ラテン=ヴァンパイア
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第五章
「十字架も直接見なくて済む」
「そのこともありますね」
「だからだ、こうしていこう」
こうしてだ、モスコヴィッチは飲む血を工夫して外出の時もだった。
色々とする様になった、サングラスと帽子を着用しクリームを塗ってだった。
完全防御になった、そうしてその血は。
ハスキルがだ、あるものを差し出してだ。こう言ったのである。
「これを一緒にどうぞ」
「牛乳か」
「はい、牛乳は大蒜の臭を消します」
「だからだな」
「これをです」
「血と一緒に飲めばいいのだな」
「そうです」
まさにその通りだというのだ。
「ですからどうぞ」
「わかった、ではな」
「これからは血と一緒にです」
「牛乳も飲むか」
「そうしましょう」
「血を飲んだ後で牛乳か」
「先の方がいいかと」
ハスキルは主にこう提案した。
「我々の場合は」
「先に飲んで牛乳の臭と味でか」
「スペイン人の血にある大蒜のそういったものをです」
「感じなくしてだな」
「飲めばいいかと」
これが彼の提案だった。
「そうして」
「わかった、ではな」
モスコヴィッチは従者の言葉に頷いた、そうしてだった。
彼は実際にそうして血を飲みはじめた、するとかなりましになった。そのうちに慣れて味もよく思えてきた。
それでだ、ハスキルに言うのだった
「これならだ」
「はい、私もです」
ハスキルも主に対して言う。
「この飲み方ならです」
「まずく感じることなくだな」
「飲めます」
その血をというのだ。
「それも美味しく」
「そうだな、それに外出の時もな」
「こちらの格好をしてです」
彼もだった、服装のことは。
「サングラスに帽子、クリームまでしますと」
「大丈夫だな」
「快適な位です」
そこまでだというのだ。
「いや、本当にです」
「快適に過ごせてきたな」
「どうにも」
「最初はどうなるかと思ったが」
スペインの暑さと日光、大蒜に教会の十字架にだ。それに夜に起きているスペイン人達の風習にもだ。
困った、だが今はというと。
「しかし対策が出来てきてな」
「次第に慣れてもきていますし」
「そうなればな」
「この国もですね」
「中々いいな」
「そうですね」
「全くだ」
こうも言うのだった。
「これはこれでな」
「ではこれからも」
「この国でな」
「役を果たしますか」
「是非な」
ハスキルと笑って話した、そして。
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