転生とらぶる
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マブラヴ
1046話
朝食前に起こったいざこざも終わり、その後の食事を済ませた後は当然の如く海でのバカンスとなる。
ちなみに、当然の事ながら朝食は四葉を始めとした料理上手な者達の手によって作られ、今回の海のキャンプに来た者達全員の舌を唸らせた。
尚、蒋麗華と星刻に関しては俺が少し前に影のゲートを使って連れてきた。
そして今日はなんとオデュッセウスの姿もこの海ある。
……まぁ、あの年齢になれば海で泳ぐという気にはならないのか、そもそも海で泳ぐとかをするという事すら初めてなのか……ともあれ、水着に着替えた後はコーネリアと久しぶりに兄妹の仲を深めているようだが。
朝だというのに、既に気温は30℃近い。それだけに朝から海で泳ぐというのも特に問題なく、皆が遊んでいる。
特にビーチバレーとかは物凄い。元3-A組が参加している為に、気やら魔力やらを使い、更には桜咲なんかは翼まで出して、もはやどこがビーチバレーだって感じになっていた。
そんな相手に押され気味だが何とか踏ん張っている相手チームにはスティングとアウルの姿もある。
そして少し離れた場所ではシンやレイといった面々が応援をしていた。
「何とも、凄いものだな。あれはビーチバレー……と言ってもいいのか?」
冷たく冷えた葡萄ジュース――ワインにあらず――を飲みながらビーチバレーを眺めていると、不意にそんな声が聞こえてきた。
そちらに視線を向けると、そこには水着姿になった星刻の姿が。
「一人でいいのか?」
「ああ。……どうやら天子様は彼女と気が合ったらしい」
その視線の先にいるのは、嬉しそうに笑いながら霞と話をしている蒋麗華の姿。その近くでは、四葉が相変わらず鉄板の前で焼きそばを作っていた。
で、その四葉の近くでは小太郎が出来たての焼きそばを食べており、夏美がどこか呆れた様な視線を送っている。
……俺みたいに食べたものをすぐに魔力に変換して吸収出来るのならともかく、よく生身の小太郎が朝食を食べ終わってから1時間もしないうちに焼きそばを食べられるな。
これは……もしかして、焼きそばは別腹って奴だったりするのか?
そんな事はないと思うが……まぁ、狗族だから消化が早いんだろう。燃費は悪そうだが。
ともあれ、だ。
「意外……って訳でもないな。霞は色々と大人しい性格をしているし。ただ、人見知りの気がある霞と良く短時間で仲良くなれたな」
リーディング能力のある霞は、基本的に人見知り……というよりは軽い人間不信の気がある。これまで霞が読んできた相手の内面とかが色々と問題あったんだろう。
それ故に、リーディングの効果のない俺に懐いた面もあるんだろうが。
そういう意味では、やはり蒋麗華がこの短時間で仲良くなったというのは純粋に凄いものがある。
……あ、霞があやとりの紐を取り出した。そう言えば以前ホワイトスターに遊びに来た時に千鶴に教えて貰ってるのを見た事があるな。
マブラヴ世界では長年BETAとの戦争が続いている影響で、リソースの殆どをそっちに注ぎ込んでいる。
そうなれば本来なら発展するべき場所が発展できなくなり……娯楽というのはその顕著な一例だろう。
その影響もあって、マブラヴ世界では娯楽の類が殆ど発達していない。一応映画とかもあるらしいが、基本的には昔の映画を再放送しているくらいらしいしな。
いや。それともアメリカ辺りでは映画を撮っているんだったか? まぁ、アメリカはBETAの脅威がないし、何より最近ではマブラヴ世界でも人類側の連勝による連勝で明るくなってきている。その辺を考えれば、娯楽の類が発展し始めてもおかしくはないんだろうが……
まぁ、幾ら娯楽の類が発展してきても、それが日本まで到達するのはいつになるのかは分からないが。
結果的に日本で広まっているのは、戦前からの遊びであるあやとり、けん玉、ビー玉、お手玉といったものが主流となる。
……玉ばっかりだな。
TVゲームとかみたいなのは輸入しても色々と問題があるかもしれないが、人生ゲームとかのボードゲームの類であればマブラヴ世界に輸出しても面白いかもしれない。
それとも人生ゲームの類はもうあったりするのか?
