ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
世界の終焉
第36話
前書き
原作の第75層に向かう辺りまで書きます。
第55層の<血盟騎士団>本部に到着したキリトとサチ、その会議室で2人は、アスナを通してヒースクリフから説明を受けていた。
キリト『全滅…だと……?』
サチ『偵察隊が…ですか?』
最初に説明された内容を聞いた2人は驚きを隠せなくなった。
ヒースクリフ『その通りだ。』
2人からの問いに、ヒースクリフは肯定した。
アスナ『昨日までに、第75層の迷宮区のマッピングは終了。時間は掛かったけれど、1人の犠牲も出ずに完了したわ。』
ヒースクリフ『しかし、フロアボス戦は苦戦を強いられるのは間違い無いだろう。』
キリト『無理も無いでしょうね。』
サチ『第75層…確か、3番目のクォーター・ポイントだよね?』
アスナ『ええ、そうよ。』
ヒースクリフの言葉に、キリトは当然だろうと言わん限りに頷いた。
今迄攻略されたフロアの中には、強大な実力を持ったフロアボスが25,50層に居た。
第25層では、<軍>の主力部隊が壊滅し、弱体化の一因となった。
第50層では、フロアボスの猛攻撃により戦線が一時崩壊、全滅しかけた。これらの理由から、第75層も同様である可能性が高い事は、キリトとサチにも解っていた。
ヒースクリフ『その為、<血盟騎士団>,<聖竜連合>を中心に20人からなる5ギルドの混成部隊を偵察隊として編成し、迷宮区に送り込んだ。』
アスナ『編成は、前衛後衛共に10人ずつ。まず前衛がボス部屋中央に到達、ボスが現れたと同時に入り口が閉まったのよ。【鍵開けスキル】,打撃攻撃でも扉はビクともしなかったそうよ。扉が閉まってからおよそ5分後、やっと扉は開いたのだけれど、そこにはフロアボスも10人のプレイヤーの姿も無かったって帰還したプレイヤーが報告したわ。
オマケに転移脱出した形跡も無かったらしいわ。』
ヒースクリフ『念の為にと黒鉄宮まで確認しに行ったそうだが、10人の死亡が確認された。』
サチ『そんな。』
キリト『10人も死亡って事は、[結晶無効空間]?』
ヒースクリフ『残念ながら、そう言う事になるな。』
キリト『何だと。』
アスナとヒースクリフの言葉を聞いたキリトとサチは絶望した。
予想不可能な状態で緊急脱出が出来ない場合となれば、犠牲者が出る事は間違いない。
デスゲームとなったSAOにおいて、犠牲者を出さない事はプレイヤー内では鉄の掟とされてはいるが、それを無視して殺しをするプレイヤーもいる。特に<ラフィン・コフィン>がその一例だ。
サチ『本格的なデスゲームとなって来たわけね。』
アスナ『そう言う事になるわね。』
キリト『とはいえ、このデスゲームから解放される事を望むプレイヤー達の為にも、攻略を諦める訳には行かない。』
サチ『けれど緊急脱出不可能な上、フロアボス登場と同時に脱出路を絶たれる構造。』
アスナ『そう、だから今回の攻略は、トップレベルのプレイヤーからなる大部隊で攻略する事が決定されたわ。』
ヒースクリフ『本来、新婚の君等を召還するのは、私の理に反する事だが、今の状況では戦力が足りないのだ。理解してくれ。』
『『……。』』
ヒースクリフの言葉の後、キリトとサチは考えたが…、
キリト『解りました。』
サチ『最善を尽くします。』
直ぐに答えを出した。
アスナ『心使いに感謝するわ。それと、以降は私とパーティーを組んで貰うわ。』
キリト『無理も無いだろうな、解った。』
サチ『不本意だけど、仕方無いか。』
アスナ『ご協力に感謝します。』
2人の答えの直後、アスナはキリト達とパーティーを組む事を告げた。元より、2人はアスナの護衛を務めているので仕方の無い事ではある。
ヒースクリフ『では君等3人の奮闘を期待するよ。攻略は3時間後の午後1時に決行。人数は君等を含め33人。第75層の転移門前に集合だ。では解散。』
ヒースクリフの最後の一声で、一同はその場を後にした。
ーーーーーーーーーー
アスナ『あと3時間ねえ〜。それまで何しようか?』
ここはアスナの執務室(オフィス)。そこにキリトとサチとアスナが揃い、アスナは2人に聞いた。
『『……。』』
一方のキリトとサチは、シリカとリズベッドにメールをとり合い、アスナの話を聞いていなかった。
っと言うより無視していた。
アスナ『チョット、答えなさいよ‼︎』
サチ『今忙しいから黙ってて。』
キリト『右に同じだ。』
アスナ『≪ピキッ‼︎≫』
無視されたアスナは2人に抗議したが、2人の言い分を聞いたアスナはキレた。
アスナ『イイわ。ならば、1年前のデュエルのリベンジを果たして見せるわ‼︎』
そう言ったアスナは細剣を抜いた。
サチ『やって見なさいよ‼︎』
キリト『やめろって2人共、室内でのデュエルは禁止‼︎』
アスナの挑発に乗ったサチは槍を装備。
だが、キリトの言葉で2人は思い留まった。
その後間が空いたが、アスナは今迄気になっていた事をキリトとサチに聞いた。
アスナ『ねぇ2人共、今迄聞かなかった筈なんだけど…どうして2人は、今迄ギルドに入る事を拒んでいたの?
