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変態姉弟が異世界から来るそうですよ?

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5話 変態姉弟が勝手に宣言するそうですよ?

 
前書き
原作をやや重視してます。 

 
ゲーム終了と共にジャングルは消失する。

「皆さん、おケガはされていませんか?」

黒ウサギが心配そうに3人を見る。

「大丈夫、くない。足が痛いよ~、黒ウサギ~」
「えっ!?大丈夫ですか!どの辺が痛いのですか!」
「足全体?だから、お姫様抱っこして~」
「……本当に痛いのですよね?」
「黒ウサギは、こんな超美少女を疑うの?」
「…………ジン坊っちゃん、黒ウサギは先に帰ります。ですので、あとのことはお任せします」

黒ウサギは半信半疑ながらも百子を抱えて、本拠へ跳んでいく。
時折、幸せそうな叫びが聞こえるもジンは無視した。

「ジン!」
「は、はい」
「姉ちゃんに言われた通りに頼んだぞ」
「はい!」

1000人を超える元“フォレス・ガロ”の傘下の衆人の前にジンは立つ。

「えー、皆さん。今から“名”と“旗印”を返還します。ですので、コミュニティの代表者は前へ来てください」

ジンの言葉に歓喜し、一斉に雪崩れ込む。
ある者は狂喜して躍り回り、ある者は旗を掲げて走り回り、ある者は感動してその場に泣き崩れる。

「“名”と“旗印”ってそんなに大事なもんなのか」

百蔵は1人、奇妙な思いでこの光景を見ていた。
全てが返し終わったところで、

「それで、人質はどこにいるのですか?」

「そ、それは……」

ジンが言い淀む。

「その、分かりません」
「分からない!?それはどういうことてすか!?」

感謝から一転、衆人は口々に疑問や文句を言い出す。
そして、

「まさか、あんた達、人質を返さないつもりか!?」
「我々をまた強迫するつもりか!」

これらの言葉で一気にヒートアップし、感謝どころか非難を始める。

「どうする?ジン?」
「どうすると言われましても、僕には」

ジンは百蔵が守っているので危険はない。
しかし、暴動が起きそうな勢いになってきている。

「人質なら全員死んでいるぞ」

空から羽の生えた金髪の少女の言い放った衝撃的な一言が響き渡り、場が一瞬で静まりかえる、

「レ、レティシア!?」

ジン1人を除いて。

「もう一度言う!人質は全員死んでいる!」

聞きたくなかった言葉に一同は固まる。

「ガルド=ガスパーは人質を取ったその日に皆殺していたそうだ」

知りたくなかった事実に呆然とする。
その中で認めたくない者が、

「デ、デタラメなことを言うな!だいたい、アンタは何者だ!」
「私は“箱庭の騎士”だ!」

その言葉に反論を与えるスキも与えず、言葉を続ける。

「私への非難は許そう。だが、ガルドから解放してもらったにも関わらず、礼儀を尽くすどころか非難するとは身の程を知れ!」

レティシアの怒声に一同は下を向く。
そして、あちこちから泣き声が聞こえる。
ジンは同情とレティシアの出現に戸惑っている。

「あんた達の気持ちは分かる。だけど、あえて言わせてもらう!オレ達は今後もこんな理不尽と戦い続ける!それがたとえ魔王だろうと!」

百蔵は百子のアドバイス通りに宣言する。
その言葉に気を取り直したジンも続く。

「だから、このような悲劇を繰り返さないためにも、僕達は活動していきます。ですから、どうか僕達のことを心に留めておいて――」
「あんたらはこのジン=ラッセルを宣伝しろ!それが“名”と“旗印”を返した礼だと思ってくれ!」
「ちょっ、百蔵さん!?」

泣き声もまだある中、少なからずの歓喜が起こり皆それぞれの帰るべき場所へ帰った。

「で、誰なんだ?」
「私は、」
「待ってください。その事も含めて本拠でちゃんと話しましょう」
 
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