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もし俺がFate/Zeroの世界でランサーのマスターになった場合

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第十四槍

 
前書き
オリジナル展開入っていきまーす 

 
俺の眼下でランサーとバーサーカーの戦闘が開始される。


先に動いたのはランサーだった。

二槍を構えて突貫。瞬く間に彼我の距離を喰らい赤槍の突きを繰り出す。
対するバーサーカーはこれを電灯の柱で迎撃。
迎撃の際に刃に触れず、柄の部分を叩いたのは偶然なのか、それとも狙ってやったのか……

今はまだ判断がつかないが、あのバーサーカーのことだ。本能とかで破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)が危険だと感じたのかもしれない。事実、あれはバーサーカーにとっては天敵みたいなものだからな。

薙ぐ、突く、振り下ろす、と赤と黄の軌跡が何度も何度も描かれる。

バーサーカーは防戦一方。必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)は普通に対処するが、破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)には最大限の注意を払い、刃に触れないようにするので精一杯の様子。
まぁ、あの二槍の槍捌きを防いでいるんだ。バーサーカーも大したものだと思う。

ただ、対人に強いランサーが唯一同じ対人で相手に出来るサーヴァントだ。
しかも相性は最高。これにどうやって負けろと?

二騎のサーヴァントの戦闘も戦局がランサーへ傾き始めた。
徐々にであるがしかし確実に追い詰められていくバーサーカー。

そして、一気に状況が動いた。

ランサーがバーサーカーの手に持たれた電灯の柱を根本から切り飛ばす。
これでバーサーカーにはもう武器がない。無いと言っても、手に持てば何でも宝具にしちゃうバーサーカーだから油断はできないが、今奴の周りにはそう言ったものがない。

機械のような動きで周りの状況を見回したバーサーカー。判断する思考能力が残っていたのかは分からないが、低い唸り声をその鎧の隙間から漏らすと黒い影とともに姿を消した。どうやら撤退したようだ。

『ランサー、お疲れ。見事だったよ』

『痛み入ります。では白水殿、すぐに撤退を?』

『戦闘は禁止するけど、なんなら少しセイバー達と話してきてもいいぞ。俺は先に帰っておくからさ』

『護衛は如何しますか』

『大丈夫だよ。ちゃんと帰れるから』

『御意』

ライダーに途中乱入(俺が狙ってやったけど)されたから、騎士同士で話したいこともあるかもしれないし。
それに、ランサーのことだ。また再戦の誓いでも立ててくるだろう。

俺は倉庫街を一人お先に抜け出して屋敷へと向かう。

帰ったらまずは風呂に入って、それからご飯。もちろん、これはランサーにつくってもらうとして俺はその間に宿題でも済ませるか。
あとは訓練所で魔術の特訓でもして時間を潰してそのあと就寝。

あとどれくらいでランサーが帰ってくるか分からないが、少なくとも、俺が屋敷に戻るまでには帰ってくるだろう。

だからさぁ……


「遊んでる暇もないし、うちに招待する気もないんだけどなぁ……」

足を止めて背後を振り返らずにそう呟く。

「出てきなよ。そこにいるのは分かってるからさ」

探知に引っ掛かったのは一人。これでまずアサシンの可能性は消えた。
……ま、今ここで狙ってくるのなんてだいたい予想はつくけど

人通りの全く無いこの通り。その脇道に感じる人の気配。

「……プロだねぇ」

気付かれているのに姿を見せないのは凄いよね。まさに仕事人っ! て感じだ。

「……ま、俺に対してはそれは下策だぜ? 衛宮切嗣の腰巾着。いや、人形かな?」

振り返ったその先で、微かに動揺する気配が見てとれた。
手を出さないなら無視するけど……そういうわけにもいかなさそうだよなぁ……

俺は結界を二重に張り、静かに戦闘体勢を整えたのだった 
 

 
後書き
主人公の性格がなんか少しずつ変わっているような気が……ま、いっか
 
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