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ハイスクールD×D大和の不死鳥

作者:sou×yuki
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83オーディンが来た


◇ヤマト

駒王学園の体育祭が迫っていた俺たちヤマト眷属学園組みは、テロの事情聴取を受け終えたあと、サーゼクスやアザゼルに事後処理を任せて人間界へと帰り、無事に学園組も欠ける事無く体育祭を終えた。

 ディオドラのことも終わって、アーシアといのりで二人三脚1位を取って無事終わった。

 そういえば、事件を起こす切っ掛けとなったディオドラ・アスタロトだが、俺達の証言で共犯者であったシャルバ・ベルゼブブに殺されたと死亡を認定された。そして、アスタロト家は信用の一切を失い、次期当主が『禍の団』に力を借りていた罪も重くて、現当主は解任。

 アスタロト家はしばらくの間、魔王輩出権も失ったそうだ。


◇いのり

「ほっほっほ、というわけで訪日したぞい」

 楪家のVIPルームでオーディンは楽しそうに笑っていた。その後ろには真面目な表情となっているロスヴァイセがいる。

 オーディンが何故、この駒王町に来たか?それの答えは簡単。オーディンは日本に用事があり、悪魔・堕天使・天使の三勢力と葬儀社を合わせた四勢力の協力態勢が強いこの町にいたほうが安全だかららしい。

 で、この場に集合しているのはグレモリー眷属・葬儀社メンバー(私、真名、祭、アーシア、レイナーレ、アリサ、オレーシャ、シュウ、綾瀬、ツグミ、城鐘、ウェンディ、シャルル、リーダーのヤマト)・アザゼルとヴァーリと云うそうそうたる顔ぶれ(葬儀社メンバーでオーバーキル)。勿論、元禍の団のボスで葬儀社に加わったオーフィスもいる。

 それだけでなく、バラキエル……朱乃さんの父親…こっちの朱乃さんはまだ、ギクシャクしてるみたい。堕天使の中でもアザゼルと肩を並べるほど強く、一発の攻撃力なら堕天使随一のバラキエルだったけ?。

「どうぞ、お茶です」

 〝ヤマト眷属〟のレイナーレがオーディンに対応していた。

「かまわんでいいぞい。しかし、ヤマトよ、お主が妬ましいわ」

「だったら、その変態癖を直せオーディン」

「そうですよ!オーディン様!」


「まったく、堅いのぉ。と、こやつはわしのお付ヴァルキリー。名は――」

「ロスヴァイセと申します。日本にいる間、お世話になります。以後、お見知りおきを」

 オーディンの紹介でロスヴァイゼがあいさつしてくれた。

「彼氏いない歴=年齢の生娘ヴァルキリーじゃ」

 オーディンが厭らしい顔つきで追加情報を。ロスヴァイセは酷く狼狽しだした。

「そ、そ、それは関係ないじゃないですかぁぁぁぁっ! わ、私だって、好きでいままで彼氏ができなかったわけじゃないんですからね!」

その場にくずれおれて、泣き出してしまう。

「まあ、戦乙女の業界も厳しいんじゃよ。器量よしでもなかなか芽吹かない者も多いからのぉ。最近では英雄や勇者の数も減ったもんでな、経費削減でヴァルキリー部署が縮小傾向での、こやつもわしのお付になるまで職場の隅にいたのじゃよ」

 オーディンはうんうんうなずきながら言う。そういえば俺が北欧に行ったときもそうだったな。

「爺さんが日本にいる間、俺たちで護衛することになっている。バラキエルは堕天使側のバックアップ要員だ。俺も最近忙しくて、ここにいられるのも限られているからな。その間、俺の代わりにバラキエルが見てくれるだろう」

「よろしく頼む」

 と、言葉少なにバラキエルがあいさつをくれた。

 私たちがオーディンの護衛なの?めんどくさい……

「爺さん、来日するにはちょっと早すぎたんじゃないか? 俺が聞いていた日程はもう少し先だったはずだが。今回来日の主目的は日本の神々と話をつけたいからだろう? ミカエルとサーゼクスが仲介で、俺が会議に同席――と」

 アザゼルが茶を飲みつつ訊いた。

「まあの。それと我が国の内情で少々厄介事……というよりも厄介なもんにわしのやり方を批難されておってな。ことを起こされる前に早めに行動しておこうと思ってのぉ。日本の神々といくつか話をしておきたいんじゃよ。いままで閉鎖的にやっとって交流すらなかったからのぉ」

 オーディンは長い白ヒゲをさすりながら嘆息していた。どこも色々と厄介事を抱えている……


続く 
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