インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
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第7話《人をやめる時》
前書き
なんかこのss、前書き後書きの使い方ちがくね?
ISのssって「s」多くて口に出すとめんどくさそう。
今思うんだけどテンポ早すぎね?このss
合宿二日目は、午前中から午後までISの各種装備試験運用とデータ取りに追われる。
現在位置はIS試験用のビーチで、四方を切り立った崖に囲まれている。上方は学園アリーナを連想させるようなドーム方になっており、海原に出るには一度水面に潜り、水中のトンネルからいくらしい。
今回の合宿の目的はここに搬入されたISの新型装備のテストである。
俺はあのトーナメント襲撃事件から打鉄の操縦も人並みにできるようになったので、それなりに楽しみにもなっていた。
後方では束さんが箒と話していた。他の女子一同はそこにいる人物が篠ノ之束だと気づいたらしくにわかに騒がしくなっている。
俺が構わず打鉄用の装備を運搬していると、突如激しい衝撃が辺りを揺らした。
大きな砂埃を撒き散らし砂浜に刺さったそれは、銀色をしている。
次の瞬間壁が倒れ、中から真紅のISが現れる。
「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃんの専用機こと『紅椿』!全スペックが現行ISを上回る束さんお手製のISだよ!」
ーー現行ISを上回る。この人は本当にさらっとすごいことを言う。
俺は打鉄用装備を運びながらそちらを見た。
束さんと目が合った。
ーーあれ?いままで見られたことなんてなかったのに・・・
ほどなくして、『紅椿』試験稼働が始まった。
紅い光が宙で流れるように動きながらミサイルポッドを撃墜する。
圧倒的。誰もがそう思うだろう。
一年生全員が紅椿を見、魅了されている。
「たっ、た、大変です!お、おお、織斑先生!」
魅了され、言葉を失い静寂に包まれた空間にいきなり響く山田先生の声に、束以外の全員の視線が向いた。
生徒の視線が山田先生に向くなか。篠ノ之束は独り、微笑んでいた。
専用機持ちでない一年生は旅館に戻り、自室待機となった。
何があったのかは知らされていない。分かっているのは非常事態と言うことだけだ。
自室、六畳間ではあるがそこに三人も入るとやはり狭く感じる。
六畳間、旅館内を耳鳴りがするほどの静寂が包み込んでいる。そんな静寂な空間を一つの足音が破壊する。
勢いよく開いた襖から見えたのは息を絶え絶えにきらした山田先生だった。
「お、おおお、織斑、さん、織斑先生、が、おお、お呼びです!」
人間には、第六感というものがあるらしい。いわゆる嫌な予感。虫の知らせ。
俺は何だか嫌な予感がしていた。
織斑一夏は、これから起きる出来事を、微かに予感しつつ部屋を出た。
織斑一夏と山田先生は織斑千冬のもとにはむかわず、旅館をでた。
「一夏君。もう、わかりますね?」
近くの雑木林に足を踏み入れたあと、山田先生だった人、変装していたスコールが呟いた。
あぁ、やっぱり。
一夏は恐ろしく冷静だった。どこかで、こうなることに気づいていたから。
「なんで、俺にそこまでこだわるんですか。」
「さぁ、何ででしょう」
スコールはとても楽しげだった。
大きく育った木々からの木漏れ日が若葉に降り注ぎ、吹く風が木々を揺らしている。旅館内とはまた違う静寂の中、若葉や折れた枝を踏む音が辺りを彩る。
どれくらい歩いただろうか。おそらくそこまで長く歩いていないのだろうが足場の悪さからか、背中にはじんわりと汗が浮かんだ。
ふと、前を見ると木が生えていないところが見えた。
いや、木が斬り倒され、無造作に生えた五本ほどの切り株が埋まったままだ。
その切り株の中でも、一番日差しが当たらない切り株にスコールは腰かけた。既にISによる変装は溶けており、その姿はいつもと同じ、女性用スーツを身に付けていた。
「ふぅ、思ったより暑くなったわね」
そういいながらスコールは手で顔を扇ぐ。
「どうしたの?怖い顔をしちゃって」
「まだ、俺を半IS人間にしようとするんですか。」
「あたりまえじゃない。あなたはとても才能があるのよ」
スコールは、取り出したISのコアを光にさらした。
スコールの掌ほどのコアが日差しを反射し、目に痛いほど煌めいている。
「一夏君。これを見てみて」
投影ディスプレイが俺に向けて写し出される。そこに写っていたのは、白銀の機体。頭部から一対の翼が生えている。
「この機体は、『銀の福音』といって、ハワイ沖で試験稼働されていたのだけれど、今、制御下を離れて暴走しているの。あなた達が自室待機しているのも、このせいよ。」
「こんな事態なら、先生方や専用機持ちの人たちが対処に当たるでしょう。なにもすることはありませんよ。」
「専用機持ちはやられちゃったみたいよ。」
一際強い風が吹いた。木々の葉を揺らし静かな音をたてる。
「まだ、止めとはいかないけれど。軍用開発されたIS、それに専用機持ちの子達に随分と、傷付けられたようだから。危険物として排除されるんじゃあないかしら。」
太陽が雲に隠れ、辺りが暗くなる。その瞬間を見、スコールは立ち上がり、液状化し宙に浮くISのコアを俺に差し出した。
「先生方は辺りの人々の避難に追われてる。増援もまだ時間がかかるわ。」
俺の頬を汗が滑り落ち。
地面に落ちた枝を濡らす。
「あなたが行けば、まだ間に合うわ。」
スコールが一歩、また一歩と俺に近づいてくる。
これを飲めば、俺は人でなくなる。スコールの実験材料になる。代償がある。下手すればすべてを失う。死ぬかもしれない。助けられないかもしれない。
「あの子達が殺されてもいいの?」
ーーもう、迷っている時間はなかった。
俺は、コアを飲み込んだ。
後書き
次回、初のまともな一夏の戦闘。
ISのssでここまで主人公の戦闘描写ないのも珍しいと思います!(´・ω・`)
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