「おお、おおおおお。少女が……いや、幼女が二人。これは素晴らしい。私のセンサーにもビンビンと来てる。創作意欲がわいてきたぁっ!」
何故か前髪を触手の如くウニョウニョとさせている早乙女の後頭部を叩いた俺は悪くない。
いや、そもそも俺が手を出さないと星刻が手を出していた可能性もある。その時に早乙女が受けたダメージは今俺が叩いた時よりも大きなものになっていた筈だ。そう考えると、俺の一撃は早乙女を救ったと言っても間違いではない。
「あのさぁ、アクセル君。私もこう見えて女の子なんだから、もう少し丁寧に扱ってくれると嬉しいんだけど」
「……そういう台詞は、そっちを見てから言った方がいいぞ」
「……え?」
俺の言葉に促された早乙女が見たのは、星刻の鋭い視線。
「や、やだなぁ……お兄さん。えっと、星刻さんだっけ。冗談よ、冗談。別に天子様に何かする気はなかったんだから。ほら、折角のイケメンが大変な事になってるわよ?」
「パルーッ! 何してるですかぁっ!」
「ぐはっ! ゆ、ゆえっち……ナイス突っ込み……しかし、忘れるな。ここで私を倒したとしても、すぐに第2、第3の私が現れるという事を……」
「だから、どこの大魔王ですか! アクセル君じゃあるまいし!」
そう告げ、最初に早乙女を鎮圧した分厚い辞書を振り上げる。
こうして見ると、辞書って言うよりはただの鈍器だよな。
確かあの辞書って綾瀬がネギと仮契約した時のアーティファクトだ。
だが、それは色々と調べる事が出来るという能力を持っている辞書であって、ああいう風に人を撲殺する勢いで殴りつけるような代物じゃなかった気がするが……
「お。おいアクセル。止めなくてもいいのか? その、彼女は生きているのか?」
星刻にしても、さすがに哀れに……あるいは不憫に思ったのかそう告げるのだが……
「気にするな。ほら、見てみろ」
俺の視線の先では、綾瀬に殴られた場所を痛そうに撫でつつも特に怪我をしている様子のない早乙女の姿があった。
「あの勢いで殴られて怪我がない、だと?」
「いわゆるギャグ属性って奴だな」
「何だと!?」
俺の言葉に驚愕の表情を浮かべる星刻。
いや、マジで信じるとは。
正確には綾瀬が微妙な力加減によって、痛みは与えるが実際に怪我は与えないという技術を会得しているからこそなんだが。
「アクセル君、嘘を教えちゃだめだよ」
そう声を掛けてきたのは、大河内。
大学にも水泳の推薦入学で入っただけあって、その水着は着慣れている風に見える。
……まぁ、着慣れているからといって色々な意味で破壊力の高い身体に見慣れる訳もないんだが。
そんな大河内に、俺は軽く肩を竦める。
「まさか本当に信じるとは思わなかったんだよ。……ところでビーチバレーはいいのか?」
先程まで例の色々な意味で人外魔境的なビーチバレーに参加していた大河内にそう尋ねると小さく笑みを浮かべて頷く。
「小太郎君がやりたいって言ってたから、代わってきた」
「ん? ……おお、確かに。小太郎がアウル達のチームに入れば、それなりに神楽坂達に対抗出来るかもな。ついさっきまで焼きそばを貪っていた筈だが。……お前はよくあっちに対抗出来たな」
スティングやアウルと共に神楽坂達とやり合っていた大河内だ。気や魔力の類はないまま、純粋にその身体能力だけで……というのだから、驚く以外はない。
「まぁ、一応それなりに身体は鍛えているし」
「いや、普通に身体を鍛えただけであいつ等を相手にどうにかなるとも思えないんだが」
そう告げるも、大河内は照れくさそうに笑みを浮かべるだけだ。
いやまぁ、その辺に関しては特に追求しようとは思わないけどな。
「それで、どうしたんだ? 大河内から話し掛けてくるなんて珍しいな」
「そう、かな?」
首を傾げる大河内に頷く。
元々大河内は男という存在にはあまり慣れていないところがある。
ネギま世界に俺がいた時は子供の姿だった為か、子供好きの大河内にそれなりに話し掛けられた記憶がある。
だがこの姿に戻ってからは、明らかに話し掛けられる回数が減った。
……まぁ、ネギま世界の件が終わってから向こうに顔を出す機会があまりなかったし、魔法界にいた時は話し掛ける話し掛けない以前に命の危機だったから当てにはならないか。
「あくまでも俺の感想だけどな。で、話は?」
「……うん。出来ればちょっと競争して欲しい」
「競争?」
そう告げ、視線を海の方へ。
水泳部の大河内が競争と言うからには、当然それは競泳という意味での競争だろう。
その辺に関しては理解出来るが、何故急に俺と?
