよぼよぼになっちまったけどよう。まだ、まっすぐ走れるか?」
「何を申しておる。だいぶ目が悪くなったが見えているぞ。行くべき道はまっすぐとな。」
「そうかよ。」
「!」
この時、新八にはよぼよぼの爺さんではなく。まっすぐ、背筋伸ばして歩いている。自分が今まで見てきた銀さんの姿があった。
「じゃあ、いくとすっかねえ?三千歳のババアのリハビリに!」
「ぎ・・・・・(気のせいだよね。)銀さん桂さん、無茶だ!そんな身体で 「 ビィービィービィー! 」 ?」
「銀さーん!やりました!やっと見つけました!」
新八がミサイルのようなものを持ってきた。
「なんじゃ、それは?」
「ワクチンです!乙姫が打ち込んだ老化ガスを無力化させるワクチンです!これを砲門に入れてぶち込めばみんなもとに戻ります。」
「でかした慎太郎くん。よく分からんが、そのチ〇チ〇というのを肛門に入れ「それ以上言うなあぁぁあ!」」
「それにこれは浦島さんが託してくれたんです。」
回想
新八sid
「望みは君たちに託した?誰がこれを?」
プシュゥゥゥゥウ
コンピューターの画面に文字が出てきたと思ったら何かの道具が出てきた。これってもしかしてワクチン!?
〔オトヒメヲスクッテヤッテクレ〕
「もしかしてこれって浦島さんが?」
新八sid終了
回想終了
「寿老砲、発射まで5分30秒!」
「時間がない!急ぎましょう!」
「!なんじゃこれは。長い階段じゃのう。」
「エレベーターも止まっとるぞ。」
三人の目の前には果てしなく続く螺旋階段があった。彼らはここを5分で登らなければならない。
「どうした!?早くせい!このままでは砲門までたどり着かれてしまう!」
乙姫が三人の動きを阻止しようと部下を連れ、螺旋階段までやってきた。しかしさっき自分で館内に老化させるをばらまいてしまったので自分の部下も老人になっており、足手まといになっている。
「きた!銀さん、桂さん、急ぎましょう!」
「だ、だまれ、新八。今、の、登って、るところじゃ。」
「年寄りはなあ、階段と婆さんのはぎしりが大嫌いなんじゃあ!でもなあ、婆さんを心から愛しとるんじゃ!」
「聞いてねーよ!つーかあんた婆さんいねえだろ!」
「何をしておる!もう退け!老ぼれどもがぁぁ 「ガシッ!」 ぁあ!?」バタッ!
乙姫が何かに着物を掴まれ転ぶ。
「き、貴様らー!」
老人となった長谷川さんと亀梨だった。
「どうした老ぼれ!老人になってこんな階段も上がれなくなったか!?」
「だまれー!老ぼれは貴様じゃあ!」
「まだまだ若いもんには負けんぞお!」
さっきまでへばっていた二人が今までのことが嘘のように階段を駆け出す。そして下で乙姫は、こんどは老化神楽に足止めをくらっていた。いまやっているのは認知症のおばあちゃんと嫁いできた嫁の会話になっている。途中から九兵衞も加わり完全に抑えられている。しかしそれを乙姫は力ずくで振りほどいて階段を駆け上がる。
「うおらぁぁぁぁぁぁあ!!」
乙姫はついに上にいた三人に追いつき新八の甲羅を掴んだ。
「銀さぁぁぁぁぁん!!」
新八はワクチンを銀時たちに託して乙姫を犠牲に階段を転げ落ちる。
「新八ぃぃぃぃぃぃ!!」
「寿老砲、発射まであと1分!」
銀時たちは砲門の前まで来ていた。あとはワクチンを砲門に入れるだけだ。ワクチンをクレーンに設置させる。しかし、そこに乙姫が現れてワクチンを掴みワクチンといっしょに引き上げられる。二人はそれを阻止しようと乙姫にしがみつく。するとワクチンごと落ちてしまった。落ちた時にミサイルからワクチンが漏れ出した。
「天元寿老砲、発射!!」
寿老砲が発射されてしまった。
「ははは!これで妾の勝ちだ・・・・・ん?
これはワクチン!?」
「ヅラぁ、狙うは大砲の砲門だぜ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
二人の姿がもとに戻った。
「これが・・・・
「本当の・・・・
ゲートボールじゃあああああああ!!!」」
二人は近くにあったハンマーでミサイルを叩き込み、無理やり発射させた。
「一丁あがりだな、ヅラ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
二人の手によりこの世は救われたのだった。
ページ上へ戻る