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オズのカエルマン

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第六幕その九

「ここは美味いぜ」
「そういえばどの茸も」
「美味いだろ」
「うん、とてもね」
「そうだよ、だからな」
 それこそというのです。
「この森にいれば美味いものには苦労しないぜ」
「そうなんだね」
「特に美味いものはな」
「それは?」
「鳥だな」
 それだというのです。
「俺は鳥が好きだってこともあるけれどな」
「それでなんだね」
「いつも楽しく食ってるぜ」
「あっ、そういえば」
 ここで、でした。神宝はあることに気付きました。それでそのことを尋ねたのでした。
「オズの国で食べられた生きものってどうなるんですか?」
「そのことだね」
「はい、肉食動物の人達いつも一杯食べてますけれど」
「僕達もお肉を食べているしね」
 カエルマンが神宝の言葉に応えます。
「それで食べられた生きものはどうなるのか」
「この国では死なないんですよね」
「どの生きもね」
「けれど食べられたら」
 普通は死んでしまいます、他の国ではです。
「そこはどうなっているんですか?」
「食べられてもね。一日経てばね」
「それで、ですか」
「元に戻るんだ」
「生き返るんですか」
「身体が元に戻るんだ」
 そうなるというのです。
「この国ではね」
「そうだったんですか」
「オズの国は誰も死なない」
 カエルマンはこのことからお話するのでした。
「そもそも魂は不滅だけれど」
「この国では身体もなんですね」
「そう、元に戻るんだ」
 身体はそうなるというのです。
「怪我をしてもなくなっても」
「元に戻るんですね」
「一日経てばね」
「そうだったんですか」
「例え食べられてもね」
 そうなってもというのです。
「この国では誰も死なないんだよ」
「だから豹さんが食べても」
「臆病ライオン君や腹ペコタイガー君でもね」
 勿論他の皆でも同じです。
「安心していいんだよ」
「わかりました、それじゃあ」
「うん、楽しく食べよう」
「そうさ、食うのは最高の楽しみだろ」
 豹も言うのでした。
「しかも死なないって余計に最高だよな」
「その通りだね」
「これがこの国だよ、それでだけれどな」
 豹は自分のお碗の中のものを食べつつ尋ねました。
「あんた達は何処に行くんだい?」
「今回の冒険はね」 
 カエルマンは豹に今回の冒険のことをお話しました、豹は彼のお話を聞き終えてからあらためて言うのでした。
「そうか、じゃあまだまだ先だな」
「ギリキンの国の奥だからね」
「気をつけなよ」 
 強く言う豹でした。
「ここから先はややこしいからな」
「坂があったり山があったり」
「そういう場所が」
「いやいや、他にもあるんだよ」
 それこそとです、豹は五人にもお話します。
「この国もな」
「っていうと一体」
「どんなことが」
「ユークーフーの女巨人はもういないけれど」
「まだあるんだ」
「この国は何でもあるからな」
 ギリキンの国にしてもというのです。 
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