「……駄目、かな?」
「いやまぁ、特に用事がある訳でもないしいいけど……星刻、お前も来い」
「私もか?」
「ああ。折角海に来たのに、お前昨日も泳いでないだろ。少しくらい泳いだとしても罰は当たらない筈だ」
その問い掛けに数秒考え……視線を霞と一緒に四葉の手伝いをしている蒋麗華へと向けると、やがて頷く。
「うむ、そうだな。天子様も随分と楽しそうだし、ここで何かを画策するような者もいないだろう。それなら私も少し遊んだ方が天子様も気にしない、か」
結局自分が楽しむんじゃなくて、蒋麗華が第一なんだな。
その辺は元々分かっていたんだが、こうして徹底されると何を言う気もなくなるのが不思議だ。
「って事で、3人の競争になるが構わないか?」
「うん。なら、もっと人を集めてみようか」
「……まぁ、大河内がそれでいいのならこっちも構わないが」
確かに大河内は大学に行って性格が変わったんだろう。それもいい方に、だ。
以前に比べて積極性が増しているのが分かる。
もっとも、その積極性で何の罪もない男を次々に惹き寄せる魔性の女になったりもしそうだが。
「じゃあ、ゆーなとかも誘ってくるね」
「ああ、こっちも適当に声を掛けておく。スタートは10分後くらいでいいか?」
「分かった」
そう告げ、去って行く大河内。
嬉しさが思わず出ているのだろう。その後ろ姿からはどこか浮かれているように見える。
その為に後ろ姿がより色っぽくなっているってのは……言わない方がいいんだろうな。
そんな大河内を見送り、俺もまた星刻へと向かって口を開く。
「じゃ、俺も参加者を集めてくるから、星刻はここで待っててくれ」
「うん? 私は参加者を集めなくてもいいのか?」
「ここで待っていて貰った方が助かるな。どこか集合場所を決めておく必要があるだろ」
「……そこまで気にしなくてもいいと思うが、まぁ、アクセルがそう言うのなら従おう」
ギアス世界出身の星刻は、他の世界の者達と交流がない。
いや、正確には交流はあるが、その対象は近右衛門やウズミ、グラスといった者達であり、同い年くらいの仲には交流のある者は少ない。
ギルフォード辺りとはギアス世界の件で色々と話し合っているみたいだが、ギルフォードも出身はギアス世界だしな。
どうしてもこの辺に関しては、陽光という国を実質的に運営している以上しょうがないのだろう。
「ビーチバレー組は……ひとまず置いておくか」
小太郎なんかは普通に海の上を走って移動しそうだし。泳ぐにしても犬かきとかするんじゃないか? いや、小太郎の場合は狗かきか。
気を使っている小太郎を眺めつつそんな風に考え、岩の海の方でカニ釣りをしているオズマとキャサリンの方へと近づいていく。
ちなみに昨日アルト達が釣ったカニの素揚げはそれなりに好評だったらしく、食べる人数が人数だった為にあっさりと全部なくなった。
かなりの量があったんだけどな。
あのカニは小さいからこそああいう風にパリパリと食べる事が出来たのであって、ある程度以上大きくなってしまうと殻が固くなってとても食えたものではなくなる。
いや、あくまでもそれは普通の人間ならであって、俺とかは普通に食えるんだけどな。
後は、小太郎も気を使って顎を強化して噛み砕いてた。
「どうだ、釣れてるか?」
「ああ。見ろ」
そう言ったオズマが、自慢そうにバケツを見せてくる。……あ、このバケツも昨日俺が出した奴だな。
そのバケツの中には、大量のカニが存在していた。
餌とかどうしたんだろうな? 昨日はサザエを使ったけど……まぁ、その辺にある貝でも使ったのだろう。
「それは何よりだ。それで早速だが競泳を行おうと思ってるんだが、参加しないか? ああ、勿論キャサリンの方でもいいけど」
視線を向けた先にいたのはキャサリン。
黒いビキニを着こなしているその姿は、さすがに元準ミスマクロスといったところか。
惜しむらくは水着の上からパーカーのようなものを羽織っているところだが……
「何で私が……オズマが出なさいよね」
「あー……まぁ、そうだな。そう言えばアクセル、艦長は誘ったのか?」
「サーフボードで参加しそうでな。……今回はあくまでも競泳だし」
そんな風に考えつつ、取りあえず人数を集めるためにも誘ってみるかと、ジェフリーの姿を探すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1179
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