元ベータテスターだから以外に、何かあるんじゃない?
教えて、誰にも言わないから。』
『『……。』』
アスナの言葉を聞いた2人は黙り込んだ。
だがその直後、キリトが重い口を開いた。
キリト『今から1年半前、俺はギルドに入った事があった。名は<月夜の黒猫団>。偶然迷宮区に潜っていたら、モンスターに苦戦する彼等とはち合って助太刀して、その縁で入団した。サチとはその時に知り合ったんだ。』
サチ『キリトと私を含めて6人のギルドで、リーダーのケイタは仲間を大切に思うイイ人だったの。』
キリト『けど、俺が入団してから1ヶ月後くらいに、ケイタはホームを買う為に^はじまりの街^へ向かい、残った俺達はケイタが戻るまでの間に金を稼ぐ事になって、最前線より1つ下の第27層の迷宮区に潜ったんだ。』
サチ『その際私達は、中央にトレジャーボックスが置かれた部屋に入ったの。』
アスナ『それってまさか……』
キリト『ああ、トラップだ。』
サチの言葉を聞いたアスナはまさかと思った。
キリトはそんなアスナに首を縦に振った。
キリト『俺は止めようとしたが、その時にはトレジャーボックスが開けられていた。それと同時にサイレンが鳴り響いて出入口が閉まり、モンスターの大群が姿を現した。しかもそこは、[結晶無効空間]。モンスターを倒して突破する以外に無かった。俺はそれまで隠していた上位ソードスキルでモンスターを倒し続けたが、俺とサチを除いた3人が死亡した。幸いにも、サチは元ベータテスターで槍の上位ソードスキルが使えたからその場を切り抜けた。っま、サチが元ベータテスターだったとは、その時に聞かされるまで知らなかったがな。』
アスナ『本当なの?』
サチ『うん。それまでは、誰にも言えなかった。』
キリトの言葉に、アスナはサチに聞いた。当の本人は、首を縦に振った。
キリト『だが戻った時に、俺とサチの素性を知ったケイタは自殺した。』
アスナ『‼︎』
『『……。』』
キリトの更なる言葉を聞いたアスナは驚きを隠せなくなった。
自分達が素性を隠した上で、こんな結果になったのだ。驚くのも無理は無い。
一方のキリトとサチは黙っている。
サチ『ギルドは結果的には消滅。そして私とキリトは、心に大きな傷を負ったの。』
キリト『それから俺達は、自分達の力で、このデスゲームを攻略する事に決めたんだ。だが、今の俺達は、この<血盟騎士団>に入る事になったがな。』
アスナ『そうなんだ。ゴメンね、嫌な事を聞いて。』
キリト『イイんだ。気にすんな。』
サチ『そうそう。』
2人の話の後、アスナは2人に謝った。だが2人は、そんなアスナを許した。
そんな事がありながらも12:50。
昼食を済ませた3人は本部を出て転移門に入り、第75層へと転移した。
後書き
今回はここまでにします。次回作は、早ければ来週頭に公開の予定で行きます。
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